男の子の子育て【年齢別】傾向と対策 子育て専門家が解説

男の子の子育てココが知りたい#3「年齢に応じた育て方」

大阪教育大学教育学部教授:小崎 恭弘

年齢があがると、男の子はどう変化していくのでしょうか。  写真:アフロ
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子どもは成長とともに体力や運動量が上がっていくと、目が離せなくなります。特に3歳以降は身体能力がグッと上がるので、走り出した男の子を追いかけるのが大変というママもいるはずです。

では、年齢別で見た場合、男の子はどう変化していくのでしょうか。元保育士で、3人の男の子の父親でもあり、男児の子育てに関する著書がある大阪教育大学教育学部教授の小崎恭弘先生に伺いました。

「男の子の子育てココが知りたい」3回目は、年齢別での男の子の成長の傾向と子育てのコツを解説します。

「男の子の子育て」とひと口に言っても、子どもの個性はさまざま。男の子で当てはまらない子どももいれば、女の子で当てはまる子どももいることでしょう。ぜひ男の子のパパママも、女の子のパパママも我が子を想像しながら、読んでみてください。

(全4回の3回目。#1#2を読む)

0歳〜3歳/だんだん活発になる時期

0歳〜3歳は、誕生してから、やがて自我が芽生えるイヤイヤ期を通り、次第にそれが落ち着いてきます。この期間の、男の子の成長にはどのような特徴があるのでしょうか。

「まず、0歳はユニセックスの時代です。生物学的な違いはあるにしろ男の子、女の子だからといって大きな違いをほぼありません。

それが1歳近くになってくると、歩行が始まって次第に動きが激しくなってき、個人差はありますが、運動量での違いを感じるかもしれません。

目を離すと部屋の端から端まで動いていたり、隙間に入ろうとしたり……、ママがびっくりするような大胆な行動を目にすることが多くなるでしょう。

2歳頃になると、ついにイヤイヤ期が到来します。『イヤー!』『自分で!』という強力な2大セリフを親は毎日のように耳にします。

それ以前のように言うことを聞かなくなるので、育てづらさを感じる方が多いでしょう。また3歳頃から、次第に性別に対する認識が子どもの中に育ってきます」(小崎先生)

子どもそのものを見ることが大切

大きな成長はあるけれど、まだまだ赤ちゃんの域を出ない0歳〜3歳の育児で大切なことは、男の子、女の子の区別をあまり意識することなく、親が子育ての方向性を考えることだと小崎先生は話します。

子どもの個性を見極めたいなら、0歳児でも子育て支援などに行って、集団の中での我が子の様子を見るとその特性が見えてきます。

子どもが他の人とどのようにかかわるのか、体をどう使うのかなどを観察すると、「度胸がある」や「運動神経がいい」など、我が子の優れた点を見つけられて子育ての方針に活かすことができます。

4歳〜6歳(就学前)/自分を理解していく時期

「4歳〜6歳は『ぼく』『わたし』というように、男性・女性自称が出てくる時期です。また、周りの影響を受けながら自分を理解していく頃であり、お友達遊びの中で個性が発揮されていくタイミングです」(小崎先生)

小崎先生は、外的な影響が子どもの成長に重要な時期なので、就学前は体験と経験の幅を広げるのが大切だといいます。幼稚園や保育園では男の子、女の子の隔てなく、さまざまな活動から体験と経験を増やすよう保育されています。

4歳〜6歳では、遊びを通じて体験と経験の量を増やしてあげることが成長の糧になります。 写真:アフロ

見えない敵と戦っている男の子

「この頃の男の子は、常に“見えない敵”と戦っています。夢と現実を行き来している時期なので、彼らが住む世界を大切にしてあげてほしいですね。

親は現実に戻そうと必死になりますが、たまには子どもの世界に飛び込んで、本気で子どもと一緒に見えない敵と戦ってみてください。お子さんは自分の世界を共有できたことにうれしがるはずです」(小崎先生)

この時期の子どもは、遊びが仕事です。危険なことをしないようにしつけはしなければなりませんが、常に現実世界に子どもを戻すのではなく、彼らが持つ世界を親がリスペクトすることが親子の関係性を深くすると小崎先生は話します。

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