美術にもある「小1の壁」  “自分で描きたくない“子どもの原因と対策 人気講師が解説

「こどもアトリエ みかづき」の親子で楽しむアート 第2回「デカルコマニーの楽しみかた」

造形絵画教室「こどもアトリエ みかづき」のアートワークより~「デカルコマニーの楽しみかた」~  写真/こどもアトリエみかづき
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幼稚園から中学生の子どもたちを対象とした少人数制の造形絵画教室「こどもアトリエ みかづき」。この教室(アトリエ)では、のびのびと創作できる空間を子どもたちに提供し、自由で個性あふれる創作活動をサポートしています。このアトリエで自分の感性に気づくことで、子どもたちの潜在能力が花開き、想像力という才能の実が大きく育っていくのです。

そんな「みかづき」の主宰者である、デザイナーのあじとみあつこさんが、子どもの個性を伸ばすアートワークを紹介してくれます。親子でも楽しめる独創的なアートワークを、ぜひ楽しんでみてください。

アトリエ課題の理想って?

こんにちは。「こどもアトリエ みかづき」のあじとみあつこです。アトリエは、年齢で区切ったクラス編成となっており、①年少~小学3年生、②小学1~6年生、③小学高学年~中学生の3クラスです。どのクラスにおいても、一番大切なのは、創作のよろこびを感じ楽しんでもらうこと。

さらに、理想は、同じような作品が並ばないこと……。

アトリエでは、自由制作の日もありますが、基本的には毎回「やってみたい!」と前向きに取り組める課題を毎回用意しています。

ここでは、そういった課題の中から人気があり、ご家庭でも気軽に取り組めそうなアートワークをご紹介していきます。合わせてお伝えするアトリエの子どもたちのエピソードなどは、コクリコ読者の皆さまにとって、子育ての気づきにつながるものと考えます。アートワークと合わせて、こちらもご参考になれば幸いです。

エピソード① 急成長!?の1年生

「こどもアトリエみかづき」は6年目に入りました。年少〜小学低学年のクラスでは、毎年、新1年生の変化に驚かされます。

その話をするためには、就学前(4~6歳)の様子から伝えていかなくてはなりませんね。Bちゃんの例です。

就学前は、自分ひとりで好きなようにやりたい気持ちが強く、ハサミの持ち方や絵の具の溶き方など、基本のアドバイスすら“不要”といった様子。これはBちゃんに限ったことではなく、幼児期にはよく見られることです。「じぶんでやるー!」と、少しのお手本も受け付けません。

個性を大切にし、同じ作品が並ばないことを望んでいるわたしは、その時期の気持ちができるだけ長く、いつまでも続いてほしいと願っています。

ですから、危険な場合以外は口出しせず、代わりに「Bちゃん、さっきハサミでここを切っていたときのほうがきれいに切れてるね? どうやったか見せて♪」「ここはきれいだねぇ。どうやって絵の具ぬったの?」のように、制作を一定時間見続けて、上手に扱えた部分にピンポイントで声をかけるようにします。すると、「え~? 忘れちゃったよ」とか「それはこうやったんだよ!」と返ってきます。

どちらでも構わないのです。どちらでも必ず得意げな顔をしていますから。

そして、その声かけを繰り返すことで、Bちゃん自身が、道具の扱いや絵の具のぬり方を意識し始めます。無意識に意識してしまう、という感じです。

そうなったらしめたもの。放っておいても大丈夫です。

ケガにつながる危うさはなくなり、制作を途中で投げ出したり、色を混ぜすぎて汚してしまうことはありません。

そのうち、Bちゃんは画材と課題内容を聞いただけで、こんなふうに仕上げたいと、先にゴールを思い描くようになりました。今度はその理想にうまく近づけず、イライラしてしまうこともしばしば。「じぶんでやるー!」の気持ちが残っているのに、技術がついていかない。それもまた通り道です。

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