「子どもの食べ物の好き嫌い」はどう直したらいい? 発達心理学の専門家が答えます
こんなときどうする?子育てQ&A#4「困っています、子どもの好き嫌い」
2022.01.17
「好き嫌いが多く、同じものしか食べない偏食の傾向があります。成長に影響しないか、心配です」(1歳・男の子)
今はまだ「食べる」ということに慣らす段階
もちろんバランスよく肉も魚も野菜も食べることが理想的ですが、今はまだ「食べる」ということに慣らしている段階ですから、心配しなくてもいいでしょう。
栄養バランスばかりにとらわれて「どうして食べないの?」と親がイライラすると、食事を「怒られる時間」と感じて嫌がるようになってしまいます。「食べることは楽しいこと」と、子どもが感じる食卓にできるといいですね。
「野菜が嫌いで、なかなか食べてくれません」(2歳半・女の子)
調理法を変え、見た目や食感を工夫してみましょう
また、切り方や調理法によって食感が変わったら食べられた、ということも。「食べない」と決めつけず、実験気分でいろいろと試してみてください。
野菜のいろいろな味わい方を経験させていくと、だんだんと食べられるものが増え、自然と口にするようになるでしょう。
「ごはん、食パン、お餅、大根など、白いものしか食べず、色のあるものは口に入れてくれません」(2歳・男の子)
栄養バランスよりも、幸福感を大事にしましょう
周りの人がおいしそうに食べているのを見て、ある日突然パクパク食べるようになることもありますよ。「食べなさい」とプレッシャーをかけても、食欲にはつながりませんから、少し時間はかかりますが、焦らず見守りましょう。
心の成長を考えると、1~3歳には食事の内容よりも「おなかが減る、食べる、おいしい、あー幸せ!」という単純な経験を大事にしてほしいと思います。
「食べる」は生きるためにとても大切なこと。食事が幸せな時間になることで、心と体にしっかりとエネルギーが蓄えられるのだと思います。栄養バランスよりも、子どもたちが食べることで幸福感を得られるような食卓作りを、意識してみてください。
文/久世恵美 写真/Adobe Stock
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
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渡辺 弥生
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。