「イヤイヤ期」どう乗り切る? 対処法は? 心理学者の答えはこれ!

こんなときどうする?子育てQ&A#3「イヤイヤ期をどう乗り切る?」

「イヤイヤ期」どう乗り切る? 写真:アフロ
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「イヤイヤ期」は1歳半〜2歳半くらいに現れ、世界中の子どもたちがこの時期になると「イヤイヤ」と言い始めます。
心理学的には自我や自立心が順調に発達している証拠ですが、親にとっては悩ましいですね。
発達心理学の専門家・渡辺弥生教授が子育ての悩みに答えます。

「イヤイヤ期です。子どもへの対処の方法などが知りたいです。」(1歳半・男の子)

対処法が知りたいです。 写真:アフロ

感情と言葉がつながるよう、導きましょう

自我が芽生えると「くやしい」「悲しい」など、赤ちゃんのときにはなかった複雑な感情が湧き出てきます。ですが、まだそれを言葉で伝えることができず、なんでも「イヤ!」という表現になってしまうのです。

「イヤ」の原因がなにか、親は子どもの感情を推察して、「くやしかったんだね」「悲しかったんだ」と言葉にして、感情と言葉がつながるよう導きましょう。

何度も繰り返すことで「悲しい」「くやしい」「ほしかった」など感情を具体的に言葉にできるようになれば、イヤイヤ期も落ち着きます。

子どもが自分の感情を言葉にできたときには、「よく言えたね」とほめてあげましょう。

「イヤイヤ期の真っ最中! 着替えのときも食事のときも、イヤイヤとのけぞって泣き叫びます。」(2歳半・女の子)

着替えの時も食事のときもイヤイヤ。 写真:アフロ

「できた」の自信をもたせてあげましょう

自我が芽生えた子どもは「自分でやりたい」という気持ちが強くなっています。

もしかしたら服を着るのも食事をするのも、自分でやってみたいのかもしれません。けれどうまくできないし、どうしたいかを言葉で伝えることもできず、癇癪を起こしてしまうのです。

こんなときはやらせてあげて、できたことをほめ、自信をもたせてあげましょう。親が手を貸しながらでも「できたね。すごいね」とほめれば、達成感を覚え意欲的になります。

「やっぱりできない」などと、できなかったことを指摘するのではなく、少しでもできていることをほめることで、親も子も気分を前向きに変えていけるといいですね。

「2歳になりイヤイヤ期に入りました。しょうがないと思いつつ、やっぱりイライラして、厳しく怒ってしまいます。」(2歳・女の子)

ついイライラしてしまいます。 写真:アフロ

親が自身の感情をマネジメントしましょう

こんなとき本当に親はつらいですね。
まだこの時期の子どもは怒られている理由もわかりませんし、なにも対処できませんから、ここは親が変わるしかありません。

親御さん自身が自分の感情をマネジメントするスキルを身につけることをおすすめします。イライラしたときは深呼吸をする、お茶を飲むなど、なにか気持ちを落ち着かせる方法を見つけておくといいですね。

「イヤイヤ期」は健全な発達段階で、人間として成長するためになくてはならない過程です。忘れてしまっているだけで、親自身にも「イヤイヤ期」はあったのです。みんなそうやって成長してきたのですから、大きく構えて、見守りましょう。
文/久世恵美
※この記事は幼児誌「げんき」に掲載された記事を再構成したものです。
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わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。