2021.03.10

ケロポンズが教えてくれた! 子育て世代&子どもたちへのエール編

音楽ユニット・ケロポンズインタビュー 第3回

寄稿家:ケロポンズ

ケロポンズの「ケロ」こと増田裕子さん(右)と、「ポン」こと平田明子さん(左)
撮影 森﨑一寿美

全国各地で「読み聞かせ」や「遊び歌」、「ダンス」に「ミュージックパネル」などを中心としたコンサートを行う音楽ユニット・ケロポンズ。メンバーの増田裕子さん、平田明子さんのおふたりは共に幼稚園勤務の経験を持ち、多くの子ども達の成長を見届けてきました。そんな彼女たちが、新型コロナウイルスという誰も経験をしたことがない状況下において子育てをするお父さんお母さんへエールを送ります。

「自分らしさを忘れずに前を向いて歩いて」 それが子どもたちに伝えたいメッセージ

――自粛期間中の生活はとても閉塞感を感じたというお父さん、お母さんが多くいました。お二人は自粛中の様子をどのように感じられていたのでしょうか。

増田「小さな子どもを抱えて生活をするのは、いつでも不安がよぎる大変な日々だと思います。お父さんもお母さんも、本当に毎日頑張っていると思います」

平田「どう対処していいかわからないウイルス相手に大人ですらヤキモキしていたくらいですから、小さな子どもたちを守ろうとお母さんお父さんは必死だったはずです。私には昨年の春、ちょうどウイルスが蔓延し始めたタイミングで高校に進学した双子の子どもがいまして。しかもそのうちの一人は寮生活を送ることになったんです。コロナが拡大し始めたタイミングで親元から旅立たせることの心許なさ。そして、もしかしたらこのまま大学まで進学して、もう一緒に暮らすことがないのかも、という寂しさが襲ってきて……。いてもたってもいられなくなり、”娘になにか贈りたい!”と思い、急いで歌詞を書いてケロちゃん(増田)に“曲を書いて!”と頼みに行ったんです」

増田「ケロポンズとして活動をする中で、子どもや親御さんに喜んでもらえるもの、求められているものをずっと作り続けてきました。でも時々、自分たちがなにを伝えたかったか忘れてしまうこともあって……。そんな時にポンちゃん(平田)が娘さんに書き下ろした歌詞を読んで、すごく胸に迫るものがあったんです。その歌詞は個人的なメッセージソングかもしれないけれど、彼女の母親としての強い想いが込められている。だからこそ聴いてくれる方の心にダイレクトに響くだろうと思って、すぐに“CDにしよう”と提案しました。そうしてできたのが『こどもロック』なんです」

平田「自粛期間中に時間ができたことで、私たちにとって自分たちがどんな音楽を作りたかったのかを考えました。そこに子どもの旅立ちも迎えたこともあり、改めて “自分の持っている個性や自分らしさをまるっと愛して歩いて行ってね”というメッセージを伝える歌ができた気がします」

「ケロ」こと増田裕子さん(右)と、「ポン」こと平田明子さん(左)
撮影 森﨑一寿美

子どもと一緒にいるだけでいい、 それが彼らの心の糧になっているはずだから

――子育ての大きな節目を迎えた平田さんから、今子育て真っ只中のコクリコの読者へメッセージはありますか。

平田「子どもとずっと一緒にいられた幸せな時間は想像以上にあっという間に終わってしまいます。家を出ていく娘を見て、あの濃密で幸せな時間が遠くに行ってしまうんだと思うと本当に寂しかった……。でもね、子どもってそんな親の寂しさとは関係なく、清々しいくらいに前を向いて歩いていくんですよ。その姿を見た時に、“ああ、この寂しさは親だけが受け止め、子どもは前を向いてどんどん歩いて行ってくれればいいんだ!”と思えたんです。

「ポン」こと平田明子さん
撮影 森﨑一寿美

子どもが小さい時は、朝起きてから夜寝るまで本当に忙しくて、”結局、今日なにもできなかったな”なんて落ち込むこともありますよね。でも、子どもと一緒にいてあげるだけで、それが十分彼らの栄養になっていると思うんです。私も当時は毎日バタバタで、ちゃんと子育てできているのかな、と反省ばかりしていました。そんなとき友人から “温かいご飯と、暖かいお布団があれば子どもは育つ”という言葉を聞いて、気持ちが軽くなったんです。今は色々な情報が耳に入ってきますが、惑わされず“ウチ流””ウチの子育て”をすればいいと思いますよ」

「ケロ」こと増田裕子さん
撮影 森﨑一寿美

増田「バタバタしながらも精一杯、家族で過ごしている時間は、子どもの体に染み込んでいるはずです。子どもたちはちゃんと大人を見ているし、”大好き”という気持ちも伝わっているから心配しなくてもいい。こんな大変な状況でも愛情を注いで面倒を見て、お父さん、お母さんたちは本当によくやっていますよ。でも、だからこそたまには誰かに助けてもらったり、甘えたりしてもいいんじゃないかな。ケロポンズの遊びや音楽がそのちょっとした手助けになれば嬉しいです。みんなで子育てを見守って行けたらいいですね」


『こどもロック』の歌詞にはこんなフレーズがあります。

〜じぶんでかんがえて 生きてほしいから 神さまはキミをキミにくれた〜

子育ての最終ゴールは正直誰もわかりませんが、親が子どもにしてあげられるのは“キミが自分の足でキミの道を歩いていけるようにサポートすること”なのかもしれません。

こどもロック/ケロポンズ

取材・文 知野美紀子

寄稿家紹介

ケロポンズ けろぽんず

増田裕子さん(ケロ)と平田明子さん(ポン)のミュージック・ユニット。子ども向け音楽や振付の制作を手掛け、親子コンサートなどに年間100公演以上出演する。代表作の「エビカニクス」は、幼稚園や保育園で人気の定番体操曲として大人気。YouTubeの動画再生回数は8000万回を超える。
また、大人も一緒に楽しめる音楽・体操・ステージも人気。保育士・幼稚園の先生を対象にした保育セミナーへの出演・楽曲・振付け提供、絵本の創作など、1000以上の作品数を誇る。
絵本「どすこいすしずもう」アニメ化(2021年4月~テレビ放送開始予定)のオープニング&エンディング主題歌を担当。