本当に気になる子育ての悩み「子どもが泣くとイライラしてつい怒ってしまう」

子育てお悩みランキング12を多角的に検証! 第7回 瀧靖之先生/高祖常子先生

ライター:笹間 聖子

続いては、子育てアドバイザー&キャリアコンサルタントの高祖常子先生の回答です。
高祖常子先生

疲れて“いっぱいいっぱい”になっていませんか?

イライラしているのは、ママ・パパが疲れている証拠です。時間がないのに、やるべきことはたくさんあって、日々「いっぱいいっぱいだ」と感じている方は多いのではないでしょうか。

でももし、例えばママとパパが2人でお子さんを見ているときに泣き始めたら……。きっと「今日も泣き始めた。これは長いぞ~」なんて気持ちに余裕をもって見守れることもありますよね。

ですので、自分ひとりであれもこれもやらないといけないときに「こんなときに泣いて大騒ぎして。ご飯を作る暇がないじゃないの!」となりやすいということです。
余裕がないと人はイライラするもの
そういうときは、「最近イライラしているな」とまず自分を客観的に見て、どういう時間帯に一番イライラするのかを考えてみましょう。

朝、保育園や幼稚園に連れていくときに「時間がなくてイライラしてしまう」と感じるなら、パートナーと朝のミッションについて相談してみてはいかがでしょうか。

パートナーは自分の着替えをしてご飯を食べてサッと会社に出ていくのに、私は自分自身も子どもの着替えもご飯も食べさせて全部やっている……という状態になっていませんか?

そうであれば、「子どもの着替えや食事をやってくれたら、もうちょっとにこやかに過ごせると思う」と具体的に言ってみるのも一つの手です。

事前にやっておけることは、余裕のある夜の時間に

朝と夜の時間の使い方を工夫するのもおすすめです。3歳くらいになると「今日はこのお洋服がいい」「これとこれ、どっちがいいと思う?」などと、お洋服選びに時間がかかる子もいますよね。

忙しい朝に「そんな余裕はない!」と怒ってしまうならば、前日の夜に「明日のお洋服を選んでおこうね」と声をかけて一緒に揃えておきましょう。

そうすれば慌ただしい朝の準備時間が、数分間でも短縮できます。
お洋服選びに時間をかけたい子も
ご家庭の問題も仕事と同じ、“問題解決型”で考えるということです。

朝の準備の時間が足りないのであれば、「10分、15分早起きしてみよう」とか。夜ごはんも、ぐずっている子どもをなだめながら作るのが大変なのであれば、「どうやって作る時間を短縮したらいいか」を考えてみましょう。

料理を作っているときにぐずってしまい、イライラして怒鳴って、また泣いてしまってあやして……。クタクタになってご飯を食べるくらいなら、お惣菜や冷凍食品を買ってきて盛り付けるだけでも上等です。電子レンジでチンしたり、お惣菜を並べるのだって手はかかっています。「手抜き」ではなく「手間抜き」と考えましょう。
できた余裕をコミュニケーション時間に当てても
そこで余裕ができたら、「今日は保育園で何があったの?」などとゆっくり会話を楽しみましょう。「今日は時間があるから、もう一冊絵本を読んじゃおうか」などと有意義に過ごせますよね。

子どものことを怒ってばかりいて、それがもし同じような場面だとしたら「どうやったら解決できるのか」を考えていきましょう。
問題解決型で考えて、なるべく笑顔で健やかに過ごせる工夫を
文・構成/笹間聖子 写真提供:ピクスタ

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こうそ ときこ

高祖 常子

子育てアドバイザー・キャリアコンサルタント

リクルートで学校・企業情報誌の編集にたずさわったのち、2005年に育児情報誌miku編集長に就任し14年間活躍。Yahoo!ニュース公式コメンテーター。 認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事、NPO法人ファザーリング・ジャパン理事ほか各NPOの理事を務める。「体罰等によらない子育ての推進に関する検討会」(厚生労働省2019年度)でガイドライン策定委員ほか、国や行政の委員を歴任。子育てと働き方などを中心とした編集・執筆ほか、全国で講演を行っている。 保育士、幼稚園教諭2種、心理学検定1級など子育てに関連する資格を多数取得。 東京家政大学短期大学部保育科卒、第9回渡邉辰五郎奨励賞受賞。 著書は『イラストでよくわかる 感情的にならない子育て』(かんき出版)、『こんなときどうしたらいいの? 感情的にならない子育て』(かんき出版)、『男の子に厳しいしつけは必要ありません』(KADOKAWA)ほか。 3児の母。 ●高卒常子オフィシャルサイト ●Twitter @tokikok  

リクルートで学校・企業情報誌の編集にたずさわったのち、2005年に育児情報誌miku編集長に就任し14年間活躍。Yahoo!ニュース公式コメンテーター。 認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事、NPO法人ファザーリング・ジャパン理事ほか各NPOの理事を務める。「体罰等によらない子育ての推進に関する検討会」(厚生労働省2019年度)でガイドライン策定委員ほか、国や行政の委員を歴任。子育てと働き方などを中心とした編集・執筆ほか、全国で講演を行っている。 保育士、幼稚園教諭2種、心理学検定1級など子育てに関連する資格を多数取得。 東京家政大学短期大学部保育科卒、第9回渡邉辰五郎奨励賞受賞。 著書は『イラストでよくわかる 感情的にならない子育て』(かんき出版)、『こんなときどうしたらいいの? 感情的にならない子育て』(かんき出版)、『男の子に厳しいしつけは必要ありません』(KADOKAWA)ほか。 3児の母。 ●高卒常子オフィシャルサイト ●Twitter @tokikok  

たき やすゆき

瀧 靖之

医師、医学博士

東北大学加齢医学研究所 教授/スマート・エイジング学際重点研究センター センター長 東北大学大学院医学系研究科博士課程卒業。東北大学加齢医学研究所および東北メディカル・メガバンク機構で、脳のMRI画像を用いたデータベースを作成。脳の発達、加齢のメカニズムを明らかにする研究者として活躍する。読影や解析をした脳MRIは16万人以上。 『16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える究極の子育て「賢い子」は図鑑で育てる』(講談社)、『「賢い子」に育てる究極のコツ』(文響社)ほか著書多数。

東北大学加齢医学研究所 教授/スマート・エイジング学際重点研究センター センター長 東北大学大学院医学系研究科博士課程卒業。東北大学加齢医学研究所および東北メディカル・メガバンク機構で、脳のMRI画像を用いたデータベースを作成。脳の発達、加齢のメカニズムを明らかにする研究者として活躍する。読影や解析をした脳MRIは16万人以上。 『16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える究極の子育て「賢い子」は図鑑で育てる』(講談社)、『「賢い子」に育てる究極のコツ』(文響社)ほか著書多数。