講談社児童文学新人賞を受賞したデビュー作『ルドルフとイッパイアッテナ』がシリーズ累計100万部超、幼年童話「おばけずかん」シリーズは累計200万部超。
2026年で作家デビュー40周年となる児童文学作家・斉藤洋(さいとう・ひろし)先生が、初めて「本の読み方」を指南する著書『人生がちょっとよくなる読書術』が刊行されました。この記事では、本書の中の一部を抜粋し、「おもしろい本に出会う方法」についてお伝えします。
『人生がちょっとよくなる読書術』
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「おもしろい本がない」という悩み
もう二十年以上前のことです。東北地方の少女から手紙をいただいたことがあります。それには、
〈自分は本をおもしろいと思ったことがない。どうしたらいいか?〉
という相談が書かれていました。そこでわたしは、
〈図書館にいって、題や表紙や絵を見て、おもしろそうな本をできるだけたくさん借りてきてください。それで、その本を五ページ読んで、つまらなかったら、それで読むのをやめましょう。そして、次の本を読みはじめてください。
それも、五ページ読んで、つまらなかったら読むのをやめ、三冊目の本を読みはじめて、五ページ読んでください。そうやって、十冊読んで、ぜんぶおもしろくなかったら、またお手紙ください。〉
と返事を書きました。
もし、この少女から、やっぱり本はつまりませんという返事がきたら、五ページを十ページにふやしてみるように提案し、それでもだめなら、では、わたしが書いた本で十冊、ためしてください、と書き、それでもだめなら、
〈ごめんなさい。それでは、わたしはどうしてあげることもできません。〉
とあやまるしかないと思っていました。
5ページでやめて、次を読む
ところが、最初の返事を書いてから、ひと月くらいして、その少女からまた手紙がきました。
〈つまらないときは五ページでやめていたら、六さつ目で、おもしろい本があったので、それを読み終わりました。
これからも、つまらないと思ったら、五ページでやめて、次の本を読むことにします。〉
返事にはそう書いてあり、六冊目の本がわたしの本だとは書いてありませんでしたが、わたしの作戦はとりあえず成功したようでした。
これは、東北地方の少女だけにあてはまることではありません。つまり、感想文を書く宿題とか、おとななら、仕事で読まないとまずいという事情がなければ、本は最後まで読む必要はまったくない!ということです。
べつに五ページでなくても、十ページでもいいけれど、ちょっと読んでつまらなければ、それでやめましょう。一ページでやめてもいいのですが、それだと、書いた人に悪いような気がするので、運悪く手にとってしまったら、五ページくらいはがまんしてください。おとななら、もう少しがまんできるかもしれません。












































































