実際にあった子ども同士のSNSトラブル事例
アンケートには、子ども同士のSNSトラブルに関するリアルな声が数多く寄せられました。どのようなトラブルなのかをみていきましょう。
言葉の暴力
・LINEであることないこと、嫌がらせの内容を送られた。(中1の女の子、小4の男の子のママ)
・長男が4年生のときでした。LINEをやり始めたばかりで、お友達と喧嘩になってしまい、そのときに相手の子がLINEのオープンチャットで長男の写真を晒す! と脅してきたようです。流石に勢いで晒されても困ると思い、泣いている長男から事情を聞きママ友伝いでその子の保護者の方とコンタクトを取り、ことなきを得ました。(小5、小4、小2の男の子のママ)
顔が見えないSNSのやりとりでは、ふだん使わないような強い言葉も出てきてしまいがちです。感情のままに発信する前に、「相手はどう感じるか」を考えることが大切。ですが、それは大人でも簡単なことではなく、子どもならなおさら難しいものですよね。
・小学校卒業前くらいからスマホを所持し、LINEを覚えたのですが、友達との個別のLINEにクラスの愚痴を送ろうとして、誤ってクラス全体LINEに誤爆投稿してしまったことがありました。送信取り消しのやり方がわからず、削除ボタンを押してリカバリーを図ってしまい、どうすることもできなくなり、気まずくなってクラスLINEを抜けたことがありました。卒業後の出来事だったので、特に目立ったトラブルには発展しなかったのですが、取り扱いには、充分気をつけてほしいと注意しました。(中3の女の子、小6の男の子のママ)
うっかり誤送信から生まれるSNSトラブルも、めずらしくありません。悪気がなくても、ひとつのミスが人間関係をぎくしゃくさせてしまうことがあります。
仲間はずれ
・LINEグループが複数存在し、1のグループにはAちゃんがいない。2のグループにはBちゃんがいないなど。。。なんだか「女子」特有な事情が存在し、難しいなぁと思います。LINE内で悪口等はないのですが、「CちゃんはAちゃんが嫌いだから、Aちゃんが所属してないんだよ~」等あります。。。今後、いつ加害者・被害者になってもおかしくない状況に怖さを感じています。(小6の女の子、小4の男の子のママ)
簡単に加害者にも被害者にもなりうるのが、SNSの世界。親としては、どちらの立場にもなってほしくないですよね。
・5類の感染で長期間学校を休んでいたとき、クラスのグループLINEに、長女の幼稚園のアルバム写真が白黒に加工され「RIP」(※)や血痕が加わった画像がアップされた。(小6の女の子、小3の男の子のママ)
※Rest In Peace(安らかに眠れ)の略語
なんとも胸が痛む経験をされたママもいました。「SNSだから」という言い訳は通用しないと思います。画面の向こうに傷ついている人がいるという当たり前のことを、どうしたら子どもたちに伝えられるのか、あらためて考えさせられました。
金銭トラブル・知らない人とのやりとり
・中1の息子が複数の友達同士で、ある子のもちものを壊してしまった。弁償することになり、子どもたちだけでグループLINEを作成し、弁償品(普通に販売されていないプレミア付きの商品だった)の購入について相談していた。高額のものを子どもだけで購入を決定し、その中のひとりの親が決済し、あとから1万円を超える金額の折半を要求された。定期的にLINEのチェックはしていたが、一夜で決済までされていて相談する余地もなかった。(中1の男の子、小4の女の子のママ)
子どもたちなりに「責任を取ろう」とした行動だったのかもしれません。ですが、金銭が関わるやりとりを子どもだけで進めてしまうのは、やはり危ういものだと感じさせられたエピソードです。
・ショート動画に顔を半分だけ出したことがあり、知らない人からカワイイネなどのコメントがあった。(小6の女の子、小2の男の子のママ)
・長男が中学時代にLINEのオープンチャット機能で見知らぬ人と繫がっていた。長女はLINEのオープンチャット機能で見知らぬ人とトレカ交換など金銭のやり取りをしていた。義務教育中は抜き打ちで親からの携帯チェックをしていたから大事にはならなかった。(高2、中3の女の子、5歳の男の子のママ)
近年、SNSトラブルに子どもが巻き込まれる怖いニュースをよく目にします。「うちの子に限って」ではなく、「誰にでも起こりうる」こととして捉えなければならない時代であることを実感します。親が見守り、気づいたときにすぐ声をかけられる関係づくりが何より大切ですね。
保護者同士でも発生する「大人のSNSトラブル」
SNSトラブルは、子ども同士だけでなく、保護者同士でも発生しています。
「パパママは、園や学校、塾やならいごとなどの場面で保護者同士のSNSトラブルを経験したことがありますか?」という質問に対して、「はい」と回答したのは全体の6.6%でした。30人クラスに置き換えると1~2人程度と、子ども同士のトラブル同様、決して他人事とはいえない数字です。
「こんなことがあった」保護者のリアルな声
保護者同士では、どのようなSNSトラブルが発生しているのでしょうか。アンケートに寄せられたエピソードから、その実態を探ってみましょう。
・一言思っていることをLINEで伝えたら、グループから外された。(中1の女の子、小4の男の子のママ)
・PTAのグループLINE。年度の途中から急に既読無視をされるようになりました。ちなみにPTAの集まりで挨拶しても無視されるようになりました。(高1、中1の女の子のママ)
まるで子どものいじめのような「仲間はずれ」や「無視」が、大人同士でも起きています。ちょっとした言葉のニュアンスが誤解を生みやすいのも、SNSならではです。真意はわかりませんが、無視をしたり一方的に関係を断ったりするのは、やはり気持ちのよいことではありません。
・学校の登校班のグループLINE。隣の地区の児童を登校班に加えるかどうかで、話し合いがまとまらず、長文のLINEと電話で恫喝されました。その後も気に入らないことがあると、ある人から長文の苦情と脅しLINEが届くようになりました。とても攻撃的で子どもの前でも文句を言われるようになり、地区担当の先生に幾度も相談をしましたが、解決されず、攻撃してきた人が卒業するまで続きました。(高1、中1の女の子のママ)
SNSによっては、メッセージのやりとりだけでなく、電話までできてしまうものもあります。気軽に連絡できるツールが、人の心を傷つける凶器になってしまうケースも。
・子どもの習い事をいろんな保護者にねほりはほり聞いてきて、自分の子どもにその全部をさせようとする保護者がいた。うちもいろいろ聞かれて、回答を濁らせると、怒った顔のスタンプや文句を送ってきた。その後、そのメッセージが消去してあったので余計に怖かった。それから6~7年経ちますが、今はあっさりとした挨拶を交わすくらいになり、気持ち的にも引っかかるところはないので、ひとつの経験だったなという感じです。(中2、3歳の男の子、小6、5歳の女の子のママ)
・トラブルまでにはなっていないのですが、習い事で仲良くなったママさんからSNSを通してネットワークビジネスを勧められたことがあります。(小3、4歳、5ヵ月の男の子のママ)
トラブルまでには発展せずとも、SNSをきっかけにモヤモヤした気持ちを抱いたというママは多いようです。
先輩ママに聞く! SNSトラブルを回避する方法
SNSのトラブルは、未然に防げるならそれに越したことはありません。先輩ママたちは家庭でどのようなルールを決めているのでしょうか。


































