【造幣さいたま博物館】大人も驚くピカピカ硬貨に感動! 子どもが夢中になる工場見学

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コクリコサポートエディターズ:北林 日菜

新品よりもピッカピカ! 大人も驚くプルーフ貨幣の製造工程

工場エリアの長~い廊下。ガラスの向こうで、実際に硬貨がつくられています。

博物館の2階から連絡通路を歩いていくと4フロアに及ぶ工場見学エリアに入ります。「造幣局の工場」と聞いて、私は機械で淡々と硬貨が製造されていく様子を思い浮かべていました。しかしプルーフ貨幣や勲章の製造をするこちらの工場は、そのイメージを打ち砕くものでした。

※今回は「取材」として特別な許可をいただき写真撮影しています。一般見学の場合は写真撮影禁止なのでご注意ください。

◆プルーフ貨幣の製造過程

1階はプルーフ貨幣工場です。プルーフ貨幣は、硬貨の材料となる円形(刻印前の状態)を洗浄して研磨する⇒圧印で模様をつける⇒錆止め、色付けという流れでつくられます。

随所に子どもにもわかりやすい説明が書かれています。「銀φ40」「600枚」は「直径40mmの純銀製の円形(記念プルーフ千円銀貨幣の円形)600枚の洗浄」という意味です。
通常の硬貨と違い、ピカピカにするために酸で洗浄したあとに研磨剤を入れた研磨機で徹底的に磨き上げます。
圧印では職員さんが硬貨一つひとつを目視で確認。プルーフ貨幣ならではの工程です。

プルーフ貨幣はコレクション用なので細部まで丁寧につくられるのが特徴。「工場」というイメージとは異なり、たくさんの人が手作業で丁寧に作業しています。

娘も「傷やほこりがないようにクリーンルームで手作業でひとつひとつチェックしてるね。これは大事にしたくなるわ」と感心していました。

プルーフ貨幣の50円玉。真新しい通常硬貨と比べても、さらにピッカピカ! 目に眩しいほどに磨き上げられています。
色付けをするパッドに触れる体験コーナー。透明の壁の向こう側では、実際に同じパッドで色付け作業が行われている様子を見学できます。
さいたま支局では記念貨幣もつくられています。こちらは鮮やかに色付けされた千円銀貨幣。

プルーフ貨幣の製造過程を見学した子どもたちに感想を聞いてみました。

息子(中1)

コインのコレクターがいることは知っていたけれど、プルーフ貨幣の収集という世界は知らなかった。

娘(小4)

バフ(羽布)が高速回転して磨いている様子が間近に見られて面白かった。バフを触ったり、モーターを自分で動かしてみたりしたよ。

続いて、M2階にある通常貨幣工場も見学しました。

こちらは磨きなどの工程がなく、大量の硬貨が製造されていました。できあがったお金は「貨幣袋」という袋に入れられます。

ちなみに現在(2026年1月時点)は、1円、5円、50円の流通用貨幣は新しく製造されておらず、貨幣セット用のものだけがつくられています。

◆「現代の名工」の技! 勲章づくりは伝統工芸

3階では国などから授与される勲章の製造をおこなっています。

勲章の製造には、七宝焼きの技術が使われています。模様が転写された銀製の勲章の型に、色をつけるため七宝釉薬を盛り付け、電気炉で焼き付けます。この工程を数回繰り返した後、七宝面の研磨、仕上げ、羽布による研磨での光沢出し、メッキ処理、組み立て・検査をしてようやく完成します。

これらはすべて熟練の職人さんたちの手作業で行われています。なかには「現代の名工」に選ばれた方もおり、卓越した技術を持つ方たちが目の前で作業されている姿には、思わず感激してしまいます。

息子も「すごい技術を持った職人さんがつくっていることを初めて知った。七宝焼きの細かい作業は集中してやらないとできなさそう。まさに芸術品! かっこよかった」と感動していました。

私は七宝焼きの工場で女性や若い方が活躍されている様子に、素晴らしい技術が継承されていることを実感して嬉しい気持ちになりました。

お金が身近になる体験コーナー! 貨幣袋や千両箱を持ってみた

「最初はお金の展示は難しそうで楽しめるか心配だった」という娘。しかし、展示室の入り口にある「体験コーナー」で貨幣袋を持つ体験などをしたおかげで、すんなりと展示室にも入ることができました。

貨幣袋を持ち上げる体験。100円玉が4000枚入った貨幣袋が自分の体重ほどあることを体感し「これを運ぶの?」とびっくり。
自分の持っている硬貨を入れるとお金の健康診断をしてくれる機械。お金に愛着を持てるようになります。

ほかにも千両箱を持ち上げてみる体験、お金に関するゲーム、お金が飛び出してくるような写真が撮れるコーナーなどがありました。

子どもが食いつく! キャラクター貨幣セットやお金の歴史コーナー

展示室には硬貨に関する展示が豊富にありましたが、特に国民的アニメのキャラクターが施された貨幣セットを見て盛り上がっている親子が多かったです。著作権の関係上ここには載せられないので、ぜひ実際に足を運んで見てみてくださいね。

うちの子たちが意外にも食いついたのが「お金の歴史」コーナーでした。

大判・小判を間近に見られます。実際の大きさを並べて比較できるのは、博物館ならではの体験です。

息子(中1)

お金が石や陶器でつくられていたり、戦争でお金の材料がなくなったり、お金って歴史に密着しているんだよね。

娘(小4)

図鑑に載っていた「和同開珎」を間近で見て、書いてある文字をじっくり読めたのが嬉しかった。

また「偽造防止」の工夫にも興味津々でした。

娘(小4)

500円玉の偽造防止技術、どうやったらあんなにいろいろな方法を思いつくんだろう? 500の0の中って、上から見たらJapanで下から見たら500YENって書いてあるの、お母さん知ってた!? 異素材の金属を接着剤を使わずにくっつけているのもすごい。あとで自分の500円玉をよく見てみよう!

