夫婦・カップルにとって、子どもを迎えることは大きな節目。そのはじめの一歩が妊娠するための活動、いわゆる「妊活」です。
2022年に不妊治療が保険適用されてから、結婚直後や30代前半の早い段階で、不妊治療を始める人が増えています。
働きながらの忙しい毎日で、治療に通うのは大変なこと。その成功率は年齢によって変わり、中には子を授からないまま、治療終了を迎える場合も。そのときの心理的・精神的なダメージは小さくなく、支援や対策が必要です。
「不妊治療は誰もが成功すると信じて始めますし、実際にお子さんを授かる人も多くいます。ですが、そうではない治療の終わりがあることも、知っておくのが大切です」
不妊治療で子を授からなかった人々の「その後」を研究する、心理学者の香川香先生(関西大学 人間健康学部 教授)は、そう語ります。
この記事では「終わりから考える妊活」をテーマに、不妊治療をめぐる「こころ」のリアルを知り、見通しを持っておく大切さを、香川先生と一緒に考えます。
不妊治療「子どもを授かる人は6割」というデータも
子どもを授かって不妊治療を終えた人は、約64%──。
これは、20代~40代の不妊治療の当事者1636人(平均年齢39.5歳)に聞いた、野村総研のアンケートの結果です。この64%以外の回答者は、子どもを授からず、別の理由で不妊治療を終えたと答えています。
(※2021年「不妊治療の実態に関する調査研究」野村総合研究所)
「不妊治療の不成功」は、段階によっては流産や死産にも相当する、つらい体験です。子どもを授からずに治療を終えた人は、そのつらさを何度も重ねています。最終的に子どもを授かっていても、それまでに何度か「治療の不成功」を経験する人は多くいます。
香川先生はそうした当事者の心の状態を、次のように説明します。

































