『怪盗クイーン』は「夢水清志郎」から誕生? 元教師の人気作家はやみねかおるの世界
『怪盗クイーン』シリーズ著者・はやみねかおる先生インタビュー 後編
――これまでに『怪盗クイーン』シリーズは、エピソード0も入れると16作が刊行されていますが、作品のファンとしては、この先が気になるところです。
はやみね先生:『怪盗クイーン』の物語は、まだまだ書かないといけません。というのも、私は7年後の引退までに、今まで書いてきたいろいろな作品で張っている伏線を回収し、集約していかなければならないんです。本当に、どんどん回収していかないといけない時期に来ています(笑)。
――『怪盗クイーン』シリーズを書き続けてよかったなと思うのは、どんなときですか?
はやみね先生:やっぱり、子どもたちが読んで「面白い!」と言ってくれるのがいちばん嬉しいですね。中にはかなり分厚い作品もありますが、投げ出すこともなく、ずっとついてきてくれる読者の方には感謝しかありません。
今では大きなお友だち(大人)になった読者の方もいて、ありがたいかぎりです。その結果、こうして劇場アニメ化というご褒美までいただけて。
執筆中に悩んだりすることもありますが、小説を書くのはやっぱり楽しいですし、皆さんからの声が本当に励みになっています。
――『怪盗クイーン』シリーズを通して、はやみねさんが子どもたちに届けたいのはどんな想いでしょうか?
はやみね先生:最初のころに「人生に大切なのは、C調(調子がいいこと)と遊び心」だとよく書いていましたが、自分が58歳になった今、本当にそうだなと実感しています。
「人生は楽しまないともったいない」と思いますし、子どもたちが大人を見て「人生つまらないな。大きくなりたくないな」と思うような世の中にしてはいけない。
ですからクイーンたちがああやって大騒動するのを読み、子どもたちに「人生って面白いし、大人になるって楽しそう!」と、少しでも感じてもらえたらいいなと思っています。
人にはそれぞれの生活がありますが、どんな生活を送っていても、その中になにかしら楽しみを見つけられると思うんです。私たち大人も、人生の楽しみ方を忘れてはいけないなと思います。
はやみね先生、ありがとうございました。
取材・文/木下千寿
劇場アニメ『怪盗クイーンはサーカスがお好き』
2022年6月17日(金)全国ロードショー
映画『怪盗クイーン』公式サイト
https://miragequeen.jp/
最新刊『怪盗クイーン 楽園の名画を追え』好評発売中!
はやみね かおるさんのおすすめ記事
今読まれている記事
コクリコのおすすめ記事
はやみね かおる
1964年、三重県に生まれる。三重大学教育学部を卒業後、小学校の教師となり、クラスの本ぎらいの子どもたちを夢中にさせる本をさがすうちに...