「まごわやさしい」魔法のレシピ 子どもと作るカンタン豆腐料理

カンタン・高栄養・完食!#1【まめの「ま」】「豆腐スイーツと副菜」

ライター・料理家:越野 美樹

見た目も味も大満足のお豆腐スイーツ。奥:お豆腐ティラミス 手前:お豆腐の生チョコ風トリュフ。  写真:越野美樹

子どもが小さいと、おかずを一品作るだけでも精一杯。

バランスがよい食事を作りたいけど、とても料理まで手がまわらない。

あぁ、ラクに作れて、栄養価が高くて、子どももパクパク食べてくれる。そんな魔法のレシピがあったらいいのに……。

忙しくて、日々のごはん作りに頭を悩ませている皆さん、「まごわやさしい」素材で1品作れば、体に優しいエネルギーをいただけるのでおすすめです。

「まごわやさしい」とは、栄養バランスをよくするために、食事に取り入れたい素材の頭文字をとった造語です。その内容は、日本の伝統的な7つの食材。しかも、季節を問わず使いやすいものばかり。

「まごわやさしい」魔法のレシピ 全7回を読む

「まごわやさしい」素材。まめ、ごま、わかめ、しいたけ、いもは、季節を問わず手に入るもの。やさい、さかなは、旬のものを選びましょう。  写真:越野美樹

「まごわやさしい」7つの食材
ま:まめ
ご:ごま
わ:わかめ(海藻)
や:やさい
さ:さかな
し:しいたけ(きのこ)
い:いも

この7種の食材すべてを、週に一度でも使うことを意識すれば、食事のバランスがよくなり、体に優しいエネルギーをいただけるのです。

さらに、子どもに料理づくりのお手伝いしてもらうと、「まごわやさしい」素材を自然と好きになってくれます。「自分で作った喜び」が、料理もお手伝いも好きにさせてしまうのです。本連載では、レシピだけでなく、その秘密も伝授していきます。

第1回目は、「まめ」の中でも手軽に使える「豆腐」のレシピをご紹介。子どもが夢中になる「お手伝いポイント」も載せていますので、親子で一緒に楽しんでくださいね。

「お料理が一緒にできる!」と子育てが楽になる!

「あ〜! 毎日慌ただしくて、ゆっくりお料理している時間なんてない!」 

そう叫びたくなったとき、「まずは3秒待って、大きく深呼吸しましょう」と言いますが、ワンオペ育児で3秒なんて待てない! そんな時は、発想の転換です。

「子どもを巻き込んでしまえばいい!」

子どもが生まれてから、仕事と子育てに追われてイライラしがちだった私は、娘が1歳の頃、ちょっとしたお手伝いをさせてみました。

それは、豆のさやむき。

余裕がない時の、あの地味な作業は、「めんどくさい」のひと言ですよね。一人遊びに飽きてじっと私の手元を見ていた娘に、「やってみる?」と、豆のさやのむき方を見せたところ、「やりたい!」と言って、娘はものすごい集中力で全部むいてくれたのです!

そら豆を取り出すくらいなら、1歳でもできました。  写真:越野美樹

「1歳の能力、案外あなどれない……」

そう思った私は、その後は毎日、おままごと遊びをするノリで、娘と一緒に簡単なお料理をしました。

2歳の頃には、包丁も握っていました。「左は猫の手」と言いながら、最初は手を添えて、その後は下ごしらえして転がらないよう、切りやすくしたものを渡せば1人で切れました。

途中、お手伝いに興味がなくなった時期もありましたが、そんな時は無理に声をかけず、『手伝ってくれたら褒める』の繰り返しで、お手伝いを続けたのが功を奏しました! 

小学生の頃には、おいしいものを食べるのが何より好きな娘に育っていました。高学年になると揚げ物もケーキも、ほぼひとりで作れるように。

中学生になった今では、すっかり小さなシェフです。しかも、なかなかの腕前で、フランス料理やイタリア料理をコース仕立てで作ってくれるほどに(ありがたい……)。

娘の得意料理は餃子。包む手つきも一人前。  写真:越野美樹

おままごとよりも楽しい「本気の料理」

とはいえ、最初から無理にお手伝いさせるのは難しいですよね。子どものやる気スイッチがO Nになり、「やってみたい!」という気持ちが出たタイミングで、「一緒にお料理してみる?」と誘ってみるのがポイントです。

今回ご紹介する「お豆腐の生チョコ風トリュフ」も、娘と一緒によく作ったおやつです。お砂場遊びが大好きだった娘は、当時、泥団子をびっくりするくらいまん丸に作っていました。そこで、「泥団子と同じだよ」と教えたところ、お豆腐を丸める作業も驚くほど上手にできたので、びっくりしました。

もちろん、子どもなので服やテーブルは汚します。それは気にせず、注意するのもグッと我慢。とにかく「できた!」という喜びを大切に、「上手〜!」と大げさなくらいに褒めていたら、娘も「お手伝いは楽しい」と思ってくれたようです。

お豆腐の生チョコ風トリュフのレシピ

泥団子作りが好きな子なら、きっと一生懸命に作ってくれるはず。  写真:越野美樹

小さなお子さんでもおいしく食べられるよう、ココアにきなこを混ぜた生チョコ風スイーツです。次々と子どもの手が伸びるくらいおいしいデザートですが、自然な甘味なので安心してたっぷり食べさせられます。

【材料】
A 木綿豆腐 1丁(300g)
A ココア 30g
A きなこ 30g
A 砂糖  30g〜 甘味は好みで足してください。
ココア 20g

【お手伝いポイント】
石けんで手をよく洗ってから、お手伝いしてもらいましょう。
①    豆腐をつぶす作業は、子どもが確実に喜ぶ作業です。手に傷があったり、手についた泥汚れなどがとれないときは、ポリ袋の中でつぶせばOK。
②    トリュフの成形は、子どもが得意な作業です。集中してまん丸にするはず!

【作り方】
下準備:鍋に水を沸騰させ、豆腐を入れて3分ゆで、ザルにあげる。キッチンペーパーで包み、上から重しを乗せて、30分以上水切りをする。 
※30分以上水切りしても問題ありません。その場合は冷蔵庫に入れてください。

ボウルの中にザルを入れ、その上にキッチンペーパーで包んだ豆腐を入れて、重しをする。  写真:越野美樹

1.    ボウルにA(豆腐、ココア、きなこ、砂糖)を入れて手でつぶすようによく混ぜる。
2.    ボウルの半量を全て一口大に丸める。
3.    別のボウルにココアを入れ、2をまぶす。

粉をまぶすのも楽しい作業。大きめのボウルを使うと粉が散らばりません。  写真:越野美樹
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