
森田麻里子先生(以下、もりたま先生):次男を出産するときに、インターネットで田中先生が主宰するIT勉強会「てんしのおうち」を知って入会しました。それまでもモンテッソーリ教育は知っていましたが、手作り教具などが面倒というイメージがあって、私には合わないと思いこんでいたんです。
でも、出産の機会にきちんと勉強してから判断しよう、と思いました。赤ちゃんを連れてスクールに通うのは大変ですが、オンラインの勉強会なら無理なく参加できますしね。
田中昌子先生(以下、田中先生):ありがとうございます。モンテッソーリ教育とは、100年以上も前に、イタリアで初めて女性の医学博士となったマリア・モンテッソーリが確立した革新的なメソッドで、子育てにも役立つ理念がたくさんあります。
もりたま先生:IT勉強会のなかで田中先生が紹介された参考図書と、図書館の検索サイトを使ってモンテッソーリ教育の本を探して読みました。
そのなかに、『モンテッソーリで解決! 子育ての悩みに今すぐ役立つQ&A68』があったのです。とても分かりやすい内容で、悩み解決のハウツーとともに、モンテッソーリ教育の考え方がしっかり書かれていたことに魅力を感じました。これは手元に置きたい、と思って購入したんです。
田中先生:この本には、IT勉強会「てんしのおうち」に寄せられた約2万通ものお悩みをもとに、代表的な実例を載せました。実際には子どもの数だけお悩みがありますよね。モンテッソーリの理念を納得して自分のものにすると、困ったときに自分で子どもにあった解決法が見つかるようになるんですよ。
赤ちゃんの夜泣きはこれで解決!

──小児睡眠コンサルタントとしてご活躍されているもりたま先生ですが、ご自分の子育てでは苦労されたそうですね。
もりたま先生:長男の夜泣きがひどくて、私も睡眠不足で……。ある日、泣いている長男を抱っこしてあやしていて、ふと見たら、子どももつらそうだったんです。そのとき、「眠れなくてほんとうにつらいのは、この子なんだ。これは私が変えなくちゃ」と思ったのです。
それから海外の研究論文を読みあさり、そこで得た知見を使うと長男が夜泣きをしなくなったのです。これを広めようと考え、「ねんねトレーニング」普及に取り組むようになりました。
田中先生:私も長女がたそがれ泣き、次女が夜泣きがひどくて、がまんして乗り切りました。マンションの階段で娘を抱いたまま、ポロポロ泣いていたのを覚えています。「ねんねトレーニングが」あれば……。
──赤ちゃんの夜泣きにはどのような解決法がありますか。
もりたま先生:まず赤ちゃんをしっかり観察すること。そして、その子に合った生活リズムや寝室の環境を整えるといいですね。具体的には、朝は早起きさせて夜眠くなるリズムをつけること。夜7時にはお風呂に入れて寝る準備をするといいでしょう。そして、寝室はできるだけ暗くする、などですね。
──観察から始まるのはモンテッソーリと同じなんですね。子どもを観察し「今、この子は何を求めているのか」を判断し、環境を整えるということですね。
自分で考えて行動できる子どもに育つ

──将棋棋士の藤井聡太さんなど、多くの著名人がモンテッソーリ教育を受けています。