つい、ウソをつきそうになったときは？　【今日の禅語】大愚元勝・福厳寺住職

本記事は現在発売中の書籍『１日３分でしなやかな心が育つ　禅のことば』の一部を抜粋、編集したものです。

仏教では、修行する人がやってはいけない５つのこと（五戒：ごかい）が決められています。

「不殺生（ふせっしょう）」
：殺してはいけない

「不偸盗（ふちゅうとう）」
：盗んではいけない

「不邪淫（ふじゃいん）」
：浮気をしてはいけない

「不飲酒（ふおんじゅ）」
：お酒をのんではいけない

「不妄語（ふもうご）」
：ウソをついてはいけない

です。

ウソをついてはいけないなんて、だれでも知っていることでしょう。

でもここで気をつけたいのは「小さなウソ」です。

たとえば、お母さんから「宿題やった？」と聞かれたとします。

そこで「やったよ」と答えておいて、そのあとにいそいで宿題を終わらせたとしましょう。

これが小さなウソです。

小さなウソのこわいところは、
「いわれたあと、すぐに宿題をやって、ウソじゃなくなったんだから別にいいじゃん」
と思ってしまうことです。

これを繰り返すと、だんだんウソをつくのがクセになります。

クセになると、自分でなかなかやめられなくなってしまうのです。

また、小さなウソは、だいたい相手にバレているものです。

小さなウソほど、いわないように気をつけましょう。