【3~6歳】触れ合う人が増え社会性を身に付ける「就学前期」にピッタリな絵本 国立小・元司書教諭が厳選

【絵本でことばを育んだり心を耕したりすることで、国語力の素地を養う#4】親子で一緒に楽しむことから始まる読書習慣

【3~6歳】就学前期の子どもたちにおすすめの絵本はこちら

『どしゃぶり』
出版社:講談社 
文:おーなり由子 絵:はたこうしろう

暑い暑い夏の午後。「ぼつっ! ぼつっ! ぼつっ!」と突然、地面を濡らすのは大粒の雨。水玉がはじけ、傘の上に太鼓のような音を鳴らしながら、「ずだだだだだだだ ぼぼぼぼぼぼぼ ぼぼぼぼぼ」と、すごい勢いで降ってきます。夏の午後のある一瞬を、さまざまな雨の音と大胆な構図で描いた傑作絵本!

『14ひきのおつきみ』
出版社:童心社 
作・絵:いわむらかずお

14匹のねずみの子どもたちは、色付いた葉や揺れるどんぐりが実る太いクヌギの木を登り、てっぺんを目指します。今夜は十五夜。14匹はみんなで力を合わせ、木の枝を切り、ひもで結んで、一生懸命お月見台を作っていたのです。自然の気高さと、自然と共存する美しさが描かれた、日本の秋を感じることができる作品。

『十二支のはじまり』
出版社:教育画劇 
文:岩崎 京子  画:二俣 英五郎

日本や中国、韓国などに古くから伝わる十二支。国によって、構成する12匹の動物は異なりますが、日本の十二支はどうやって決まったのか? 絵本『十二支のはじまり』では、むかしむかしのあるお正月の朝に起こった出来事を通して、十二支の始まりについて、小さな子どもたちにも分かりやすく伝えています。年の暮れやお正月などに読みたい一冊です。

日常で触れ合う人や物が増える時期です。子どもたちの発達に合わせ、それぞれの興味や関心が深まるような絵本を選び、親子で読み聞かせを楽しんでください。

取材・文・構成/えのとまり

22 件
さいとう かずたか

齊藤 和貴

Kazutaka Saito
教育学者

京都女子大学発達教育学部教育学科准教授。東京都公立小学校および東京学芸大附属小金井小学校にて28年間、教育活動や授業実践に取り組んできた経験を持つ。司書教諭の経験を生かし、「絵本を活用した授業づくり」にも精力的に従事。著書に『豊かな心と思考力を育む 絵本で広がる小学校の授業づくり』(小学館)などがある。

京都女子大学発達教育学部教育学科准教授。東京都公立小学校および東京学芸大附属小金井小学校にて28年間、教育活動や授業実践に取り組んできた経験を持つ。司書教諭の経験を生かし、「絵本を活用した授業づくり」にも精力的に従事。著書に『豊かな心と思考力を育む 絵本で広がる小学校の授業づくり』(小学館)などがある。