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乳歯外傷の約半数が後継ぎの永久歯に影響 定期検診がカギ
──乳歯をぶつけて抜けてしまった場合、「どうせ生え替わるから大丈夫かな」と思ってしまうケースもあるかと思います。
宮新先生:実は、乳歯の外傷の50%以上が次に生えてくる永久歯に影響を与えると言われており、適切な治療やケアを受けないと、さらに深刻な影響につながることもあります。
永久歯への影響として多いのは、白や黄色の斑点がつく程度ですが、歯がへこんだり、歯根が曲がったり、歯の成長や発育が妨げられるケースがあります。稀に、永久歯が生えてこなかったり、歯並びに影響を及ぼすこともあるのです。
前歯の永久歯は5~8歳ごろに生えますが、3歳で乳歯にケガをした場合、定期的に年に2回ほどX線検査を行うことで、永久歯への影響を早期に確認できます。
「永久歯が欠けている・曲がっている」といった異常を事前に把握できるため、永久歯が口の中に生えてきたら、速やかに対応できるというわけです。
さらに言えば、乳歯がまだ生えていない赤ちゃんが口の中をケガした場合も、将来生えてくる永久歯に影響が及ぶことがあります。つまり、年齢が低いほど、永久歯のもととなる部分に、広範囲なダメージが及ぶリスクが高くなるということですね。
──すぐに症状が出ないからこそ、小児歯科との連携が大事になってくるわけですね。
宮新先生:そうですね。だからこそ、かかりつけの歯科医を持つことが大切です。
口元のケガは歯科で診てもらえますが、特に子どものケガに慣れている小児歯科や口腔外科が安心です。定期的に診てもらうことで、虫歯予防にもつながります。
また、日本小児歯科学会や、日本外傷歯学会、日本口腔外科学会のホームページを確認すれば、専門医や認定医のリストを確認できます。近くの信頼できる先生を事前に探しておくと安心ですね。
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子どもの口のケガは、唾液が多い中でおきるので大量出血に見えやすく、歯が抜けたりすると親は慌ててしまいがちです。しかし、「命に関わるケースは救急車を」「永久歯が抜け落ちた場合は1時間以内に小児歯科へ」といった判断基準を知っておくだけで、受診が必要なケースを冷静に見極めることができます。
次回2回目では、歯が抜けた、折れた、飲み込んだ、唇を切った場合の具体的な対処法を、引き続き宮新先生に伺います。
取材・文/山田優子
子どもの口トラブルは全3回。
2回目 〈症状別「応急処置」〉とは?を読む。
3回目 〈治療後のホームケアと回復の目安〉を読む。
※公開時よりリンク有効

山田 優子
フリーライター。神奈川出身。1980年生まれ。新卒で百貨店内の旅行会社に就職。その後、拠点を大阪に移し、さまざまな業界を経て、2018年にフリーランスへ転向。 現在は、ビジネス系の取材記事制作を中心に活動中。1児の母。
フリーライター。神奈川出身。1980年生まれ。新卒で百貨店内の旅行会社に就職。その後、拠点を大阪に移し、さまざまな業界を経て、2018年にフリーランスへ転向。 現在は、ビジネス系の取材記事制作を中心に活動中。1児の母。
宮新 美智世
日本外傷歯学会副理事長・小児歯科専門医指導医・歯学博士。 東京医科歯科大学歯学部歯学科卒業。1991年に歯学博士を取得。2014年10月より東京医科歯科大学大学院小児歯科学分野 分野長(准教授)、2020年には同大学歯学部小児歯科外来の臨床教授に就任。 2021年よりLabo M代表、日本小児歯科学会専門医指導施設「はなここどもの歯のクリニック」指導医としても活動している。 2025年現在は、専門医指導医・認定医指導医としての臨床・研究指導に加え、子ども虐待防止に関する講演活動、「天然歯根管模型」を用いた実習研修会を手がける。 主著書に、歯科医師向けの『歯の外傷で小児が来院したら』(クインテッセンス出版)、パラデンタルや一般向けの『子どもの歯と口のケガ』(言叢社)。 ブログ:https://ammlog.hatenablog.com/ はなここどもの歯のクリニック:https://hanoclinic.com/
日本外傷歯学会副理事長・小児歯科専門医指導医・歯学博士。 東京医科歯科大学歯学部歯学科卒業。1991年に歯学博士を取得。2014年10月より東京医科歯科大学大学院小児歯科学分野 分野長(准教授)、2020年には同大学歯学部小児歯科外来の臨床教授に就任。 2021年よりLabo M代表、日本小児歯科学会専門医指導施設「はなここどもの歯のクリニック」指導医としても活動している。 2025年現在は、専門医指導医・認定医指導医としての臨床・研究指導に加え、子ども虐待防止に関する講演活動、「天然歯根管模型」を用いた実習研修会を手がける。 主著書に、歯科医師向けの『歯の外傷で小児が来院したら』(クインテッセンス出版)、パラデンタルや一般向けの『子どもの歯と口のケガ』(言叢社)。 ブログ:https://ammlog.hatenablog.com/ はなここどもの歯のクリニック:https://hanoclinic.com/