祖父母との育児方針の違いに悩み! 発達心理学の専門家が答えます
こんなときどうする?子育てQ&A#10「祖父母とのコミュニケーションに悩んでいます」
2022.01.31
教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学):渡辺 弥生
「『早くトイレトレーニングをさせなさい』など、子育てに口を出します。私は子どもの成長にあわせていこうと思っているのに」(2歳・女の子)
先回りして心配してしまう、親心です
「早く」という言葉にも悪気はなく、世代間ギャップのひとつでしょう。
そのような指摘は、子どものころの「宿題やった?」といっしょで、先回りして心配してしまう、親心だと思います。
あまり深刻に受け止めず、適当に受け流してはいかが?
急かされているようで苛立ちを感じるかもしれませんが、子育ての主体はあくまでお父さんお母さん。
祖父母の気持ちは受け止めつつも、自分たちの子育てに自信をもって、「そうですね」「始めてみます」などと、クールに応対できるとよいですね。
「祖父母がやたらとものを買い与えるので、何でも欲しがって困ります」(3歳・男の子)
じょうずに甘えてお互い気持ちよく過ごして
頻度にもよりますが「買ってあげたい」という祖父母の気持ちは、受け止めてあげてもよいのではないでしょうか?
また、たびたび買ってくるのは「何を買っていいのかわからない」ということかもしれません。
そんなときは、子どもが欲しがっているおもちゃや、「買おうかな?」と考えているものをやんわりリクエストしてみては?
じょうずに甘えることで、お互い気持ちよく過ごせるようになるのではないでしょうか?
「親が『ダメ』と言っても、祖父母が許してしまいます。甘やかされすぎて、がまんができない子になってしまいそう……」(2歳半・女の子)
冷静に説明して、協力をあおぎましょう
自分たちの子育て方針をきちんと伝えれば、祖父母もちゃんと理解して対応してくれます。
決して感情的にならないこと。
互いに意見を交換するのは健全ですが、ただ衝突するのはお互い気分が悪くなるだけで、解決にはなりません。
祖父母は子育ての先輩。親と祖父母が笑ったり怒ったりしながら、それぞれ折り合いをつけて楽しく過ごしている様子を見るのは、子どもにとっても、社会性を学ぶとてもよい機会になります。
なによりも子どものために、家族みんなで過ごす楽しい時間を大切にしてください。
文/久世恵美 写真/Adobe Stock
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
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渡辺 弥生
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。