地域によっておにぎりの形がちがう?【ことばのふしぎ大冒険2】

第1話 「おにぎり」と「おむすび」ってなにがちがうの?(2)

コピーライターの川上徹也氏とグラフィック・クリエイターの春仲萌絵氏による新感覚・日本語エンタメ本が話題だ。今回のテーマは地方によって変わる「おにぎり」と「おむすび」のよび方。かたちがちがうのにも、ちゃんと理由がある!

すべての画像を見る(全6枚)

本記事は発売中の書籍『もえとかえる ことばのふしぎ大冒険』の一部を抜粋・編集したものです。

前回のお話はこちら

かえる
もともとは地域によって『おむすび』『おにぎり』と、よび方がちがったといわれているケロ。ある調査によると……」

『おにぎりに関する研究』(小田きく子)を参考に作成

かえる
「ただし、いまでは地域によってよび方に差があることは少なくなっている感じケロ。

その代わり、コンビニエンスストアや専門店、チェーン店の商品名として、『おにぎり』にしているか『おむすび』にしているかが分かれているよ。

そして、ファミリーマートでは基本的に『おむすび』という商品名にしているから、それを『おにぎり』とよぶのはまちがいなんだケロ!」

もえ
「でも、けっきょく同じものでしょ? もえのおむすび返してよ!」

かえる
「うう……しかし、『おむすびとよべるものは三角形のものだけ』という説もあるのだ!』

「おにぎり」はどんなかたちでもいい?

もえ
「え? 丸いやつは『おむすび』とはいわないってこと?」

かえる
「『おにぎり』『おむすび』といったら、三角形を思い浮かべることが多いと思うケロ。

でも、三角形はもともと関東に多かったかたちで、関西や中国地方、四国なんかは俵型、東北地方や北陸地方だと丸形や太鼓形(円盤形)が多かったケロ」

かえる
「俵形はお弁当に入れるときに便利。いまでも幕の内弁当なんかだと、ご飯がミニ俵形になって詰められていることが多いケロね。

太鼓形は冬に凍るのを防ぐために、葉っぱでまいたことから生まれたとされているよ。あと、みそなんかを乗せて焼きおにぎりにするときにも便利ケロ~。

でも、いまはかたちにも地域による差は少なくなってきているね。

あと、最近はハートとか星とか、いろいろなかたちにできるおにぎりの型も売られているケロ」

もえ
「おにぎりも多様性の時代なのね」

かえる
「では、なぜ『おむすび』とよべるのは三角形だけ……という説があるのか?

それは『お米を山のかたちにして、神さまの力をもらおうとした』から!」

もえ
(お、なんかノッてきたわね、このカエル)

つづきはこちら!
※公開日(11月8日)までリンク無効
※毎週土曜・水曜に更新

『もえとかえる ことばのふしぎ大冒険』
川上徹也、春仲萌絵(著)
定価:1,540円(税込)
ISBN:978ー4-06-533053-1
イラスト©春仲萌絵
読者対象:小学校4年生以上

日常生活のなかにある「ことばのふしぎ」を通じて、国語の楽しさ・奥深さが、マンガとイラストで楽しく学べる新感覚・日本語教養エンタメ本です。

この記事の画像をもっと見る(全6枚)
かわかみ てつや

川上 徹也

Kawakami Tetsuya
コピーライター

大阪大学人間科学部卒業後、広告会社勤務を経て独立。「物語」の持つ力をマーケティングに取り入れた「ストーリーブランディング」の第一人者として知られる。言葉のプロとして日本語の成り立ちや語源についても研究を続けており、その奥深さや美しさを「やさしく深くおもしろい」をモットーに伝えていくことを使命にして、作家活動を続けている。 著書は『マンガで笑って、言葉の達人!超こども言いかえ図鑑』(Gakken)、『仕事で大切なことはすべて尼崎の小さな本屋で学んだ』(ポプラ社)、『ザ・殺し文句 』(新潮新書)、『400年前なのに最先端! 江戸式マーケ』(文藝春秋)などがある。海外にも20冊以上が翻訳されている。

大阪大学人間科学部卒業後、広告会社勤務を経て独立。「物語」の持つ力をマーケティングに取り入れた「ストーリーブランディング」の第一人者として知られる。言葉のプロとして日本語の成り立ちや語源についても研究を続けており、その奥深さや美しさを「やさしく深くおもしろい」をモットーに伝えていくことを使命にして、作家活動を続けている。 著書は『マンガで笑って、言葉の達人!超こども言いかえ図鑑』(Gakken)、『仕事で大切なことはすべて尼崎の小さな本屋で学んだ』(ポプラ社)、『ザ・殺し文句 』(新潮新書)、『400年前なのに最先端! 江戸式マーケ』(文藝春秋)などがある。海外にも20冊以上が翻訳されている。

はるなか もえ

春仲 萌絵

Harunaka Moe
グラフィック・クリエイター

1997年生まれ。埼玉県出身。跡見学園中学・高校、学習院大学経営学科卒業。2017年よりグラフィックレコーディングを開始し、多くのイベントや会議、セミナー等へ参加。グラレコのほかに図解イラストやホワイトボードアニメーションなど、グラフィックの力を使って想いを彩る「グラフィック・クリエイター」として幅広く活動中。やわらかさ、あたたかさ、エモさにこだわった手描きのイラストや文字での表現を得意とする。 主な仕事として『400年前なのに最先端! 江戸式マーケ』(川上徹也/文藝春秋)の図解イラスト、テレビ朝日「おるおるオードリー」やTOKYO FM「山崎玲奈の誰かに話したかったこと。」(ダレハナ)でのグラレコなどがある。

1997年生まれ。埼玉県出身。跡見学園中学・高校、学習院大学経営学科卒業。2017年よりグラフィックレコーディングを開始し、多くのイベントや会議、セミナー等へ参加。グラレコのほかに図解イラストやホワイトボードアニメーションなど、グラフィックの力を使って想いを彩る「グラフィック・クリエイター」として幅広く活動中。やわらかさ、あたたかさ、エモさにこだわった手描きのイラストや文字での表現を得意とする。 主な仕事として『400年前なのに最先端! 江戸式マーケ』(川上徹也/文藝春秋)の図解イラスト、テレビ朝日「おるおるオードリー」やTOKYO FM「山崎玲奈の誰かに話したかったこと。」(ダレハナ)でのグラレコなどがある。