500円玉の偽造防止の工夫に興味津々の娘。虫眼鏡がついているのでよ~く見えます。

また兄妹共通で感動していたのが「縮彫機」の仕組みです。これは硬貨に圧印して模様をつける「極印」の、さらに元となる「種印」をつくる機械です。硬貨の大きさの4~5倍の大きさで書かれた図案を縮小して彫刻できるため、緻密なデザインが可能です。

息子(中1)

お金のデザインが立体的で細かいのは、縮彫機のおかげだとわかった。機械を実際に見てみると、仕組みは単純だけれどよくできているなと思った。

縮彫機。娘の手の左側の大きな丸の形が元の図案をかたどったもの。この図案が実際の硬貨の大きさにまで縮小されます。

高度な技術が手のひらの中に! ミュージアムショップも楽しい

ミュージアムショップの「ミントショップ」も楽しくておすすめです。ちなみに「ミント(Mint)」は英語で「造幣局」のことなんですって。貨幣セットを始めとする限定商品もありましたがかなり高額……(笑)。こちらはコレクターの方に任せて、わが家はそれぞれお小遣いで買えるおみやげを買いました。

五円(左)と貨幣の歴史(右)の手ぬぐい、娘のボールペン、息子のブックマーカー。

息子が迷いに迷って購入したのが干支のブックマーカー。角度を変えると見える模様が変わるデザインはなんと500円の偽造防止と同じ潜像技術が使われているそう。息子は「博物館で見た技術が手の中にあるなんて、いい買い物だったよ」と言って、大切に使っています。

造幣さいたま博物館に行く前に! 図鑑で「お金」の知識を深める

今回造幣さいたま博物館に行き、兄妹が口をそろえて言っていたのは「お金を身近に感じた」「お金を大事にしようと思った」という言葉です。キャッシュレス化で現金を目にする機会が減った今こそ、お金そのものとじっくり向き合う経験は大切だと痛感しました。

博物館に行く前に図鑑の『講談社の動く図鑑MOVE お金と経済』を読んで「お金」についての知識を深めたのは、とてもよい予習になりました。

息子(中1)

「硬貨のひみつ」でお金づくりの流れを知ってから行ったので、博物館では「この部分の話なんだな」と理解しやすかった。お金の稼ぎかたについて書いてあったのも、今まで知らないことばかりで勉強になった。

娘(小4)

図鑑でいちばん面白かったのは偽札づくりに人生をかけた人のところ。博物館では硬貨の偽造防止技術を見たけれど、図鑑では紙幣の偽造防止技術が書いてあった。次は紙幣の博物館に行って新1000円札ホログラムの秘密を知りたいな。

◆兄妹が読んだ図鑑はこれ お金への興味を育むのにおすすめ

『講談社の動く図鑑MOVE お金と経済』

昨今の投資ブーム、技術の発達による電子マネーの隆盛、ビットコインなど暗号資産の台頭など、現在の世界はいままで以上にお金に関する知識が多様化しています。教科書や小学校で学べない、一生役立つ知識が身に付くお金図鑑です。

お金と経済

お金と経済

講談社(編)  泉 美智子(監)

発売日:2025/11/28

価格:価格:本体2700円(税別)

【造幣さいたま博物館】
住所:〒330‐0835 埼玉県さいたま市大宮区北袋町1丁目190番地22
電話:048‐645‐5899(月~金曜日(祝日を除く))/048‐645‐5990(土・日曜日、祝日)
開館期間:午前9時~午後4時30分(入館は午後4時まで)/工場見学は平日のみ、正午~午後12時45分の間は休止、業務都合により見学不可の場合あり、ガイドツアー(予約制)あり
休館日:水曜日、年末年始(ほか臨時休館、臨時開館あり)
入館料:無料
詳細はHP:https://www.mint.go.jp/enjoy/plant/plant-saitama/plant_visit_museum_saitama.html

造幣さいたま博物館外観

※掲載情報は2026年1月訪問時のものとなります

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北林 日菜
きたばやし ひな

北林 日菜

Hina Kitabayashi
AnyMaMa(エニママ)ライター

AnyMaMa(エニママ)ライター兼コクリコ・サポート・エディター 2012年生まれのサイエンス好き男子、2015年生まれアート好き女子の母。都内で広告営業や出版業を経て、結婚を機に茨城県に移住。以後リモートワークを中心に、エニママや県内のご縁ある企業でフリーランスライターとして活動中。 AnyMaMa:https://anymama.jp/  Twitter:https://twitter.com/AnyMaMaJP

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