子どもが乱暴なことをしたときどうする? 発達心理学の専門家が回答!

こんなときどうする?子育てQ&A#11「子どもが乱暴なことをしてしまったとき、どうする?」

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学):渡辺 弥生

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自分の子どもがお友だちに乱暴な行動をとると、びっくりしますね。
まだ思いのまま体を動かす時期なので、このようなことはよくあり、気を揉む親御さんも多いでしょう。

発達心理学の専門家・渡辺弥生教授が子育ての悩みに答えます。

「お友だちの顔をたたいたり、髪の毛をつかんだりしてしまいます。どう対処すればいいですか?」(2歳半・男の子)

手が出てしまう場合どうしたらいい? 写真/Adobe Stock

気持ちを“言葉”にして説明してあげましょう

「遊んでいたものを、お友だちがとろうとした」など、なにか子どもなりの理由があるはずです。

自分の思いを言葉にして伝えることができないので、手がでてしまったのでしょう。

1~3歳の子どもには、親御さんが「悔しかったんだね」などと、意識的にその子の気持ちを言葉にしてあげることが大切です。

すぐに理解はできませんが、何度も繰り返していくうちに、自分の感情と「悔しい」という言葉がつながって、相手に気持ちを伝えることができるようになります。

親御さんがやりがちな、子どもの髪をつかんで「ほら、痛いでしょ!だからやっちゃだめ」などと、暴力を体験させる「力によるしつけ」は恐怖心をうえつけるだけで、善悪を正しく学ぶことにはつながりません。

思いやりの心を育てるには「説明するしつけ」を大事にしてください。

「おもちゃのとりあいで、お友だちをぶったり、かんだりしてしまいます」(2歳・女の子)

乱暴な行動をとってしまうときは? 写真/Adobe Stock

ケンカを経験することも社会性の発達には大切です

子どもたち全員が興奮状態ですから、相手の子には親御さんが代わりに謝って、まずはその場から離れさせましょう。

気持ちが落ち着いたところで、「どうして乱暴なことをしちゃったの?」と話を聞き、「たたいちゃだめだよ」「相手の子も欲しかったんだね。でも、貸したくなかったんだね。次はどうぞって、言えるといいね」などと、冷静に説明します。

社会性の発達にはケンカを経験することも大切です。泣かせたり泣かされたりするうちに、「貸して」「いいよ」というマナーやルールが少しずつわかるようになります。

親御さん同士も、多少の子ども同士のトラブルは大事な学びの場ととらえ、お互いおおらかに対処できるといいですね。

「お友だちが使っているものを、無理矢理とろうとします。何度叱っても聞きません」(3歳・女の子)

何度叱っても聞かないときの対処法は? 写真/Adobe Stock

できないことを叱るよりもできたときにほめましょう

親御さんの関心を引きたくて、無意識に叱られるような行動をしている可能性もあります。

親は、子どもが悪いことをしたときだけ怒り、静かに遊んでいるときは放っておきがちだからです。

お友だちと仲良く遊んでいるときもしっかり子どもに関心を向け、「おもちゃ貸してって言えたね。えらいね」などと、ほめてあげましょう。

できなかったときに叱るよりも、できたときにほめるほうが子どももうれしく、印象に残りますから、だんだんと行動も変わっていくでしょう。

文/久世恵美 写真/Adobe Stock
※この記事は幼児誌「げんき」に掲載された記事を再構成したものです。
わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経...

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトで...