一人で抱えない!「生活の場」での相談が大切
古荘先生はまず「子どもの状況を把握すること」を勧めます。
「子どもが何に一番困っているか、その困りごとがどのような場面で起こっているか、どんな場面でも持続しているか。それを把握することが第一歩です」(古荘先生)
わが子のちょっとした違和感を「たまたまかな?」と流してしまわず、まずは大人がしっかりと意識を向ける。「子どもの状況を把握」し、心に留めておく(記憶しておく)ことが、次のステップへ繋がります。
特定の困りごとが持続しているとわかったら、次にするべきは、一人で抱え込まないこと。言葉にして人に話すことです。相談する先は、「子どもの生活する場」から考えます。
「通っている小学校や習い事の先生など、普段からその子と接している人に話してみましょう。親子として相談していく姿勢が大切です」 (古荘先生)
相談先も1人ではなく、2~3人に増やしていくと、「自分たちだけで困っているのではない」と感じられ、心理的な負担を軽減できます。そして相談はできるだけ、「この人なら客観的な意見をもらえる」と信頼できる、複数の人にしてほしいと、古荘先生は言います。
信頼できる相談先と、受診への進め方
「発達障害の症状の見え方は、見る人の主観に左右されやすい。学校の先生であっても『おおらかに見るか』『厳しめに見るか』で、その子の困りごとの程度の認識が違ってきます」 (古荘先生)
信頼できる人の意見を参考に、子どもの状況が明らかになったら、医療機関や地域の保健・福祉施設で診察を受けるステップに進みます。
診察の予約はなかなか取れないこともありますが、焦らず、一つずつ当たっていけば、診察は受けられます。
発達障害の診断がつき、投薬や療育などの対応が始まると、多くの場合、困りごとは軽減します。親子ともに一安心……ですが、時には、別の困りごとが続いて起こることも。
「発達障害の二次障害」と呼ばれるもので、深刻な場合には、不眠や抑うつ症状、不登校にもつながってしまいます。
この「二次障害」とは、どんなものでしょう? 予防のためのポイントや、起きてしまったときに取るべき対応は? 引き続き、古荘先生に伺います。
取材・文/髙崎順子
全2回の第1回(第2回を読む)
古荘純一先生の本
7人に1人、日本に約1700万人いるとされる「境界知能」の人たち。言語化が苦手、仕事の段取りを覚えられない、行動がワンテンポ遅い、対人関係の距離感が極端、金銭管理ができない、ダマされやすい……困っているのに気づかれなかった人々の実態とは?
極端な不器用さにより、日常生活に困難を抱える発達障害「DCD(発達性協調運動障害)」。 周りに理解されず、「育て方」や「本人の努力不足」と誤解され、親子で生きづらさを抱えるケースも少なくありません。本書では、DCDの具体的な症状や実例を詳しく解説。家庭や学校で今日からできる支援方法や、親子が前向きになるためのアドバイスを凝縮した一冊です。

髙崎 順子
1974年東京生まれ。東京大学文学部卒業後、都内の出版社勤務を経て渡仏。書籍や新聞雑誌、ウェブなど幅広い日本語メディアで、フランスの文化・社会を題材に寄稿している。著書に『フランスはどう少子化を克服したか』(新潮新書)、『パリのごちそう』(主婦と生活社)、『休暇のマネジメント 28連休を実現するための仕組みと働き方』(KADOKAWA)などがある。得意分野は子育て環境。
1974年東京生まれ。東京大学文学部卒業後、都内の出版社勤務を経て渡仏。書籍や新聞雑誌、ウェブなど幅広い日本語メディアで、フランスの文化・社会を題材に寄稿している。著書に『フランスはどう少子化を克服したか』(新潮新書)、『パリのごちそう』(主婦と生活社)、『休暇のマネジメント 28連休を実現するための仕組みと働き方』(KADOKAWA)などがある。得意分野は子育て環境。
























































































古荘 純一
青山学院大学教育人間科学部教育学科教授。昭和医科大学精神科・小児科客員教授、医学博士。1984年昭和大学(現・昭和医科大学)医学部卒業、1988年同大学院修了。同大学小児科学教室講師などを経て現職。小児精神医学、小児神経学、てんかん学などが専門。発達障害、トラウマケア、自己肯定感などの研究を続けながら、教職者・保育士などへの講演も行う。小児の精神医学から心理、支援まで幅広い見識をもつ。 著書に『境界知能の人たち』(講談社新書)、『DCD 発達性協調運動障害――不器用過ぎる子どもを支えるヒント』(講談社)、『自己肯定感で子どもが伸びる――12歳までの心と脳の育て方』(ダイヤモンド社)、『日本の子どもの自尊感情はなぜ低いのか――児童精神科医の現場報告』(光文社新書)、『境界知能――教室からも福祉からも見落とされる知的ボーダーの人たち』(合同出版)など多数。
青山学院大学教育人間科学部教育学科教授。昭和医科大学精神科・小児科客員教授、医学博士。1984年昭和大学(現・昭和医科大学)医学部卒業、1988年同大学院修了。同大学小児科学教室講師などを経て現職。小児精神医学、小児神経学、てんかん学などが専門。発達障害、トラウマケア、自己肯定感などの研究を続けながら、教職者・保育士などへの講演も行う。小児の精神医学から心理、支援まで幅広い見識をもつ。 著書に『境界知能の人たち』(講談社新書)、『DCD 発達性協調運動障害――不器用過ぎる子どもを支えるヒント』(講談社)、『自己肯定感で子どもが伸びる――12歳までの心と脳の育て方』(ダイヤモンド社)、『日本の子どもの自尊感情はなぜ低いのか――児童精神科医の現場報告』(光文社新書)、『境界知能――教室からも福祉からも見落とされる知的ボーダーの人たち』(合同出版)など多数。