子どもの落ち着きがなくて困っています。子育ての専門家が答えます!
こんなときどうする?子育てQ&A#13「落ち着きがなくて困っています」
2022.02.07
教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学):渡辺 弥生
その様子は大人から見ると「落ち着きがない」ようにうつります。
「とにかく落ち着きがなく、次々とやることを変えてしまいます。テレビを見ていると思ったら絵本を読んでとせがみ、次の瞬間にはおもちゃで遊びだします」(2歳・女の子)
次々遊びを変えるのは、知的好奇心を満たしているからです
この時期は感覚運動期で、五感全部を使って物事を理解する段階です。
次々遊びを変えていくのは、目や耳、手などがフル稼働して、どんどん知的好奇心を満たしている状態といえます。
すべてが学びになる子どもにとって、とても有意義な時間ですので、あたたかく見守ってあげましょう。
成長とともにだんだんとひとつの遊びに集中し、持続させる力を獲得していきます。
そのとき、親御さんが上手にサポートしてあげるといいですね。
たとえば、つみきでも「もうひとつ積み上げてみよう」「同じ形を集めよう」「おうちを作ろう」「ふたつ合わせて音をならそう」などと遊びのヒントを与えます。
ひとつのおもちゃで、いろいろな遊びが展開できることを覚えると、イメージをふくらませ、ひとつの遊びが長く、まとまりを持つようになってきます。
「外出するときなど、やたらと走り回ります。親が見えなくなっても気にしないので、あぶなくてしかたありません」(2歳・男の子)
伝え方ひとつで反応も変わります
でも、事故などにあわないように、予防も必要です。
外出時に「手をつながないとあぶないよ」と言ってもきかない子どもに、「お母さんひとりで歩くのこわいから、手をつないでいてほしい」とお願いしたら、正義感からか手を離さなかったとのこと。
子どもは伝え方ひとつで反応が変わります。試してみてはいかがでしょう?
「じっとしてくれず、やたらと走り回っています。多動性障害なのではないかと、心配です」(3歳・男の子)
お子さんを、よく見てあげることが大切です
運動能力が高い子はとくに活発に動き、おとなしく遊ぶのが苦手です。
そんな子は公園や児童館などに連れていき、体を大きく動かせるところでパワーを発散させてあげるといいですね。
また「落ち着きのなさは発達障害かも」とうたがっていた子が、じつはアトピーの症状で体がかゆく、じっとしていられなかったということもあります。
そのような場合もあるので、まずはお子さんをしっかりと見てあげることが大切です。
「落ち着きがない」のは、好奇心旺盛な1~3歳では、たいてい健康な証拠です。
あまり決めつけずに、違った角度から見てあげましょう。
文/久世恵美 写真/Adobe Stock
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
渡辺 弥生
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。