「読解力」を磨く第一歩! 生活の中で楽しく「語彙力」を伸ばす方法

AI時代を生き抜く!子どもに身につけさせたい「読解力」 #2

探究学習塾RAKUTO代表:福島 美智子

日常生活でたくさんの言葉に触れよう

「語彙力」を伸ばすためには、何よりも多くの言葉に触れることが大切です。

まず、幼児の場合は、絵本を読み聞かせしたり、親がたくさん話しかけたりして、多くの言葉に触れさせてあげましょう。また、子どもの気持ちを察して、代弁してあげてもOKです。

特におすすめなのは、実体験とともに、言葉を覚えていく方法。たとえば、海に行った時に、子どもが海の美しさに感動して、「キラキラしてる」と言ったら、「そうだね、光り輝いているね」など、他の言葉に置き換えてあげましょう。新しい言葉の習得にもつながりますし、本で覚えるのではなく、体験を通して覚えた言葉は、より鮮明に心に残るため、理解が深まります。

小学生の場合は、子どもに本や教科書をたくさん読んでもらうようにしましょう。そして、わからない言葉が出てきたら、辞書で意味を調べてもらいます。

本や教科書の良い点は、「借金」「昇進」など、日常生活では使わないような言葉にも触れられること。小学生では体験しないような言葉について、辞書で意味を引くと、どんな言葉なのか、この言葉を体験するとどのような気持ちになるのか等、想像できますよね。この体験で、さらに語彙力が豊かになっていきます。

また、「My辞典」を作ってもらうのもおすすめ。まずは、子どもに新しく覚えた言葉をノートに書き込んでもらいます。そして、その言葉から連想する言葉を周辺に書きこんでもらいましょう。これは、マッピングと呼ばれる学習法で、一つの言葉で複数の言葉を覚えられるほか、図解にすることで頭に入りやすくなるというメリットがあります。

My辞典の例。「人に関係する部首」をまず右上に青字で書き込みます。その後、「にんべん」「ひと」の部首を持つ漢字と、それに関連する言葉も書き足していきます。  監修者提供

ただし、黙々とノートに書き溜めるだけでは子どもも飽きてしまいますから、「すごいね!」と褒めてあげるのも忘れないでください。

楽しみながら語彙力を伸ばそう!

小学生が言葉を覚えていく時に注意したいのは、ただの暗記ものとして取り組まないようにすること。暗記ものとしてとらえてしまうと、つまらないばかりか、学習がつらいものになってしまいます。

そのためには、子どもが楽しんで行えるようなやり方を取り入れるのがおすすめです。

例えば、辞書引きをゲームにする方法。家族全員分の辞書を用意し、お題となる言葉を、一番早くに見つけられた人が勝ちというもの。そのほか、言葉のしりとりをしてみたり、熟語の意味当てゲームなどもいいですね。また、小学生向けの語彙力アップのためのカードゲームを買ってみるのもいいでしょう。

まずは子どもに「言葉を覚えるのって楽しい!」と思ってもらいましょう。そして興味を持ってきたら、語彙力アップのためのドリルを買うなど、段階に応じて向き合うようにしてください。

このように取り組んでいけば、徐々に言葉のストックが増えていき、いずれ必ず変化が見られるようになっていきます。覚えた言葉をすぐに使えるようにはなりませんが、ある日突然「こんな言葉を言えるようになったんだ!」という瞬間に出会えますよ。

お子さんと一緒に、楽しみながら、「語彙力」を伸ばすようにしていってくださいね。

取材・文:阿部雅美

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ふくしま みちこ

福島 美智子

Michiko Fukushima
探究学習塾RAKUTO代表

20年以上、脳科学・心理学をベースにした児童向け教材開発に携わる。ディスカッション(D)、マッピング(M)、速読(S)、高速リスニング(K)といった、オリジナルの教育メソッドDMSK法を開発。独自のカリキュラムにより、第一志望合格率90%以上、難関校へも多くの合格者を輩出している。著書に『最強の子育て』(すばる舎)、『AI時代の小学生が身につけておきたい一生モノの「読解力」』(実務教育出版)がある。

20年以上、脳科学・心理学をベースにした児童向け教材開発に携わる。ディスカッション(D)、マッピング(M)、速読(S)、高速リスニング(K)といった、オリジナルの教育メソッドDMSK法を開発。独自のカリキュラムにより、第一志望合格率90%以上、難関校へも多くの合格者を輩出している。著書に『最強の子育て』(すばる舎)、『AI時代の小学生が身につけておきたい一生モノの「読解力」』(実務教育出版)がある。

ふくしま まりえ

福島 万莉瑛

Marie Fukushima
株式会社らくと教務部コンテンツ開発課課長

慶應義塾大学文学部人文科学科を卒業後、オレゴン大学教育学部にて、小学生向けの教育学や課題解決型学習について専門的に学ぶ。現在は、株式会社らくとの英語コンテンツ制作、カリキュラム開発に携わる。著書に『AI時代の小学生が身につけておきたい一生モノの「読解力」』(実務教育出版)がある。

慶應義塾大学文学部人文科学科を卒業後、オレゴン大学教育学部にて、小学生向けの教育学や課題解決型学習について専門的に学ぶ。現在は、株式会社らくとの英語コンテンツ制作、カリキュラム開発に携わる。著書に『AI時代の小学生が身につけておきたい一生モノの「読解力」』(実務教育出版)がある。