2021.10.15

「ハロウィンってなに?」と子どもに聞かれたら一緒に読みたい絵本4選

ハロウィンに読みたい絵本#1基本編 絵本コーディネーター・東條知美

ハロウィンが何か、正しくわからないのは多くの親も実は一緒ではないでしょうか。この機会に親子で絵本を通じてハロウィンをちゃんと知りたいですね。
写真:アフロ

10月31日は「ハロウィン」。季節の行事として子どもたちの間でもすっかり定着しましたが、大人も子どもも、ハロウィンがどんな日なのかを理解している人は、実は意外と少ないかも。

そこで、絵本コーディネーターの東條知美さんが、ハロウィンの基本をわかりやすく教えてくれる絵本をご紹介。

その由来から楽しみ方、魔女やかぼちゃにまつわる物語まで、知れば知るほどハロウィンが楽しくなります。親子で一緒に読んで、ハロウィン気分を盛り上げましょう!

魔女のおばあちゃんが教える日本発のハロウィン絵本

日本では“仮装イベント”のイメージが強いハロウィンですが、もともとは紀元前から伝わるケルト人の宗教行事がキリスト教に取り入れられたもの。ハロウィンが何かを正確に説明しようとすると、宗教的要素も多く、小さなお子さんには難しいかもしれません。

そこでおすすめしたいのが、絵本で楽しくわかりやすく伝える方法です。まず、子どもがハロウィンに興味を持つようになったころにぴったりなのが、日本初のハロウィン絵本『ハロウィーンってなぁに?』(作:クリステル・デモワノー、訳:中島さおり)。

2006年に発売された日本で初めてのハロウィン絵本。ちびっこ魔女のビビが、おばあちゃんからハロウィンについて教わる『ハロウィーンってなぁに?』(作:クリステル・デモワノー、訳:中島さおり/主婦の友社)

主人公は、小さな魔女の女の子・ビビ。
よく晴れた秋の日のこと。かぼちゃ畑では魔女たちがかぼちゃを集めるのに忙しく、全然かまってくれないので、ビビは悲しくなってしまいます。そこで、おばあちゃんの家へ行ってみると、おばあちゃんまで大きなかぼちゃを抱えていました……なんで!?

物語は<ハロウィンとは何か>をビビにやさしく教えてあげる、おばあちゃんの語りで展開していきます。

そこで、ビビは知るのです。
ハロウィンは<あの世とこの世が出会う夜>であること、魔女や幽霊など恐ろしいもののお祭りであること、人間は身を守るためにたき火をすること、ジャックというおじいさんの伝説、かぼちゃのランタンを作る理由、人間のお祭りとなったハロウィンでは、アメリカの子どもたちが仮装してプレゼントやお菓子をねだるようになったこと……。

そして、かぼちゃのランタンやタルト、チェーン・デコレーションの作り方から、おばけや吸血鬼、ガイコツといった仮装のやり方まで、実用的な情報もたくさん! シンプルな構成とやわらかいタッチの絵で読みやすく、お子さんもビビと一緒にハロウィンについて知ることができます。

ちなみに、作者のクリステル・デモワノーはフランス人なのですが、フランスでは「トリック・オア・トリート」ではなく、「デ・ボンボン・ウ・アン・ソール(お菓子か、それとも呪いか)」と言うそうですよ。

ハロウィンを通して描かれる「互いを思う気持ち」

続いてご紹介するのは、『ハロウィーンのひみつ』(作:はやしちかげ)です。
あるハロウィンの夜、双子の魔女の女の子・アンナとハンナは、魔女たちのハロウィンパーティに飽きてしまい、こっそり抜け出して人間の子どもたちのもとへ遊びに行きました。

好奇心旺盛な双子の魔女の子ども、アンナとハンナは、人間たちのハロウィンパーティを見に行くことに。ところが、アンナが消えてしまい……。ハロウィンの由来をわかりやすく描いた『ハロウィーンのひみつ』(作:はやしちかげ/金の星社)。

ところが、アンナはハロウィンの大きなたき火の炎に包まれて消えてしまったのですーー。

翌朝、悲しみに暮れるハンナのもとへ、子どもたちが本を抱えてやってきました。

「ハンナ、この ほんに、ハロウィーンの ひみつが かいてあるんだ」
「ねぇ、いっしょに よんでみよう!」

ハロウィンについて学んだハンナと子どもたち。来年のハロウィンには、きっとアンナに会える。そう信じて1年を過ごしました。そして、待ちに待った翌年のハロウィンの夜。飾りを作り、ごちそうをこしらえて、仮装の準備をしてアンナを待っていると、そこへ……。

死者と生者が集ってパーティをするシーンが何ともにぎやかで、見開きの仕掛けも楽しい1冊です。昔は10月31日が1年の終わりであったこと、ハロウィンの夜には悪霊とともに、死者たちも戻ってくることなど、ていねいに説明されているのですが、絵本の最大のテーマは「互いを思う気持ちは消えないこと」、そして、「生きてみんなと過ごせる喜び」。

アンナが消えてしまうというショッキングな出来事が起こりますが、悲しくもあたたかい絵本です。ハロウィンという行事にまつわる<死の影>に切り込み、物語の中に盛り込んでいるという意味では、非常に誠実に描いているなと感じます。

<死>を扱った絵本は、お子さんに読む際、少々注意が必要です。まずは親御さんが読んでみて、<身近な人の死を想起して悲しませすぎないか><読んだ後にフォローできるか>など、確認していただくといいでしょう。

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