「中学受験」高学年になっても算数が不得意 親が知っておくべき「コツ」「テクニック」を気鋭の算数専門塾長が解説

フォトン算数クラブ・武井信達先生に聞く「中学受験の算数」 #2 ~高学年のリカバリー編~

教育ジャーナリスト:佐野 倫子

武井信達先生(以下、武井先生):誤解を恐れずに言えば、中学受験の算数ができるようになるために一番大事なことは「記憶力」だと思っています。それこそ5割くらいは記憶力ではないかと、講師生活30年の身として感じています。

どの科目も覚えて定着させることで伸びていきます。それは算数であっても同じこと。いわゆる頭の回転が速いというのも大切かもしれないけれど、着実に記憶していけると点数につながっていきますね。

また、問題文をしっかり読み、解くときに順序立てて考える力も大切です。頭の回転より、記憶して定着を図ることのほうが圧倒的に大事です。ひらめきがないから無理、と嘆くよりも、記憶したことを引き出して使う力のほうがよほど重要です。

「フォトン生が毎日必ずやっていることがあります」(武井先生)。
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1日10分過去の単元を解き直すこと

──では、算数の知識はどうしたら定着するのでしょうか? 家庭でもできる方法があれば教えてください。

武井先生:前回もお話ししましたが、フォトンでは、1日1問ノートというのを作って生徒に取り組んでもらっています。授業で使ったテキストで、間違えた問題に印をつけておき、その中から1問、毎日ノートに解き直していく。

ポイントは、今週間違えた問題じゃなくて、入試の出題範囲である4年生以降の過去のテキストや単元から、1問ずつ解いていくこと。そうすることで、忘れかけていた知識が定着していきます。1日1問10分でいいんです。これがのちに絶大な効果を生みます。高学年でも効果がしっかり出ますよ。

過剰な他人との比較はNG

──中学受験は長丁場なので、一度でも「算数が苦手だな」と感じてしまうと、子どものやる気も低下してしまいます。親も焦ってしまうけれど、塾のカリキュラムはどんどん進んでいく。この「苦手スパイラル」を脱却する方法はありますか?

原理の大切さを語る武井先生。
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