「やきとり」と「焼き鳥」の違いって知ってる?

【スペシャル対談】ゆる言語学ラジオ✕川上徹也(前編)

水野さん:
飲食店だと「やきとり」と「焼き鳥」っていう2つの表記があると思うんですけど、この2つって別物なんですよ。この違いってわかります?

川上さん:
え、なんだろ? それは知らない。

水野さん:
「やきとり」って表記した場合は、鶏肉でもいいんですけど、牛肉とか豚肉とかを串に刺して焼いたものも指すんですよ。(例外もあります)

堀元さん:
ちなみに、僕は北海道で育ったんですけど、北海道だと漢字で表記されていても豚肉が出てきたりしますよ。

川上さん:
なるほどなあ。ところで、水野さんは言葉についての知識が豊富な「言語オタク」ですが、子どものときからそうだったんですか?

水野さん:
小さいころから言葉には興味がありましたね。小学生のころに「画数の多い漢字が書けるとカッコいいな」って思って、家にあった漢和辞典で画数の多い漢字を調べて練習したりしていたんですよ。

ちょうどそのころ、麻生太郎首相が漢字の読み間違いをしたりして、難読漢字ブームがあったんですね。同じくらいのときに『読めそうで読めない間違いやすい漢字』っていう本がベストセラーになって、それは売れる前から読んでいたんですけど、ようやく時代が追いついてきたな、と感じていました。

撮影:講談社児童図書出版部

堀元さん:
なんかイヤな子どもだな。

水野さん:
そのあと漢字は飽きて、英語を勉強するようになると「どうも英単語には語源があるらしい」と知って、中学校で習う英単語の語源をすべて調べました。そこからグイグイ言語の世界にのめり込んで、大学でも文学部で言語学を専攻しましたね。

堀元さん:
この本ってある意味、未来の水野を生み出すような本かもしれないですね。「この言葉って、なんでこうなんだろう?」って疑問を持つきっかけになるから。まあ、それがいいことなのかどうかは、わからないけど。

水野さん:
いいことでしょ!

〈後編はこちらから〉
※公開日(10月20日)までリンク無効

【対談者プロフィール】
堀元見(ほりもと・けん)
作家、YouTuber、Podcaster。1992年生まれ。慶應義塾大学理工学部卒業。大学卒業後、就職せず「インターネットでふざける」を職業にする。チャンネル登録者21万人を擁するYouTubeチャンネル「ゆる言語学ラジオ」も出演/プロデュース。著書に『教養悪口本』(光文社)、『ビジネス書ベストセラーを100冊読んで分かった成功の黄金律』(徳間書店)などがある。

水野太貴(みずの・だいき)
1995年生まれ。愛知県出身。名古屋大学文学部卒。専攻は言語学。出版社で編集者として勤務するかたわら、YouTubeチャンネル「ゆる言語学ラジオ」で話し手を務める。小学校では難読漢字に、中学校では辞書に、高校では英単語の語源や英文法にハマり、半生を言語沼で過ごしてきた。堀元見との共著『言語オタクが友だちに700日間語り続けて引きずり込んだ言語沼』(バリューブックス・パブリッシング )がある。

『もえとかえる ことばのふしぎ大冒険』
川上徹也(文)、春仲萌絵(絵)
定価:1,540円(税込)
ISBN:978-4-06-531752-5
イラスト©春仲萌絵
読者対象:小学校3年生以上

「おにぎりとおむすびの違い」「緑色なのに青信号とよぶ理由」など、日常生活にあふれるさまざまな日本語のふしぎを、言葉を話すふしぎなカエルと、小学生の女の子が解き明かしていく新感覚・エンタメ日本語学び本。

20 件
かわかみ てつや

川上 徹也

Kawakami Tetsuya
コピーライター

大阪大学人間科学部卒業後、広告会社勤務を経て独立。「物語」の持つ力をマーケティングに取り入れた「ストーリーブランディング」の第一人者として知られる。言葉のプロとして日本語の成り立ちや語源についても研究を続けており、その奥深さや美しさを「やさしく深くおもしろい」をモットーに伝えていくことを使命にして、作家活動を続けている。 著書は『マンガで笑って、言葉の達人!超こども言いかえ図鑑』(Gakken)、『仕事で大切なことはすべて尼崎の小さな本屋で学んだ』(ポプラ社)、『ザ・殺し文句 』(新潮新書)、『400年前なのに最先端! 江戸式マーケ』(文藝春秋)などがある。海外にも20冊以上が翻訳されている。

大阪大学人間科学部卒業後、広告会社勤務を経て独立。「物語」の持つ力をマーケティングに取り入れた「ストーリーブランディング」の第一人者として知られる。言葉のプロとして日本語の成り立ちや語源についても研究を続けており、その奥深さや美しさを「やさしく深くおもしろい」をモットーに伝えていくことを使命にして、作家活動を続けている。 著書は『マンガで笑って、言葉の達人!超こども言いかえ図鑑』(Gakken)、『仕事で大切なことはすべて尼崎の小さな本屋で学んだ』(ポプラ社)、『ザ・殺し文句 』(新潮新書)、『400年前なのに最先端! 江戸式マーケ』(文藝春秋)などがある。海外にも20冊以上が翻訳されている。

はるなか もえ

春仲 萌絵

Harunaka Moe
グラフィック・クリエイター

1997年生まれ。埼玉県出身。跡見学園中学・高校、学習院大学経営学科卒業。2017年よりグラフィックレコーディングを開始し、多くのイベントや会議、セミナー等へ参加。グラレコのほかに図解イラストやホワイトボードアニメーションなど、グラフィックの力を使って想いを彩る「グラフィック・クリエイター」として幅広く活動中。やわらかさ、あたたかさ、エモさにこだわった手描きのイラストや文字での表現を得意とする。 主な仕事として『400年前なのに最先端! 江戸式マーケ』(川上徹也/文藝春秋)の図解イラスト、テレビ朝日「おるおるオードリー」やTOKYO FM「山崎玲奈の誰かに話したかったこと。」(ダレハナ)でのグラレコなどがある。

1997年生まれ。埼玉県出身。跡見学園中学・高校、学習院大学経営学科卒業。2017年よりグラフィックレコーディングを開始し、多くのイベントや会議、セミナー等へ参加。グラレコのほかに図解イラストやホワイトボードアニメーションなど、グラフィックの力を使って想いを彩る「グラフィック・クリエイター」として幅広く活動中。やわらかさ、あたたかさ、エモさにこだわった手描きのイラストや文字での表現を得意とする。 主な仕事として『400年前なのに最先端! 江戸式マーケ』(川上徹也/文藝春秋)の図解イラスト、テレビ朝日「おるおるオードリー」やTOKYO FM「山崎玲奈の誰かに話したかったこと。」(ダレハナ)でのグラレコなどがある。