①選ぶ ②提案 ③見通し【イヤイヤ期にはこう対処】発達心理学者が回答

こんなときどうする? 子育てQ&A#106 「イヤイヤ」いうことが多くて困っています。

教育学博士:渡辺 弥生

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子どものためにと思ってはじめた習い事なのに、なじんでくれないと、どうしたらいいのかと悩みますね。

しばらくは子どものそばについて様子をみるママパパも多いでしょう。

発達心理学の専門家・渡辺弥生教授が子育ての悩みに答えます。

「『イヤイヤ』いうことが多くて困っています。」(2歳・男の子)

「イヤイヤ」いうことが多くて困っています。どうすればいい?  写真/Adobe Stock

なぜ「イヤイヤ」いって困らせるんだろう?

「イヤイヤ」と言うのは、成長して第一反抗期といわれる時期に入ったためです。

「イヤ!」「ダメ!」「自分で!」と主張をしますが、悪気があってママパパに逆らっているわけではありません。

こうやって未熟なりに自己主張して、自立に向けて自分の力を試そうとしているのです。

わけもなく「イヤイヤ」いうことは、言葉の発達にともなっておさまっていきます。

ただ、今は毎日のことだけにママパパも大変です。

子どもの発達を妨げないようにしながら、しかもコトを少しでもうまく運ぶ方法を知っておくことも必要な時期でしょう。
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「イヤイヤ」にはどう対応したらいい?

多くのママパパが試して効果があった対策をご紹介します。

これをヒントにお子さんに合う方法を探してみましょう。

◆「イヤなんだ~。わかった。じゃあ、こっちをやろうか? どう?」と、まず気持ちを受けとめて、提案するいい方にかえてみる。

◆「これとこれ、どっちがいい?」と選ばせる。

◆命令口調ではなく、たとえば「着かえたらお外にいくよ」というように先の楽しい見通しを伝える。

◆危険でなければやりたいようにやらせ、困った段階でさりげなく手伝ったり、方法をアドバイスしたりする。

ポイントは、命令口調は控え、提案したり、選択させたり、さりげなく手伝ったりして、「自分で決めた、やった」という気にさせることです。

もちろん、なにをやってもダメな場合もあります。

そんなときはしばらく放っておいてもいいし、時間がないときは、ママパパの決断で行動することがあってもよいのです。

くどくどと怒ったりして、ママパパ自身が自己嫌悪にならないようにしたいものです。

「イヤイヤ」の対応は、けっしてママパパが妥協するということではありません。

上手に対応して、芽生えたばかりの自我をうまく伸ばしてあげたいですね。

文/宇野智子 写真/Adobe Stock
※この記事は幼児誌「げんき」に掲載された記事を再構成したものです。
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わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

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