祖父母との育児方針の違いに悩み! 発達心理学の専門家が答えます

こんなときどうする?子育てQ&A#10「祖父母とのコミュニケーションに悩んでいます」

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学):渡辺 弥生

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子どもをとてもかわいがってくれ、子育てにも協力してくれる祖父母は、とても心強い存在。ですが、近い存在であるからこそ、その距離のとりかたはなかなかむずかしいですね。

発達心理学の専門家・渡辺弥生教授が子育ての悩みに答えます。

「『早くトイレトレーニングをさせなさい』など、子育てに口を出します。私は子どもの成長にあわせていこうと思っているのに」(2歳・女の子)

子育てに意見されたらどうすべき? 写真/Adobe Stock

先回りして心配してしまう、親心です

祖父母世代以前は、布おむつなどを使用していたことからか、現在よりも早めにトイレトレーニングを始めていたようです。

「早く」という言葉にも悪気はなく、世代間ギャップのひとつでしょう。

そのような指摘は、子どものころの「宿題やった?」といっしょで、先回りして心配してしまう、親心だと思います。

あまり深刻に受け止めず、適当に受け流してはいかが?

急かされているようで苛立ちを感じるかもしれませんが、子育ての主体はあくまでお父さんお母さん。

祖父母の気持ちは受け止めつつも、自分たちの子育てに自信をもって、「そうですね」「始めてみます」などと、クールに応対できるとよいですね。

「祖父母がやたらとものを買い与えるので、何でも欲しがって困ります」(3歳・男の子)

なんでも買ってくれるときの対処法は? 写真/Adobe Stock

じょうずに甘えてお互い気持ちよく過ごして

祖父母の立場にたつと、年をとって体力も衰えているので、ものを買い与えることが一番手っ取り早い愛情表現なのかもしれません。

頻度にもよりますが「買ってあげたい」という祖父母の気持ちは、受け止めてあげてもよいのではないでしょうか?

また、たびたび買ってくるのは「何を買っていいのかわからない」ということかもしれません。

そんなときは、子どもが欲しがっているおもちゃや、「買おうかな?」と考えているものをやんわりリクエストしてみては? 

じょうずに甘えることで、お互い気持ちよく過ごせるようになるのではないでしょうか?

「親が『ダメ』と言っても、祖父母が許してしまいます。甘やかされすぎて、がまんができない子になってしまいそう……」(2歳半・女の子)

甘やかされすぎないか心配なときは? 写真/Adobe Stock

冷静に説明して、協力をあおぎましょう

まず祖父母に「私たちは子どもにこういうしつけをしたいと思って頑張っているんです。だから応援してもらえると嬉しいです」と、笑顔で協力をあおぎましょう。

自分たちの子育て方針をきちんと伝えれば、祖父母もちゃんと理解して対応してくれます。

決して感情的にならないこと。

互いに意見を交換するのは健全ですが、ただ衝突するのはお互い気分が悪くなるだけで、解決にはなりません。

祖父母は子育ての先輩。親と祖父母が笑ったり怒ったりしながら、それぞれ折り合いをつけて楽しく過ごしている様子を見るのは、子どもにとっても、社会性を学ぶとてもよい機会になります。

なによりも子どものために、家族みんなで過ごす楽しい時間を大切にしてください。

文/久世恵美 写真/Adobe Stock
※この記事は幼児誌「げんき」に掲載された記事を再構成したものです。
わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経...

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトで...