ラクしてお金持ちになりたい小学生におくる「ゲゲゲの鬼太郎」名言

ねずみ男はなぜいつも失敗しているのか?

「先を見通す力」があるから、お金もちになれる

子どもに「ラクしてお金持ちになりたい!」と聞かれたら、どうこたえますか? 「ゲゲゲの鬼太郎」のねずみ男は、いつもお金儲けをしようとたくらみますが、毎度毎度失敗ばかりです。ねずみ男は、目の前のことしか見てなくって、「先を見通す力」がないから失敗するのです。「ゲゲゲの鬼太郎」は、小学1年生から楽しめる面白いお話です。おはなしをよみながら、子どもとお金について学んでみましょう。

『おはなしゲゲゲの鬼太郎 ぶるぶる 貧乏神 座敷わらし』カバー絵/原作:水木しげる/講談社©水木プロ 東映アニメーション
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子ども向け書籍は「マネー本」ブーム到来中!

児童書の世界では今、ちょっとした「マネー本」ブームが起きています。書店の児童書コーナーには、『10歳から〜』『小学生から〜』といったタイトルがつけられた「お金」に関する本がズラリ。

でも「お金」の話というと「金儲け=良くないこと」という考えがなんとなくあって、どうしても触れづらいイメージを感じてしまうことも事実。日本ではまだまだ、お金の話をオープンにしない家庭が多いようです。お金は生きていく上でなくてはならないものなのに、実は意外と教わること、学ぶことのないジャンルになってしまっています。

では、お子さんから「お金持ちになりたい!」と聞かれたら、あなたならどう答えますか?

子どもに、モノやお金の大切さについて理解してもらいたいと思うのは親として当然なこと。それぞれの家庭によってそれぞれの教育方針があるように、みなさんも子育てに関する哲学(というほどのものでなくても「こだわり」と呼べるようなもの)があると思います。

子ども自身が「お金」に関して考えるきっかけづくりを!

お子さんの年齢にもよりますが、大切なことは「お金」についてお子さんが自分で考えるきっかけを、あたえることです。

たとえば、

1 お金の起源と働く意味を問いかける
お金はどうしてできたのか? なぜ人々は働く必要があるのか? その理由を考えてみてと、お金の起源や働くことの意味について問いかけてみましょう。

2 予算を立てるゲームを提案する
家計の予算を立てるゲームを通じて、子どもに収入と支出のバランスを考えさせることができます。実際に手持ちの仮想のお金で計画を立ててみましょう。

3 お小遣いの管理を任せる
お小遣いをもらったら、それを使う際にはどのような選択をするかを、考えさせましょう。自分のお金を管理することで、お金の価値を理解する手助けになります。

4 節約の意義を示す
もし欲しいものがあるなら、それにどれだけの時間や労力がかかるかを、考えてみてと、欲しいものを手に入れるためには節約や努力が必要なことを伝えましょう。

5 親の仕事について話す
親の仕事について話すことで、子どもはお金の稼ぎ方やお金の使われ方について理解を深めることができます。

子どもにとっては、お金に関する基本的な疑問や日常的な経験を通して、興味を持ちながら学ぶことができるでしょう。

お金について学ぶきっかけづくりに『おはなし鬼太郎』

『おはなしゲゲゲの鬼太郎 ぶるぶる 貧乏神 座敷わらし』原作:水木しげる/講談社©水木プロ 東映アニメーション

とはいえ、なかなかストレートにお金について話すのは難しい……。というのであれば、1冊の本を贈ってお金のことを考えるきっかけ作りをする方法もあります。

みなさんもご存知のゲゲゲの鬼太郎は、半世紀以上に渡って長く愛され続けているキャラクター。鬼太郎自身は幽霊族の末裔でありながら、妖怪と人間の間に立って、妖怪が起こしたトラブルを解決するために活躍します。

今回ご紹介するのは、家に居ついた貧乏神や座敷わらしと家族の間に起こる、まさに「お金」をテーマにしたおはなしです。

「貧乏神と座敷わらし」のおはなしから「お金」の価値を考えよう!

