「得意」と錯覚してくれればいい! 初の子ども向けプログラミング本を出したひろゆき氏に聞く「プログラミングを学ぶ意義」

第1回/全2回

ライター:小川 聖子

──ひろゆきさんが小学生のとき、親にファミコンの代わりにパソコンを買い与えられ、そこから独学でプログラミングを始めた……という話は有名ですが、それが良かったということでしょうか。

ひろゆきさん:まぁ、そうですね。ギターを習うために、まずはギターより弦が少ない楽器で練習する……みたいなやり方は、僕は無駄だと思っています。「普通に本物のギターをやれば良くない?」と思っちゃう。

やりたいものがあるなら、それをやればいいじゃないですか。

「つまずいたら?」と言う人もいますが、つまずくポイントは人によって違うので、つまずいたところで周りの人に聞けばいいんです。

プログラミングで直接「HTML」を学ぶのと、「Scratch」を学ぶのと、難易度的にはそこまで変わらないと思います。どちらも周りの人に聞かないとわからないことは出てくるので、それなら最初から本物でいいじゃないか、と思いますね。

大人も間違える「入力切り替え」ミスの原因は極力カット

『ひろゆき式 10歳からのプログラミング入門』

──この本は「プログラミングは初めて」という大人にとってもわかりやすい入門書になっていると思います。

ひろゆきさん:大人向けでも子ども向けでも、やることは同じです。世の中にプログラミング本はたくさんありますが、僕からしたらどうでもいいことを語っている本も多くて。

やれ変数とはなんぞやとか、「HTML宣言(DOCTYPE宣言)※」がどれほど重要かとか、あとはプログラムの歴史を語るページがあったりしてね。こういう無駄な知識を披露したがる人が、プログラミング業界には多いんだなぁと感じます(笑)。

僕はそれはいらないと思ったので、この本ではその辺りは省いています。テレビを例にとってみても、テレビを見ている人が全員、テレビが映る仕組みを理解しているわけではありませんよね。

究極、「リモコンを操作したらチャンネルが変わる」ということだけ知っていればテレビは見られるので、この本もそれくらい、重要なことだけを載せています。もっと詳しく知りたい人は自分で調べればいいんですよ。この本は、そういう大人にも使える本だと思います。

※HTML宣言(DOCTYPE宣言):
その文書がどのバージョンのHTMLで書かれているかをブラウザに伝えるためのもの

──最初からすべて「半角英数入力」とし、いわゆる「カナ入力」は全くなし、という形であるところも、ひろゆきさんらしい潔さですね。

ひろゆきさん:入力切り替えは大人でも引っかかるんですよね。たとえば「=」という記号を、全角で「=」と打ってしまうとか。文字の見た目はほとんど同じなのに、そういうミスをしてしまうと、プログラムは永遠に動きません。

ミスが起こると誰でもモチベーションが下がりますので、ミスの原因となるものは極力減らしたほうがいいかと思い、このような形にしています。キーボードの全体図も、新しく使うキーが出てくるたびに繰り返し表示するようにしました。一度に全て覚えるのは大変ですから。

子どもが独学でプログラミングを学ぶのは、よほどモチベーションが高い子でないと難しいと思います。

親など周囲の大人がある程度は理解して、手助けしてあげたほうがうまくいくと思いますので、保護者のかたも共に学んでいただけたらと思います。(保護者の方のためのページもあります)

得意と思い込むことが上手くなる近道
43 件