二人目の妊娠 上の子にいつどう伝える? どう過ごす? 専門家が回答
こんなときどうする? 子育てQ&A#78 二人目が生まれることを、上の子にどう教えたらいい?
2022.07.08
教育学博士:渡辺 弥生
上の子のケアをしながら、第2子を出産するためには、多少の心構えが必要かもしれません。
いろいろな不安はあるでしょうが、下の子の妊娠期と出産直後の上の子ケアのポイントについてご紹介します。
「二人目が生まれることを、上の子にどう教えたらいい?」(3歳・男の子)
「あなたが大事!」というメッセージを伝えて
親ごさんがおなかの赤ちゃんに愛情を感じるのは自然なことですが、上の子はそれを察して、親ごさんの気持ちが自分から離れていくように思えるのかもしれません。
これは上の子の宿命のようなものですが、少し意識して愛情深く接するようにしてあげたいですね。
子どもは何歳になっても、親から「あなたが大事。大好き。あなたがいてくれてうれしい」という心からのメッセージをもらえることが最高の喜びです。
それは、「○○ができたからほめる」という条件付きの愛の真逆にあるものです。
たとえば、下の子の妊娠を教えるときも「いいお兄ちゃん(お姉ちゃん)になろうね」というのでは、プレッシャーがかかります。
「赤ちゃんが生まれる」と話すときには、「○○ちゃん(上の子の名)もママのおなかにいたのよ。そのときすごくうれしかったよ。ママは○○ちゃんが大好きよ」などと、上の子が大事だということをメインにして伝えるようにしていきたいもの。
そして、胎動がはじまったら、上の子の手を優しくとって、「動いているね。○○ちゃんも元気いっぱい動いていたのよ」などと話しながら、小さな命を感じさせてあげましょう。
子育ては、いつだって上手に人の手を借りて
上の子に多少のやきもちがあるのは仕方がないことです。妊娠中と同じように「あなたが大好き!」というメッセージを少し強めに出していくようにすれば、長い目で見れば心配はいりません。
ママ一人では限界もあります。できるだけ周囲の人の手を借りましょう。
可能なら赤ちゃんはパパや祖父母にまかせて、上の子との時間を作るようにしてもいいですね。
また、上の子は1~3歳の活発な子ども。
当然叱らなくてはいけない場面もたくさんあります。
叱るところでは叱っても、その後は膝にだくなどして「大切な子ども」という気持ちを伝え続けていきましょう。
しばらくは大変ですが、世の中の多くのきょうだいはそうやって育っているのです。
難しく考えずに、上の子を中心に妊娠からのプロセスをコミュニケーションをとりながら家族で楽しんでください。
文/宇野智子 写真/Adobe Stock
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
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渡辺 弥生
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。