【初詣】何日までに行く? 本来の意味や正しいマナーを和文化研究家が解説

【年末年始】親子で話したい日本の行事 ~初詣編~ (3/3) 1ページ目に戻る

和文化研究家:三浦 康子

大晦日から元旦にかけてお詣りしてもよい?

写真:Batsuamaru_Photo/イメージマート
すべての画像を見る(全9枚)

昔「年籠もり」として大晦日から元旦にかけて、家長が徹夜で氏神神社にこもった風習のなごりで、12月31日~1月1日にまたがってお詣りをするという方もいます。これを二年詣りといい、間違いではありません。

現在では、お正月の祝い膳であるおせちをいただいてから「初詣」に行くのが一般的ではないでしょうか。

その年、初めて社寺に参拝するのが「初詣」。神様やご先祖様に感謝の意を伝える気持ちがあれば、あまり日付にこだわらなくても良いでしょう。

参拝の仕方

神社とお寺では、参拝の仕方が違うので気を付けましょう。お寺では柏手(かしわで)は打ちません。静かに合掌します。

神社でもお寺でも手水の仕方は同じです。きちんと気持ちを込めて行いましょう。

写真:Paylessimages/イメージマート

神社での参拝方法

1.鳥居をくぐる前に軽く一礼。服装を整え、神様の空間に入る心構えを

2.参道は中央を避け、静かにゆっくりと歩く。中央は神様の通るところ

3.手水舎(ちょうずしゃ)で手水をとり、心身を清める。手や口を清め、俗界の穢れを落とす

4.拝殿の前に進む。賽銭箱に賽銭をいれ鈴を鳴らす。賽銭は大事なものを表し、それを捧げるという意味がある

5.「二拝二拍手一拝」の作法で拝礼。「拝」とは深く約90度までおじぎすること。2回深くおじぎ、2回柏手(かしわで)、最後にもう1回深いおじぎをする


よく「二礼二拍手一礼」と聞きますが、「礼」とは約30~45度のおじぎのことをいいます。

正しいマナーを身につけて、気持ちよく参拝しましょう。

「初詣」に行くときの服装は?

神様、仏様というのは、自分にとって大切で尊い存在であることを意識しましょう。晴れ着まではいかなくても、きちんとした清潔な格好を心がけましょう。

帽子をとって、ボタンをとめる。こういったことに注意するだけでも神様仏様に対する気持ちが表れます。

「初詣」は、神様仏様への新年のご挨拶です。まずは、いつも身近で見守ってくださっている氏神様に感謝を伝えられるといいですね。

取材・文/尾関久美子

年越しそばの由来と食べ方を読む
お正月料理の由来と食べ方を読む ※2025年12月23日15時よりリンク有効
鏡開きの由来と食べ方を読む ※2025年12月24日15時よりリンク有効
七草粥の由来と食べ方を読む ※2025年12月25日15時よりリンク有効

『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』著:三浦康子/イラスト:かとーゆーこ(永岡書店)
『くらし歳時記』監修:三浦康子(成美堂出版)
『天然生活手帖2026』監修・文:三浦康子(扶桑社)
『季節を愉しむ 366日』監修:三浦康子(朝日新聞出版)

【関連書籍】

せかいのくにで おめでとう!

せかいのくにで おめでとう!

野村 たかあき(作・絵)

発売日:2019/11/28

価格:定価:本体1500円(税別)

おもちのきもち

おもちのきもち

かがくい ひろし(文・絵)

発売日:2005/12/17

価格:定価:本体1500円(税別)

おぞうにくらべ

おぞうにくらべ

宮野 聡子(作)

発売日:2014/12/17

価格:定価:本体1400円(税別)

【関連リンク】

この記事の画像をもっと見る(全9枚)

前へ

3/3

次へ

44 件
みうら やすこ

三浦 康子

Yasuko Miura
和文化研究家、ライフコーディネーター

古を紐解きながら今の暮らしを楽しむ方法をテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、Web、講演などでレクチャーしており、行事を子育てに活かす「行事育」提唱者としても注目されている。All About「暮らしの歳時記」、私の根っこプロジェクト「暮らし歳時記」などを立ち上げ、大学で教鞭をとるなど活動は多岐にわたる。 著書『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)、『かしこい子に育つ季節の遊び 楽しい体験が心を豊かにする12か月の行事育』(青春出版社)、監修書『おせち』(福音館書店)、『季節を愉しむ366日』(朝日新聞出版)ほか多数。 HP https://wa-bunka.com/

古を紐解きながら今の暮らしを楽しむ方法をテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、Web、講演などでレクチャーしており、行事を子育てに活かす「行事育」提唱者としても注目されている。All About「暮らしの歳時記」、私の根っこプロジェクト「暮らし歳時記」などを立ち上げ、大学で教鞭をとるなど活動は多岐にわたる。 著書『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)、『かしこい子に育つ季節の遊び 楽しい体験が心を豊かにする12か月の行事育』(青春出版社)、監修書『おせち』(福音館書店)、『季節を愉しむ366日』(朝日新聞出版)ほか多数。 HP https://wa-bunka.com/