2021.03.04

ケロポンズが教えてくれた! 親子で楽しむ最高の「おうち遊び」 読み聞かせ編

音楽ユニット・ケロポンズ インタビュー 第1回

寄稿家:ケロポンズ

ケロポンズの「ケロ」こと増田裕子さん(右)と「ポン」こと平田明子さん(左)
撮影 森﨑一寿美

「エビ! カニ! エビカニエビカニ、フォー――――!!!!!」
という歌声が聴こえてきたら、思わず指をチョキにして踊りだすお子さんも多いのではないでしょうか。この『エビカニクス』をはじめ、さまざまなダンスや歌で子どもたちから絶大な人気を誇る音楽ユニット・ケロポンズの増田裕子さんと平田明子さん。ケロポンズのコンサートでは、歌はもちろんのこと、絵本の読み聞かせも大人気です。
そこでケロポンズのおふたりに、おうちの中で遊ぶことが増えた今だからこそ知りたい、子どもを夢中にさせる絵本の読み聞かせのコツを教えてもらいました。

絵本は読み“聞かせる”というより、親子で一緒に“読み”、一緒に“楽しむ”こと

――コンサートなどでのおふたりの読み聞かせはとても楽しく、子どもたちみんなが夢中になっています。読み聞かせのときに気を付けていることなどあるのでしょうか。

増田「読み聞かせというと、子どもたちが静かに聞いている姿をイメージをする方もいるかもしれません。でも私たちの読み聞かせでは話している途中でも子どもが大きな声で笑ったり、時にはツッコミを入れてきたりするんですよ(笑)」

平田「そう。いつの間にか参加して楽しんでくれているんですよね。子どもたちの頭の中で絵が動き出して、絵本の世界に飛び込んでいる姿を見ると、絵本ほど想像力を働かせてくれるものはないなと思います」

――想像力を育む、と聞くと「知育にもつながるのでは?」と、親としてはつい意気込んで読み聞かせをしようと考えてしまいます。

増田「“やらなくちゃ!”とか“しなければ!と思わなくていいと思います。お母さんが好きな絵本を選んで、子どもと共有するくらいの気持ちで、一緒に楽しい時間を過ごせていれば、それで十分じゃないかな」

平田「親が良かれと思って絵本を選んでも興味を示さなかったり、読んでいるうちに子どもがふらーっとどこかに行っちゃうなんてよくあること。読んでいる途中で子どもが飽きたら「はい、おしまい」って読むのをやめていいし、絵本じゃなくて”昆虫図鑑を読んで”と言われたらぜひ読んであげてください(笑)! 虫が好きな子は虫の名前を読んであげるだけでもいいし、例えば、”カマキリくんはある日お買い物に行って、アイスを買いました”みたいに、図鑑の写真を元に面白い物語を作っちゃえばいいんです」

増田「あと何度も同じ本を読みたがることもありますよね。お話を暗記しているのにまた読みたがるから、大人は“また、この絵本読むの?”ってゲンナリ。でも子どもは知っているお話を読むことで安心感を得たいんです。話の展開をわかっているから一切不安がなく聞け、安心して本の世界に入り込めるんだと思います」

平田「好きな絵本を何度もお母さんの声で読んでもらえるのは、子どもにとってはきっととても嬉しい時間なんでしょうね」

終始おしゃべりが続くほど、仲良しのお二人。ケロポンズの「ケロ」こと増田裕子さん(右)と「ポン」こと平田明子さん(左)
撮影 森﨑一寿美

落ち着いて絵本を読むことができないのは、絵本が年齢に合っていない可能性も?

