子どもの能力を伸ばす鍵は「非認知能力」だった【4人の子どもを育てる公認心理師が教える心理学的アプローチ】

子どもの非認知能力を高めるためにできること

公認心理師:山下 エミリ

幼少期からの「お勉強」は必要?

どうしたら非認知能力が身につくのでしょう。

心理学では論理的思考能力が本格的に育つのは、小学5年生くらいからとされています。そのため、小学4年生のときにはわからなかったことも、5年生、6年生になってから改めて勉強すると、すんなりわかることがよくあります。

私は、論理的思考能力がしっかり育つ前から高度な勉強をさせることに疑義を抱いています。それよりも、その期間は非認知能力を伸ばすことに注力したほうがいいと考えます。

とくに、最近の中学受験では、単に丸暗記すれば解けるような問題ではなく、その場で考えて答えを見つける、思考力を問う問題が多く出題されます。

体験して得たことや知識を組み合わせる思考力や問題を判断する力、そしてどのように解答するのかという表現力が大事なのです。これらはすべて非認知能力です。

心理学では、2~3歳の時期にクリエイティブな能力、つまり非認知能力の「創造性」が発達することがわかっています。

ご家庭によっては、このくらいの年齢から塾に通わせてプリント学習の計算問題をさせたりすることもありますが、この時期にそういった「お勉強」は必要ないと思っています。

この時期は子どもを公園に連れていったりして、子どもの興味のまま自由にたくさん遊ばせてください。早期教育で学習を先行していた子が、のちに逆転されるという研究結果もあります。

子どもの心の成長に合わせて適切な時期に適切な養育をしてあげることが大事になります。この時期に大切なのは、体験から身につく発想力や想像力、自律心を育てることです。

親が心から楽しむことが一番のポイント
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