【あずき料理】「MOTTAINAI」 台所から未来の子どもを支えるごはん

もったいない・つづけられる・伝統食! #21【あずき料理】

ライター・料理家:越野 美樹

お彼岸の時期に食べたい、あずき料理3品。 手前:カラフルおはぎ 左奥と中央奥:あずきとクリームチーズのディップ 右奥:あずき抹茶蒸しパン 写真:越野美樹

「食べたいものは自分で作る!」をモットーに、料理家・越野美樹さんが「日本の伝統食材」を使ったレシピを提案する連載。                              

ロハス、エシカル、SDGsなどのオシャレな横文字ではなく、毎日のベタでリアルな生活の中から生まれた身近な知恵……。

小さい子がいて忙しくても、ゆるく続けられる台所仕事の「MOTTAINAI」を、具体的な実践方法を交えてお伝えします。

21回目のテーマは、「あずき」。

子どもが喜ぶアレンジを加えた「カラフルおはぎ」、洋風にいただく「あずきとクリームチーズのディップ」、おやつで楽しむ「あずきと抹茶の蒸しパン」の3種をご紹介します。

思わず一緒に作りたくなる「お手伝いポイント」も載せていますので、親子で一緒に楽しんでくださいね。

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あずきの豆知識

もうすぐお彼岸。

「入りぼた餅 明け団子 中の中日あずき飯」といわれますが、あずきはお彼岸に欠かせない食べ物です。

あずきの赤い色は邪気を払ったり、災いを避けると考えられ、行事やお祝いごとなどに欠かせない食材。 写真:越野美樹

また、かつては小正月の1月15日にはあずき粥を、旧暦の1日と15日には新月と満月を祝ってお赤飯を食べる習慣がありました。

ハレの日に欠かせないあずきですが、子どもにはあまり人気がないかもしれません。

タンパク質や食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富なあずきは、普段から取り入れたいもの。

今回は、子どもが喜ぶあずきのアレンジレシピ3品をご紹介します。

その前に、あずきの炊き方をご紹介します。

あずきの炊き方

あずきは、あらかじめ浸水する必要がないので、思い立ったらすぐに炊けます。

時間はかかりますが、基本はお鍋にお任せなので、意外と手間いらず!

強火でしっかり火を入れてからゆでこぼすことで、皮が柔らかく、食感がよくなります。

また、あずきがすっかり柔らかくなってからお砂糖を加えるのもコツ。

お塩は必ず、最後に入れましょう。

ゆであずきやペースト状にしたあんこは、たくさん炊いたら、冷凍もできますよ。

ゆであずき(右奥)と粒あん(手前)。甘さを調整し、ほっこりと豆本来の甘さが味わえます。 写真:越野美樹

【材料】作りやすい分量
あずき 200g
砂糖 50g〜200g
塩 1g

【作り方】
1.  ボウルにあずきを入れ、割れた豆や色が変わっている豆を取り除く。洗って、ザルにあげる。

2. 鍋に入れ、たっぷりの水を加えて強火にかける。沸騰して10分くらいしたらザルにあげる。

3.    鍋を洗って2とかぶるくらいの水を入れて強火にかける。再び沸騰して5分くらいしたらアクを取り、水200ml(分量外)を一気に入れる。

4.    再び沸騰したらアクを取り、強めの弱火にして、フタをする。

5.    40分ほど経ってあずきが親指と薬指でつぶれるようになったら、砂糖の半量を加える。

6.    10分ほど経ったら残りの砂糖を加え、ときどきヘラで「のの字」を書くように混ぜる。水気がなくなったら塩を加え、全体に混ぜて火を止める。

※工程5で取り分けると、ゆであずき  に仕上がります。

小分けにしてラップをすると、早くしっとり冷ますことができます。

優しく混ぜると粒あんに。少しつぶし気味に混ぜると、また違う食感が楽しめます。 写真:越野美樹

手作りのよさは、自分好みの甘さに仕上げられること。

見本のあんこは、砂糖を70g使っています。少し甘さ控えめです。

一般的にはあずきの半量〜同量の砂糖を使い、割合が多いほど照りが出て、日持ちもします。

ぜひチャレンジしていただきたいですが、あずきを炊く時間がない方は、市販のゆであずきやあんこを使ってくださいね。

今回は、あんこやゆであずきを使った、ほっこり味わえるアレンジレシピを3品ご紹介します。

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