『おはなしゲゲゲの鬼太郎 ぶるぶる 貧乏神 座敷わらし』原作:水木しげる/講談社©水木プロ 東映アニメーション

『おはなしゲゲゲの鬼太郎 ぶるぶる 貧乏神 座敷わらし』のおはなしは、喫茶店を営む両親と将来は世界一のパティシエールになるという夢をもつ中学生の娘の綾の3人の間で繰り広げられます。

自分の家の喫茶店に居ついていた貧乏神を見つけた娘が鬼太郎に依頼して出ていってもらったところ、今度は座敷わらしが住みつくことに。座敷わらしのおかげで喫茶店はどんどん繁盛し、お金が舞い込んできたとき、両親の態度が変わっていき……。

居ついた家が貧乏になってしまう貧乏神と、居ついた家に福を呼び込んで裕福にする座敷わらし。2体の妖怪の霊力で減ったり増えたりする「お金」と、「お金で変わる人の心」について描かれたストーリーは、「お金で買えるもの」「買えないもの」についてお子さんとお金について話すきっかけにできる作品です。

貧乏神と座敷わらしの間で、お金もちになったり、貧乏になったりした中学生の娘の綾の言葉が「名言」です。

「これからは自分のじつりょくで、お店のやくに立っていきたい。せかいじゅうの人じゃなく、すぐ目の前の人をえがおにできるように……」

彩は、心の中でそう思うのでした。

『おはなしゲゲゲの鬼太郎 ぶるぶる 貧乏神 座敷わらし』原作:水木しげる/講談社©水木プロ 東映アニメーション

「人間とお金」の関係を考えさせられる存在のねずみ男

『おはなし鬼太郎』に登場するキャラクターでもう1人、「お金」に異常なまでの執着を見せるのが、ねずみ男です。

『おはなしゲゲゲの鬼太郎 ぶるぶる 貧乏神 座敷わらし』原作:水木しげる/講談社©水木プロ 東映アニメーション

お金のためなら手段を選ばない。ラクして儲けたい、うまいものを腹いっぱい食べたい……。そして儲けた後には必ず豪遊して散財。しかも投資に失敗して大損。いつも借金取りに追われている。

お金に対する欲望を隠そうとせずに実行し、しかも必ず失敗する。ねずみ男の「先のことを考えない」行動は、まさに「人間のダメな部分」を映し出す鏡です。この、ねずみ男がラクをして金儲けしようとたくらむ姿もまた、お子さんと話しあうきっかけになるはずです。

現代社会の課題を映し出す鬼太郎と妖怪たち

「ゲゲゲの鬼太郎」アニメシリーズ第1期と呼ばれる1968年の初登場から55年。2018年から放送されたアニメシリーズ第6期の『ゲゲゲの鬼太郎』は、大きなテーマに「自分と違う存在を否定しない」多様性の問題を据えています。

加えて、これまでの作品でも取り上げた環境問題だけでなく、SNSを通したリアルと仮想世界の差別化の問題など、まさに「現代」の課題を描いています。

そして、第6期アニメシリーズのストーリーをもとに書き下ろしたのが「おはなし鬼太郎」シリーズです。場面カットをふんだんに使い、まるでアニメを見るように楽しくおはなしが読める本です。

すべての漢字にフリガナがふってあるので、小学一年生から一人で読めます。

『おはなしゲゲゲの鬼太郎 のびあがり 見上げ入道』原作:水木しげる/講談社

『おはなしゲゲゲの鬼太郎 のびあがり 見上げ入道』

迷惑ウーチューバーが引き起こした妖怪の封印解除の問題、アイドル事務所を利用し魂を集めようとした妖怪のおはなしです。

『おはなしゲゲゲの鬼太郎 たんたん坊 山じじい』原作:水木しげる/講談社

『おはなしゲゲゲの鬼太郎 たんたん坊 山じじい』
かつて封印された妖怪が都市開発によって復活した事件と、人間の子どもが妖怪の暮らすゲゲゲの森に迷い込んでしまった……2つのおはなしです。

『おはなしゲゲゲの鬼太郎 すねこすり まくら返し ゆめくりのすずの少女』原作:水木しげる/講談社

『おはなしゲゲゲの鬼太郎 すねこすり まくら返し ゆめくりのすずの少女』
人間と妖怪の関係、親と子の関係。それぞれの深く強い「絆」を描いた、2つのおはなしを収録しています。

『おはなしゲゲゲの鬼太郎 たくろう火 雨ふり小僧 小豆あらい 小豆はかり 小豆ばばあ』原作:水木しげる/講談社

『おはなしゲゲゲの鬼太郎 たくろう火 雨ふり小僧 小豆あらい 小豆はかり 小豆ばばあ』
まったく特徴の異なる2体の妖怪が育んだ友情、そして同じ嗜好で結ばれた3体の妖怪の長く続く友情の2話を収録。

『おはなしゲゲゲの鬼太郎 ぶるぶる 貧乏神 座敷わらし』原作水木しげる/講談社

『おはなしゲゲゲの鬼太郎 ぶるぶる・貧乏神・座敷わらし』
妖怪が起こす仕打ちに対して、負けないようにがんばることで成長する子どもたちを描いた2つのはななしです。

クリスマスやお正月といえば、プレゼントやお年玉といった「お金」に関わることが多くなる季節。「お金」のことを考えるきっかけに、1冊の本に「投資」してみるのはいかがでしょう?

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