「ソラタとヒナタ」絵本化の裏側〈前編〉物語の枠を超えて思い続けた作者の気持ちが、新たな物語へ

絵本『ソラタとヒナタ はじめてのたんじょうび』

イラストレーター・版画家:くま あやこ

かんのゆうこさんの童話シリーズ「ソラタとヒナタ」が、2026年5月27日に絵本『ソラタとヒナタ はじめてのたんじょうび』となって発売されました。絵本誕生のきっかけは、童話シリーズの挿絵担当のくまあやこさんがSNSで作中のキャラクターの誕生日を祝い続けてきたこと。

本記事では、前後編で制作エピソードの数々をお届け。前編では、絵本化がはじまったきっかけや、原画制作前の作業などを作画担当のくまあやこさんにお話しいただきます。

後編はこちらから(2026年5月28日公開予定)

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『ソラタとヒナタ はじめてのたんじょうび』

物語が日常の一部になっていた

はじめまして。「ソラタとヒナタ」シリーズの絵を描いているくまあやこです。今回、かんのゆうこさんが書かれた「ソラタとヒナタ」の新しい物語に、絵本のかたちで絵を描くことができて、喜びいっぱいのきもちです!

絵本『ソラタとヒナタ はじめてのたんじょうび』が誕生するきっかけや、絵ができるまでの制作のことなど、お話ししたいと思います。

童話シリーズ3作目の『ソラタとヒナタ おはなしのバトン』(2020年)が発売になってから、6年の時が経ちました。

1作目の『ソラタとヒナタ ともだちのつくりかた』から2作目『ソラタとヒナタ みえない星空』、3作目『ソラタとヒナタ おはなしのバトン』と、毎年ソラタとヒナタの物語に絵を描かせていただいていたので、いつの間にか、ふたりのことが私の日常の一部になっていました。

絵本までのあいだ、ときどき、ふたりはきっと森の奥で仲良くお茶を飲んでいるんだろうな、楽しい日々を過ごしているんだろうなと想像してみたりしていました。

『ソラタとヒナタ ともだちのつくりかた』より 写真提供:くまあやこ

『ソラタとヒナタ みえない星空』より 写真提供:くまあやこ

SNSでのお誕生日投稿をきっかけに

ある夏至の日に、読者のかたがX(旧Twitter)で「ヒナタ、お誕生日おめでとう!」と投稿してくださっていたのを、少し後になって見ました。

ヒナタのことを大切に想ってくださったことが本当に嬉しくて! でも、私はその日はヒナタのお誕生日を忘れてしまっていたなぁと、翌年から夏至の日にヒナタのお祝いをすることにしました。

それからだんだんと、夏至の日やヒナタのお誕生日のお話をいつか絵本で描けたらいいなというきもちが心の奥に生まれていきました。

ヒナタの誕生日のお祝いの様子。写真提供:くまあやこ

教科書へ取り上げてもらい、絵本化へと

一昨年(2024年)のこと、とてもありがたいことに、1作目の『ソラタとヒナタ ともだちのつくりかた』が教科書『ひろがることば 小学国語 二 上』(教育出版)の本のコーナーで紹介していただきました。

『ひろがることば 小学国語 二 上』(教育出版)写真提供:くまあやこ

このことがきっかけで、かんのさんと当時の担当編集者のMさんとソラタとヒナタの絵本のお話になって、童話のなかのひとつのお話を絵本にしようか、新しいお話を絵本にしようか、私の作絵の絵本にしようかなどいくつか案がでました。

夏至の日に過ごしたキャンドルナイト

そんなやりとりのなか、夏至の日を迎えました。かんのさんに「今日はヒナタのお誕生日ですね!」とメールしましたら、お返事のなかで夏至の日に世界のいろんなところで電気を消してろうそくを灯して夜を過ごす「100万人のキャンドルナイト」のことを教えていただきました。

さっそくその夜、私も「キャンドルナイト」をしてみました。ろうそくの灯りを見つめていると、光も影もゆらめいて、いつもの部屋が別世界のようになって、時間の流れや音もゆったりとしてきました。

かんのさんや世界のいろんなところであたたかな光のひとときを過ごしてる方がいるんだなと思うと、心もほわっとあたたかくなって、とてもいい夜でした! こんなひとときが描けたら素敵だなと。

物語を超えた思いが、新しい物語に…

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