男や女にとらわれず夫婦になり「ママ」に トランスジェンダー谷生俊美さんの3人家族とは?

「ママ」になったトランスジェンダー谷生俊美さんインタビュー#1~家族の在り方と暮らしぶり編~

日本テレビ 映画プロデューサー:谷生 俊美

ママとかーちゃんに抱かれたももちゃん。生後100日のころに撮影した。  写真提供:谷生俊美さん
すべての画像を見る(全5枚)

2023年8月に初の著書となる『パパだけど、ママになりました 女性として生きることを決めた「パパ」が、「ママ」として贈る最愛のわが子への手紙』(アスコム)を上梓した日本テレビの映画プロデューサー・谷生俊美さん。

39歳のころに「女性」として生きることを決意した谷生さんは、日本で初めてのトランスジェンダーのニュースコメンテーターとして『news zero』(日本テレビ)への出演経験もあります。

現在(2023年12月)の谷生さんは、4歳の女の子のママでもあります。谷生家にパパはおらず、愛娘の「ももちゃん」にとって、谷生さんは「ママ」であり、パートナー女性は「かーちゃん」です。そんな家族の暮らしについて聞きました。

※1回目(全3回)

谷生俊美(たにお・としみ)PROFILE
日本テレビ映画プロデューサー。1973年生まれ、京都生まれの神戸育ち。東京外国語大学大学院博士前期課程修了後、日本テレビに入社。2018年より『news zero』(日本テレビ)に日本初のトランスジェンダーのニュースコメンテーターとして出演。映画プロデューサーとして、細田守監督『竜とそばかすの姫』、百瀬義行監督『屋根裏のラジャー』などを手がける。1児の「ママ」。

一つひとつの質問に、自分の言葉で話す姿が印象的だった谷生俊美さん。  写真:柏原力

親友「かーちゃん」と自分に似た性格のももとの3人暮らし

谷生さんとパートナー女性の「かーちゃん」は、谷生さんが男性だったころに赴任先のエジプトで出会いました。

初対面から谷生さんは「かーちゃん」に好印象を持ち、交流を重ねて語り合う中で、次第に「この人とつながっていたい」と感じたそうですが、その時点で「かーちゃん」の渡米が決まっていました。距離の遠さから二人の人生が交わることはないなと考えていたと言います。

その後、二人とも帰国し東京で再会します。そのときの谷生さんは、「女性」として生きることを決め、女性ホルモンを投与。メイクやレディースファッションで装い、女性の風貌に変わっていました。

次のページへ 二人で話し合い、子どもをもつことにチャレンジしたい…
16 件