
発達が気になる子どもの「就学相談」ガイド 「支援級と通常級」判断に悩んだら よくある疑問を専門家が解説
2025.05.26
「就学相談」とは

「就学相談」とは、小学校や中学校などの就学先について相談する場。
小学校入学を控えた、6歳児(年長さん)の保護者が参加するケースが多いですが、実際にはどの年齢の子どもや保護者も対象になります。
発達障害の診断があるかどうかは関係ありません。子どもの特性に応じて、適切な教育を受けられるようにするための場で、区や市など自治体ごとに行われています。
しかし、まだまだ一般的ではない「就学相談」という言葉。実は、多くの誤解があるようです。
誤解①就学相談に行くと、特別支援学級への入級が決まる?

就学相談では、子どもが学ぶ場所を一方的に決められてしまう──それは大きな誤解。
小関先生は、「就学相談は、保護者の希望と子どもに合った環境をすり合わせる機会です」と教えてくれました。
保護者、専門家、そして子ども本人。皆の現状やニーズをふまえて「納得できる選択」をするのが就学相談なのです。
それだけではありません。就学相談は、保護者の希望を学校側に伝える貴重な機会でもあります。
「子どもに対してどんな支援をしてほしいのか、どんな声かけがあれば子どもが最大限に力を発揮できるのか。『こんな関わり方をしてほしい』を入学前に伝える絶好のチャンスなのです」(小関先生)
誤解②支援級より通常級のほうが良い?

「支援級だといじめられるのでは」という心配やマイノリティになることへの抵抗を感じる方もいるかもしれません。保護者の価値観に影響を受けて、子どもも「支援級はイヤ」と言う場合もあるようです。
しかし、入学後に支援級で細やかな指導を受けて成長を実感し、保護者の考えが変わるケースも多いのだそうです。子どもも成長につれて「自分は自分、他人は他人」と捉え、支援級で学ぶことに抵抗がなくなることもあるといいます。
「『通常級』ということだけにこだわるのではなく、どのような場が、子どもの成長を促すために最適な場所なのか、さまざまな可能性を考えるという視点が大切です」(小関先生)