トイトレがうまくいきません いつできるようになる? 専門家が回答

こんなときどうする?子育てQ&A#34「トイレの練習を開始して3ヵ月たつのに、うまくいきません」

教育学博士:渡辺 弥生

写真/Adobe Stock
トイレで排泄ができるのは、大人にとっては当たり前のことです。

でも、生まれてからずっとおむつを使っていた子にとっては、いくつもの難関があります。

言葉で「トイレでしようね」と教えればOKというわけにはいかないのが難しいところです。
発達心理学の専門家・渡辺弥生教授が子育ての悩みに答えます。

「トイレの練習を開始して3ヵ月たつのに、うまくいきません。どうしたらいいですか?」(2歳・女の子)

トイレの練習を開始して3ヵ月たつのに、うまくいきません。どうしたらいいですか? 写真/Adobe Stock

はじめてのチャレンジに不安や戸惑いがあります

基本的に、おむつ外れには、

★膀胱におしっこをためる力。

★膀胱がいっぱいになっている感覚。

★排泄はトイレで行うという理解力。

★排泄をコントロールして、トイレへいくまでがまんする力。

などの力を獲得することが必要です。

それに、練習は子どもにとって新しいチャレンジなので不安や戸惑いを伴います。

それを少しでも軽くしてあげることも大事です。

「早くできてほしい」と焦りがちですが、成長をゆっくり待ってあげる気持ちで練習につきあうほうが、うまくいく可能性は高いのです。
写真/Adobe Stock

停滞したら、初期の段階に戻してみましょう

基本的に、練習がうまくいかない理由に、トイレに誘うタイミングがあっていないことが考えられます。

子どもをよく観察してみると、ソワソワしたり、おしりをモゾモゾ動かしたりするなど、排泄のサインを出す子もいます。

誘いどきがよくわからないという場合は、排泄していてもいい時間に、おむつが濡れていなかったらトイレに誘ってみるなど、練習の初期段階に戻してみましょう。

お昼寝のあとなどは、いいチャンスです。

練習は最初の段階に戻しても、この3ヵ月間は無駄にはなりません。

これまでの練習で、子どもはトイレで排泄する感覚をつかみかけているし、ママも要領がわかり、余裕をもって進められるからです。
写真/Adobe Stock

イライラが続くときは練習をお休みしてもいい

それでも、ストレスがたまって、子どもを叱ることがふえたら、「あ~、やめた!」と、いったん休止しても大丈夫。

ただ、お休み中でも今がチャンスかなと思うことがあれば、「トイレ、いっとく~?」みたいな軽い感じで誘ってあげましょう。

大切なのは、ママのメンタルです。

「うまくできない」ことで、ママがユウウツな気分になると、それが子どもに伝わってプレッシャーになることもあります。

子どもの生活で大事なのは、トイレで排泄することだけではありません。

それは全体の一部のことと割り切って、トイレの練習は「ダメ元で。できたらラッキー」という気持ちに切り替えられたらいいですね。

そうやって、ママが楽な気持ちになると、子どもの緊張もなくなり、うまくいかないことはあっても、だんだん成功率があがっていきます。

トイレの練習スタートは何回あってもかまわないのです。

急がば回れの精神で、ママが平常心で進められることが、おむつ卒業の近道です。

文/宇野智子 写真/Adobe Stock
※この記事は幼児誌「げんき」に掲載された記事を再構成したものです。
わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。