発達が気になる子どもの「就学相談」ガイド 「支援級と通常級」判断に悩んだら よくある疑問を専門家が解説

誤解③小学校入学の選択肢は「通常級か、支援級か」だけ?

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通常級でも、クラスに担任以外の先生が入って個別にサポートする「入り込み支援」や、別室で個別指導を受ける「取り出し支援」など、子どもに合った支援を受けられる可能性があります。

通常級での学習におおむね参加できているけれど、部分的に特別な指導が必要。そんな子どもの場合は、特性や障害に応じた特別の指導を受ける「通級指導教室」の利用が、選択肢となる場合もあるでしょう。

ただし、いずれの場合も制度や利用方法は地域によって異なるため、確認が必要です。

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支援級に在籍する場合も、障害のある子どもと障害のない子どもが同じ場で共に学ぶ「交流及び共同学習」の時間があり、通常級の友達と同じ授業や行事に参加する機会があります。

必ずしも支援級だけで学びが完結するわけではないのです。

「障害の程度やニーズに応じて、通常学級、通級指導教室の活用、特別支援学級、特別支援学校等のさまざまな選択肢のメリットとデメリットを理解したうえで、よりよい選択ができるといいでしょう」(小関先生)。

学びの方法は多様。子どもに合わせて考えていけばよいのですね。

「就学相談、行ってよかった」実際の事例から

小関先生は、「『就学相談を受けて後悔している』という声はあまり聞いたことがありません」と言います。

「行って良かった」と思えるのはなぜなのでしょうか。実際の事例を見てみましょう。

ケース①子どもの苦手さに直面して、落ち込んだけれど……
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