絵本ナビ編集長がおすすめする 3歳の子どもが読むのにぴったりな絵本

絵本の情報サイト「絵本ナビ」編集長の磯崎園子さんが『絵本と年齢をあれこれ考える』エッセイ第5回

磯崎 園子

笑いがわかっている!?

様々な表情を見せてくれる3歳児。その魅力を挙げはじめればきりがないが、聞けばあっという間に大人が幸せな気持ちになってしまうのは、あの「屈託のない笑い声」だろう。

3歳児はよく泣くけれど、よく笑うのである。絵本を読んでいても、よく笑う。いや、あの笑い声が聞きたくなって、むしろこちらが必死になってしまうのである。油断してはいけない。彼らは意外にも「笑い」をわかっている。
「11ぴきのねことあほうどり」
例えば『11ぴきのねことあほうどり』(馬場 のぼる・作 こぐま社)の面白さは、その物語の展開であり、ねこたちのキャラクターであり、ちょっとシュールな味わいでもある。

その笑いを理解するには、少し早過ぎるのは事実。ところが、大笑いするのである。それは、あほうどりが順番に登場するあの場面。1わ、2わ、3ば、4わ……ときて最後に驚くほど大きなあほうどりが現れる。

その滑稽な間を感じ取り、登場するたびに大げさに声を出し、ずっこける。読んでもらいたくてこの絵本を持ってくる彼らの表情は、心なしか企んでいるようにも見えたりして。いつの間にか、ねこの心が乗り移ってる!?
「おならうた」
『おならうた』(谷川 俊太郎・原詩 飯野 和好・絵 絵本館)のように、読めばその響きが勝手に彼らの笑いのツボを押してくれる絵本もあれば、『パンどろぼう』(柴田 ケイコ・作 KADOKAWA)のように、その絶妙な表情や動きがぴったりとハマり、たちまち大人気となってしまう絵本もある。

こちらが狙っていけば、必ずしも笑ってくれるとは限らない。一方で、そのリズムや空気が気に入ってしまえば、何度だって飽きることなく読み続ける。だからこそ、多くの絵本がこの年齢層に向けて挑戦し続けるのであろう。
「パンどろぼう」
絵本の中の世界に入り込むのに最適な年齢と言われることの多い3歳。その理由を改めて考えてみれば納得してしまう。「正確な絵本の読み方」というものに捉われることなく、それでいて丁寧に絵や言葉を感じ取り、思い思いに想像を膨らませていくことができる。

つまり絵本の読者として、貴重な年齢だということがよくわかる。

さらに「お友達」や「家族」との関係性が生まれ、絵本の読み方も深まっていくこの年齢。とても1回だけでは収まりきらないので、次回も引き続き3歳のお話。お楽しみに!
※この記事は、「こどもの本」2021年5月号~2022年6月号に連載された「絵本と年齢をあれこれ考える」のWeb記事版です。
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いそざき そのこ

磯崎 園子

絵本ナビ編集長

1974年、愛知県生まれ。 絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長として、絵本ナビコンテンツページの企画制作・インタビューなどを行っている。 大手書店の絵本担当という前職の経験と、自身の子育て経験を活かし、絵本ナビのサイト内だけではなく新聞・雑誌・テレビ・インターネット等の各種メディアで「子育て」「絵本」をキーワードとした情報を発信している。 著書に『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)がある。 絵本ナビhttps://www.ehonnavi.net/

1974年、愛知県生まれ。 絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長として、絵本ナビコンテンツページの企画制作・インタビューなどを行っている。 大手書店の絵本担当という前職の経験と、自身の子育て経験を活かし、絵本ナビのサイト内だけではなく新聞・雑誌・テレビ・インターネット等の各種メディアで「子育て」「絵本」をキーワードとした情報を発信している。 著書に『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)がある。 絵本ナビhttps://www.ehonnavi.net/

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki

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