5月21日の「小満」は ちょっとだけ満足する日? 〈ぺんたと小春の歳時記〉

『ぺんたと小春のはじめての歳時記』より 二十四節気「小満」編

これから徐々に暑くなっていく時期が「小満」のころです。ぺんたは、さっそくせんぷうきを使っていますね~。

カレンダーの日付の欄には、ときどき「立春」「夏至」など季節の区切りを表わす言葉が書かれていますよね。

この区切りは「二十四節気」という、中国の昔の暦に由来することをご存じでしょうか。二十四節気では、春夏秋冬が六つに分けられ、区切りとなる日にそれぞれ名前がつけられています。農作業をするうえで、季節の変化はとても重要なものでした。昔の人は、二十四節気を目安に、季節の変化を先取りしていたんですね。

ところで、二十四節気が示す季節は、実際の日本の気候とかなりズレていますよね。例えば春が始まるとされる「立春」は2月4日前後ですが、この時期の日本は冬半ば。暦の上では春でも、実際にはまだまだ寒くて、とても春の訪れは感じられません。

このズレの原因は、二十四節気が昔の中国で作られたことにあります。当時の中国の中心は、黄河の中~下流域あたりの、「中原」と呼ばれる地方でした。地図で見ると、まさに中国の「ド真ん中」に位置する地域で、沿岸部からはかなり離れています。

大陸は海洋と比べて、日照時間などの影響を早く受けるため、より温まりやすく冷えやすい性質があります。そのため、「中原」地方は、「島国」である日本よりも季節の進みが早くなります。二十四節気は「中原」地方の気候に合わせて作られていますので、日本の気候よりも早くなってしまうんですね。

さて、本日5月21日は「小満」といって、秋に蒔いた麦に穂がつくとされる日です。麦が冬を乗り越えて無事に実り始め、ちょっと安心して満足することから、「小満」と名がつきました。小満を過ぎるとだんだん暑くなり、梅雨を過ぎるとあっという間に夏になりますね。

気象庁が発表している「暖候期予報」によると、2022年の夏は全国的に暑くなる予想のようです。コロナ禍が始まってから、夏の風物詩だった海水浴場や花火大会、ビアホールなどからも客足が遠のいていましたが、今年の夏は夏らしい光景がたくさん見られるといいですね。

小満を過ぎると、梅雨入りが近づいてきます。ぺんたと小春は、カラフルな傘をさして、雨の日も楽しんでるみたいですね。写真は『ぺんたと小春のはじめての歳時記』(講談社刊より)

ペンギン飛行機製作所

「暮らしの『不都合』を『うれしい』に変える」を合言葉に、暮らしにまつわるさまざまな記事を制作。

また、皇帝ペンギンのヒナで、寝ぐせがトレードマークの「ぺんた」とピンクのリボンがかわいい「小春」の本やグッズを製作している。ぺんたと小春の日常をつづる絵本のようなインスタグラム「ペンスタグラム」は「いやされる! 」と人気を呼んでいる。

ぺんたは、2005年度にアカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を獲得した映画「皇帝ペンギン」の第2弾「皇帝ペンギン ただいま」の公式キャラクターもつとめた。

有沢ゆう希
静岡県生まれ。早稲田大学文学部卒業。2018年、「カタコイ」で第1回青い鳥文庫小説賞金賞を受賞。オリジナル作品のほか、ノベライズ、キャラクターブックなど著書多数。

『ぺんたと小春のはじめての歳時記』(講談社刊)

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お正月、節分、ひなまつり、端午の節句、七夕、十五夜、クリスマス……。日本には、数多くの年中行事があります。

七五三が子どもの成長をおいわいするイベントであるように、伝統行事には、世代をこえ時代をこえて伝えられてきた、たくさんの願いが込められています。

皇帝ペンギンのヒナのぺんたと小春が、そんな行事の数々について紹介していきます。

小学校受験では「おうちで季節の行事を楽しんでいますか?」は定番の質問です。季節のイベントに興味を持ち、楽しみながら体験できると学びにもつながり、日々の暮らしがより色鮮やかになるのではないでしょうか。

「月の満ち欠け」「二十四節気」「各月の異称」など知識ページも豊富で、ぺんたと小春の楽しい4コマまんがもついています!

おこさまにとっての「はじめての歳時記」にぴったりの1冊です。