「得意」と錯覚してくれればいい! 初の子ども向けプログラミング本を出したひろゆき氏に聞く「プログラミングを学ぶ意義」

第1回/全2回

ライター:小川 聖子

「プログラミングは簡単!」と“錯覚”してもらえればOK!

──小学校でのプログラミング教育は、2020年度から必修化されています。子どもたちがプログラミングを学ぶ意義をどのように考えていますか。

ひろゆきさん:僕が過去に出した『プログラマーは世界をどのように見ているのか』(SB新書)という本でもお話ししていますが、テスラのイーロン・マスクも、アマゾンのジェフ・ベゾスも、マイクロソフトのビル・ゲイツも、世界のトップ企業のリーダーたちはプログラマー出身者ばかりです。

これは、彼らが活躍するIT市場そのものが拡大していることともに、プログラミングを学ぶことによって、論理的思考力や創造性、問題解決能力などが育成され、時代にあった技術やサービスを開発し、それを効率的に広めることができたからだと思っています。

だから、子どもたちがプログラミング学習をすることは、プログラミングスキルを身につける以外のメリットがたくさんあるんですね。これからの世界を生きるのに、プログラミング的な思考を身につけることは非常に有効だと思います。

ただ、この本ではプログラミングスキルを身につけること自体にはあまり重きを置いていません。学校でプログラミングの授業が始まったとき、「オレ、これ得意なんだよね!」と“錯覚”してくれたら、それで十分だと思っています。

「自分はできる、得意だ」と思い込んでいる子は、その分野での学習力が高く、その能力も伸びやすいというデータがあるんです。実際、プロ野球選手とプロサッカー選手って、4~5月生まれの人がとても多いんですよ。

これは、なにもこの時期生まれの子たちの運動神経が特別に高いわけではなく、とくに小学校低学年のうちはもっとあとに生まれた子よりも体の成長が早いため、「自分は運動が得意なのかも」と感じる機会が多いから。

それは必ずしも事実ではないのですが、そう思い込むことで本人がたくさん練習したり、さらにうまくなる工夫をするから本当に上達する、という話です。だから、プログラミングもそのような状態に持っていければいいなと思っています。

──先んじて学ぶことで、心理的なアドバンテージを得られるということですね。

ひろゆきさん:そういうことです。要は「パソコンに何かを表示させるって、他の子はできないでしょ、オレはできるよ!」という体験を得て、自信を持ってくれればそれだけでもいいなと思っています。

集中力が続く限り、好きなだけやればOK
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