本当に気になる子育ての悩み「二人目が生まれて、上の子が寂しい想いをしないか不安です」
子育てお悩みランキング12を多角的に検証! 第6回 井潤知美先生/高祖常子先生
2023.03.25
ライター:笹間 聖子
げんきの子育てお悩みランキングトップ12を多角的に検証!
悩みの多い育児の中でも、“本当に気になっている悩み”12に絞り、それぞれを多角的に詳細に検証していくシリーズ連載です。
今回のお悩み
「二人目が生まれて、上の子が寂しい想いをしないか不安です」
まずは、公認心理士・臨床心理士の井潤知美先生の回答からご紹介します。
そもそも人生は思いどおりにならないもの
ところが誰にも気づいてもらえなくて、夕方になったらお腹が空いて帰りました。だから正確には家出ではないんですけど、私の中では家出だったんです!
「お姉ちゃんもいろいろ我慢しているわよね。助かってるよ」と、声をかけてくれたことが心に残っています。「あ、私、お姉ちゃんなんだ」と、ストンとわかったというか……。
きっと上のお子さんも、そうやって下の子どもが生まれて寂しかったり、「お姉ちゃんでしょ」と言われてちょっと理不尽な想いをすることで、人として育っていくのではないでしょうか。
挫折を味わって、立ち直る体験が大切
思いどおりにならないこと、悔しいこと、できないこと。むしろそういうものが人生にはほどほどに必要です。考えてもみてください。そうやって心配しているママ・パパだって、きっとたくさん失敗してきていますよね。
子どもが感じる愛情は「量」ではなく「質」
子どもが感じる愛情って、「量」ではなく「質」なんです。下の子が小さいと難しいとは思いますが、毎日5分、それも難しければ週に2回でもいいので、「今から5分はお姉ちゃんのスペシャルタイムね」みたいに言って、そのときはその子の好きな遊びをしてはいかがでしょうか。
それだけでも上のお子さんは、心がかなり満たされると思います。ぜひ、上のお子さんが「ママ・パパが自分だけを見てくれている」と感じられる時間を作ってあげてください。
いつもの御礼に、二人きりのおでかけも
そういった場合は普段から、「ありがとう」「助かった」などの声がけをきちんとして、ときどきはやはり、「いつも見てくれてすごく助かるから、今週末は二人でどこか行く?」といった、スペシャルタイムを用意してあげましょう。
下のお子さんはパパかおじいちゃんおばあちゃん、一時保育に預けて、その子とママ、またはパパだけの特別な時間を作ってあげるのです。
なぜなら、ママ・パパは上のお子さんをとても評価していても、意外ときちんと伝えないものだから。それなのに、できていないときだけ注意したりしていませんか?「お姉ちゃんなのに」と……。
そうやって、できていないときだけ言われるから、子どもは余計寂しくなってしまうんです。でもきっと、ご両親も心の中ではすごく助かっていますよね。上のお子さんを認めている部分があるはずです。
そこを、「さすがお姉ちゃんだな」と言語化しないと子どもには伝わりません。意識して言語化して、たまにはご褒美をあげて、認めてあげることを心がけましょう。