――一方で、絵本になかなか興味を持ってくれないという子もいますよね。

平田「絵本を読んでも座っていられず、他のおもちゃで遊び出してしまうというお父さん、お母さんの悩みはよく聞きます。これはもしかしたら選んでいる絵本が子どもの年齢や成長に合っていないのかもしれません。例えば3、4歳の頃って大人と会話が上手にできるようになる時期。だからつい長めの絵本を選んでしまいがちですけど、実は子どもは集中できるかというと別の話」

増田「まだ3、4歳ぐらいの子でしたら、物語の展開が早く、短く、そして絵だけでも楽しめるものがおすすめです。もし読んであげて興味を持たないようなら、話の途中だったとしても他の絵本に切り替えてもいいかもしれませんね。 大人はつい、物語の結末がわからないとモヤモヤしますが、子どもは新しい物語が始まれば、興味はそっちにいっちゃいますから」

平田「あとは読むときに抑揚をつけて読んであげると反応がよく、喜んでくれます。例えばぞうさんが出てきたなら大きな太い声、ネズミさんが出てきたら小さなか細い声にする。ちょっとした工夫で子どもたちがぐっと絵本に入り込みやすくなりますよ」

「ケロ」こと増田裕子さん
撮影 森﨑一寿美

今でも大好きな、ケロポンズの思い出の絵本

――今は子どもたちに絵本を読み聞かせ、楽しんでもらう側に立つおふたりですが、幼い頃に読んでもらった絵本は覚えていますか?

増田「私は『おやすみなさいフランシス』です。ベッドルームにトラがいるような気がして怖くなり、お父さんとお母さんのところへ行くところや、小さな物音にドキドキしていたら、それが蛾の羽音だったという話にすごく共感したことを今でも覚えています。寝る前の暗闇の怖さがこの絵本で和らいだなぁ」

平田「私はかこさとしさんの絵本が大好きで。『からすのパンやさん』で描かれているたくさんのパンを見ては喜んでいた記憶があります。でも今考えてみると、絵本の面白さはもちろんですが、それ以上に絵本を通して“自分のために大人が心と時間を費やしてくれた温かさ”が心に残っていますね。ご飯を食べさせてもらったり、お着替えを手伝ってもらったりなどは生活で必要なことですが、絵本を読むことは生活をする上では必要じゃないですよね。だからこそ読み聞かせの時間は貴重な時間だったなと感じています」

増田「もちろん子どもの頃はそんな幸せを自覚していないけれど、大きくなった時にふと読み聞かせの時間を思い出して、“あれが愛情だったんだな”と気づくんでしょうね」

平田「私たちは幼稚園に勤務していたことがあるのですが、子どもたちってお母さんが笑っている場面をよく覚えているんですよ。“お母さんがお友達と電話で話していたときに笑ってた”とか“お母さんがケーキを食べているときにニコニコしていた”とか、子どもたちがよく教えてくれるんです。だからお母さんがニコニコ笑って、絵本を読んでいるということがいいんじゃないかなぁ」

増田「今はいろいろな情報を知る機会があり、読み聞かせ方もなにが正解でなにがよくないのか、分からなくなってきますよね。情報が多いだけに不安になることも多いと思います。でも、絵本を通じて親子で笑い合えていれば、それでいいんだと思いますよ」

「ポン」こと平田明子さん
撮影 森﨑一寿美

取材・文 知野美紀子

「どすこいすしずもう」ケロポンズによる絵本読み聞かせ動画

寄稿家紹介

ケロポンズ けろぽんず

増田裕子さん(ケロ)と平田明子さん(ポン)のミュージック・ユニット。子ども向け音楽や振付の制作を手掛け、親子コンサートなどに年間100公演以上出演する。代表作の「エビカニクス」は、幼稚園や保育園で人気の定番体操曲として大人気。YouTubeの動画再生回数は8000万回を超える。
また、大人も一緒に楽しめる音楽・体操・ステージも人気。保育士・幼稚園の先生を対象にした保育セミナーへの出演・楽曲・振付け提供、絵本の創作など、1000以上の作品数を誇る。
絵本「どすこいすしずもう」アニメ化(2021年4月~テレビ放送開始予定)のオープニング&エンディング主題歌を担当。