子どもの落ち着きがなくて困っています。子育ての専門家が答えます!

こんなときどうする?子育てQ&A#13「落ち着きがなくて困っています」

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学):渡辺 弥生

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いろいろなことに興味を示すけれど、ひとつひとつの遊びとの関わりが短く、関連性もない。
その様子は大人から見ると「落ち着きがない」ようにうつります。

発達心理学の専門家・渡辺弥生教授が子育ての悩みに答えます。

「とにかく落ち着きがなく、次々とやることを変えてしまいます。テレビを見ていると思ったら絵本を読んでとせがみ、次の瞬間にはおもちゃで遊びだします」(2歳・女の子)

次々に遊びを変えるのはなぜ?写真/Adobe Stock

次々遊びを変えるのは、知的好奇心を満たしているからです

1~3歳ではよくある行動ですね。

この時期は感覚運動期で、五感全部を使って物事を理解する段階です。

次々遊びを変えていくのは、目や耳、手などがフル稼働して、どんどん知的好奇心を満たしている状態といえます。

すべてが学びになる子どもにとって、とても有意義な時間ですので、あたたかく見守ってあげましょう。

成長とともにだんだんとひとつの遊びに集中し、持続させる力を獲得していきます。

そのとき、親御さんが上手にサポートしてあげるといいですね。

たとえば、つみきでも「もうひとつ積み上げてみよう」「同じ形を集めよう」「おうちを作ろう」「ふたつ合わせて音をならそう」などと遊びのヒントを与えます。

ひとつのおもちゃで、いろいろな遊びが展開できることを覚えると、イメージをふくらませ、ひとつの遊びが長く、まとまりを持つようになってきます。

「外出するときなど、やたらと走り回ります。親が見えなくなっても気にしないので、あぶなくてしかたありません」(2歳・男の子)

走り回る子どもへの対処法は?写真/Adobe Stock

伝え方ひとつで反応も変わります

子どもはエネルギーをたくさん持っていますから、つい走りたくなってしまうのでしょうね。

でも、事故などにあわないように、予防も必要です。

外出時に「手をつながないとあぶないよ」と言ってもきかない子どもに、「お母さんひとりで歩くのこわいから、手をつないでいてほしい」とお願いしたら、正義感からか手を離さなかったとのこと。

子どもは伝え方ひとつで反応が変わります。試してみてはいかがでしょう?

「じっとしてくれず、やたらと走り回っています。多動性障害なのではないかと、心配です」(3歳・男の子)

落ち着きがないけれど大丈夫?写真/Adobe Stock

お子さんを、よく見てあげることが大切です

このころの子どもは、走る、ジャンプするなど、アクティブな動きができるようになり、それが楽しくてしかたがない時期です。

運動能力が高い子はとくに活発に動き、おとなしく遊ぶのが苦手です。

そんな子は公園や児童館などに連れていき、体を大きく動かせるところでパワーを発散させてあげるといいですね。

また「落ち着きのなさは発達障害かも」とうたがっていた子が、じつはアトピーの症状で体がかゆく、じっとしていられなかったということもあります。

そのような場合もあるので、まずはお子さんをしっかりと見てあげることが大切です。

「落ち着きがない」のは、好奇心旺盛な1~3歳では、たいてい健康な証拠です。

あまり決めつけずに、違った角度から見てあげましょう。

文/久世恵美 写真/Adobe Stock
※この記事は幼児誌「げんき」に掲載された記事を再構成したものです。
わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経...

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトで...