親切にしたのに、「ありがとう」といわれなかったら? 【今日の禅語】大愚元勝・福厳寺住職

「無功徳」とは 〔3分で読める! しなやかな心を育むメッセージ〕(17)

福厳寺 住職:大愚 元勝

イラスト:力石ありか

本記事は現在発売中の書籍『1日3分でしなやかな心が育つ 禅のことば』の一部を抜粋、編集したものです。

【無功徳】
(むくどく)

直訳:
仏さまのご利益(りやく)はない

メッセージ:
「ありがとう」といわれなくても気にしない

中国のお坊さん・達磨大師(だるまだいし)が、梁(りょう)という国の皇帝・武帝(ぶてい)と会ったときのことです。

武帝はこうたずねました。

「私はいくつもの寺を建てて、たくさんの僧を育てるなど、仏教のためにいろいろがんばった。私にはどれくらいの功徳(ご利益)があるだろうか」

それに対して達磨大師は
「無功徳」
という一言だけを返しました。

なぜ、達磨大師はこんなことをいった?

仏さまのご利益とは、お礼や見返りを求めない
「まっさらな心そのもの」
のことです。

どんなにいいことをしても、そこにお礼や見返りを求めていたら功徳はない、という意味なのです。

「ほんとうの親切」ってなんだろう?

となりの席の人に消しゴムを貸してあげたのに「ありがとう」といわれなかったら、イラッとするかもしれません。

このイラッという感情は、
「親切にしたのに、『ありがとう』という自分へのお返しがない」
と怒っているものです。

イラッとしているとき、この人の気持は相手ではなく、自分に向かっています。

そうすると、怒り・うらみなどの感情につながります。

相手のことを思って、感謝されなくても気にしない。

それがほんとうに「親切な人」です。

『1日3分でしなやかな心が育つ 禅のことば』
大愚元勝(監修)
定価:1,430円(税込)
ISBN:978-4-06-531752-5
イラスト©力石ありか
読者対象:小学校3年生以上

子どもたちが自分で感情をしずめるために役立つ24のメッセージを、超訳&イラストでわかりやすく解説。
大人が読んでも役立つ一冊です。

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たいぐ げんしょう

大愚 元勝

Taigu Gensho
福厳寺 住職

佛心宗大叢山福厳寺31代目住職。慈光グループ会長。僧名「大愚」は、何にもとらわれない自由な境地に達した者を表す。駒澤大学、曹洞宗大本山...