「数値化」すると、継続につながる
生活のなかでSDGsのための取り組みを継続して実践していくには、あるコツがあると竹地さんは言います。
「それは、取り組みを『データ化』すること。コンポストであれば、単に毎日生ゴミを入れて堆肥化するだけでなく、『生ゴミの量を計る』という行動を組み込んでください。
生ゴミを計量器で計って記録していると、『我が家はだいたい毎日○gの生ゴミが出る』という家庭ごとの基準が見えてきます。この数値を『事実』として把握しておくことが、次の行動につながっていきます。
例えば、堆肥にするだけでなく、『生ゴミを減らす工夫をしてみよう! 』と考えたとき、毎日の生ゴミの量を把握していることで、減量のためにした行動にどれくらい効果があったのか、はっきりと認識することができます。
データで効果を把握せず、ただ何となく取り組んでいると、最初こそ頑張ろうと思いますが、だんだん目的意識が薄れて、面倒になってしまいます。これだと、SDGsに取り組む上で最も大切な、『持続すること』が難しくなってしまいます。
何かに取り組むときは、その行動を数値化して把握してみてください。数値となったデータを見ながら、今やっていることにどんな効果があるのか、もっと良い方法はないかなどを工夫することが、続けるモチベーションにつながります」(竹地さん)
日常の小さな行動こそ数値で「見える化」しよう
コンポスト以外にも、家のなかでできることはたくさんあります。『水を出しっぱなしにしない』『トイレから出るときに電気を消す』などの生活習慣を身につけることも、SDGsへの貢献になります。こうした生活のなかの取り組みこそ、効果を数値として把握することで、その意味を感じられるようになります。
「例えば、洗面所で手や顔を洗うときに、水を1分流したままにすると、約12Lの水をムダに使っていることになります(※1)。2Lのペットボトルで6本分です。水を止めることで節水になる水の量を数値にして伝えれば、子どもも『すごくたくさん水を使っている』という事実を実感できます。『水の出しっぱなしはダメ』とただ伝えるより効果があります。
さらにグラフを作って節水できた水の量を記録したり、シールを貼ったりして『見える化』すると、より一層効果を認識できるでしょう。こうした工夫を子どもと一緒に考えるのもまた、楽しいですね。『データ化』『数値化』を意識しつつ、子どもと一緒に継続的に取り組んでみてくださいね」(竹地さん)
第4回は、子どもがSDGsについて学ぶ上で大切な「想像」と「創造」について伺います。
取材・文/川崎ちづる
竹地 由佳
たけちゆか 一般社団法人エシカル協会 理事。 宮城県仙台市出身。大学卒業後、銀行に就職し、個人営業を主に担当。行員向けの環境ボランティア企画にも携わる。2011年の東日本大震災をきっかけに、エシカルな仕事をしたいと決意。東北地方の復興事業やアメリカでのボランティア活動などを経て、2015年に一般社団法人エシカル協会の立ち上げから従事。エシカル消費の普及啓発の活動をしている。二児(5歳と2歳)の子育て中。
たけちゆか 一般社団法人エシカル協会 理事。 宮城県仙台市出身。大学卒業後、銀行に就職し、個人営業を主に担当。行員向けの環境ボランティア企画にも携わる。2011年の東日本大震災をきっかけに、エシカルな仕事をしたいと決意。東北地方の復興事業やアメリカでのボランティア活動などを経て、2015年に一般社団法人エシカル協会の立ち上げから従事。エシカル消費の普及啓発の活動をしている。二児(5歳と2歳)の子育て中。