2021.04.22

あやしい犬は忍者!? 『にんじゃいぬタロー』読み聞かせのコツ

「本とあそぼう 全国訪問おはなし隊」隊長がお教えします

著者:本とあそぼう 全国訪問おはなし隊

読み手 ーーおはなし隊隊長 渡邉達夫

キャラバンカーに本をたくさん積んで、全国47都道府県におはなしを届ける「本とあそぼう 全国訪問おはなし隊」。
幼稚園や保育所、小学校や図書館、書店など様々な訪問先で、おはなし会を重ねてきたおはなし隊の隊長さんが、子どもたちに人気の絵本の読み聞かせのコツをお教えします!

ある日、普通の男の子・けんた君の所に、首に大きな風呂敷を巻いたあやしい犬がやってきました。この犬、なんと人間のことばがしゃべれます。しかも、昔のお侍さんのような口調! ここから、けんた君とタローの不思議なお話が始まります。
「……ござる」というタローの話し方、お父さんが子どもたちに読んであげても効果的ですよ! お父さん、是非挑戦してみてください。

『にんじゃいぬタロー』
著・作:渡辺陽子 講談社

表紙のタロー、いきなりすごいインパクトです。子どもたちに、しっかり見せてあげましょう。見返しには、タローの忍術がたくさん紹介されています。ここもゆっくり見せてあげます。

ページをめくると、あらわれた、迫力のあるタローの姿! ここはあやしさが際立つようなトーンで特徴的な、おでこの傷が強調されるように読んでみましょう。

次はページをさっとめくって、大きな声で「くせもの!」と読みだします。おでこのあやしいもようが手裏剣だったことが判明します。驚いたように読んでみましょう。

タローのすばやい手裏剣に猫もびっくり
『にんじゃいぬタロー』より

けんた君とタローの会話が始まるとタローの正体が忍者とわかります。そして、けんた君はタローと一緒に忍者の修行をすることになりました。だんだん仲良くなっていく二人。彼らの会話の部分は、その様子が感じられるように、テンポよく読み進めます。

けんた君の家は、まるで忍者屋敷のようです。指で、様々な仕掛けをしめしながら、ていねいに読みます。それにしても、たくさんの仕掛けがありますね。けんた君とタローの冒険は、ドキドキハラハラの連続です。

まるで忍者屋敷のよう
『にんじゃいぬタロー』より

タローのおでこから出た光が、まるでスポットライトのように巻物を浮かびあがらせていますね。この見開きは、指で光線をなぞってもいいですね。

忍者の術がまだうまくできないタローですが、ふっきれたように「にんぽう ぶんしんの じゅつぅぅぅ」と叫びます。ここは、勢いよく大きな声で読みます。

タローが増えた!?
『にんじゃいぬタロー』より

ついに、臆病だったけんた君が、意を決して動き出します。けんた君を勇気づけるタローのことば、そして無事に巻物を手にできた達成感と、巻物への期待感。ワクワクドキドキする場面ですね。けれども、本当のドッキリはここから始まります。

巻物を開くとあらわれたのは! 巻物の文字をゆっくりと大きな声で力強く読みます。一気に物語が完結に向かいます。

エピローグ。タローの決心が爽快な気分にさせてくれますね。これで、「めでたしめでたし」でござる。

絵本をもつ、おはなし隊の渡邉達夫隊長。
こうやってしっかり持ちましょう!

●今回読んだ本

『にんじゃいぬタロー』
著・作:渡辺陽子 講談社

●プラス1冊

おにぎり忍者が、梅干し手裏剣、ごま塩おにぎりの術、たわらむすびの術などを繰り出して、どんぶりの国の殿様から盗まれた巻物を取り返そうとしますが……!?

『おにぎりにんじゃ』
作:北村裕花 講談社

著者紹介

本とあそぼう 全国訪問おはなし隊

たくさんの絵本を積んだ2台のキャラバンカーで各都道府県を巡回し、幼稚園、保育所、小学校や図書館、書店などを訪問している、「本とあそぼう 全国訪問おはなし隊」。1999年7月に、講談社90周年記念事業として、スタートしました。
2007年には第55回菊池寛賞、2018年には、メセナ大賞にも選ばれました。
スタートして以来、通算2万2000回以上の訪問、190万人を超える参加者のみなさん、ありがとうございます。次はあなたの町でお会いできるかもしれませんね!

https://www.kodansha.co.jp/ohanashi/
Twitter:@ohanashitai55