指しゃぶりをやめさせたい。どうしたらやめさせられる?専門家が答えます。

こんなときどうする?子育てQ&A#20「指しゃぶりをやめさせたい。どうしてやめられないの?どうすればやめられるの?」

教育学博士:渡辺 弥生

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乳幼児健診のとき、子どもの指しゃぶりを指摘され、どうしようと悩んでいる方は多いと思います。歯の専門家である歯科医は「歯並びが悪くなる」「歯の間に隙間が空く」など、歯について詳しく言うことがあります。

ですが、小児科医や心理学者の観点、つまり、身体や心の観点では、指しゃぶりは赤ちゃんが母親のお腹の中にいるときからしているごく自然な行為ですから、乳幼児期の場合にはとくに神経質になることはありません。

発達心理学の専門家・渡辺弥生教授が子育ての悩みに答えます。

「指しゃぶりがなおりません。いつまで指しゃぶりが続くのでしょう?」(2歳・女の子)

指しゃぶりはいつまで続くの? 写真/Adobe Stock

手や口を使って、ものを認識する時期です

指しゃぶりが習慣になっている子もいます。

1~3歳は「感覚運動期」と呼ばれる時期で、目で見る、手で触る、口に入れるなど、五感を通してものを認識し、行動につなげています。

ただ指をしゃぶっているように見えますが、それを繰り返すことは、指を吸う口の感覚と自分の気持ちをつなげるすべを学んでいる、とも言えます。 

成長しておもちゃ遊びをするなど遊びが活発になると、いろいろ手を使うようになるので、指をしゃぶる暇がなくなり、指しゃぶりは減ってきます。

お友だちといっしょに遊ぶようになると、睡眠前など限られたときぐらいになり、5〜6歳くらいで自然としなくなっていきます。

「もうすぐ3歳なのに、指しゃぶりがやめられなくて困っています。注意すると泣き叫んで大騒ぎします。どうすればやめられますか?」(2歳半・男の子)

指しゃぶりをやめさせるには? 写真/Adobe Stock

手を使って遊びましょう

指しゃぶりは子どもにとって、緊張を和らげ気持ちを安定させる働きがあります。

それを無理矢理やめさせようと大きな声で怒鳴ったり、キツく注意したりすると、子どもに緊張やストレスを与えてしまいます。

それよりも、親子でたくさん、楽しく手を使う遊びをしてはいかがでしょう?指しゃぶりをしている時間が長いのは、退屈している、手持ち無沙汰だということがよくありますから、「一本橋こちょこちょ」「とんとんとんとんひげじいさん」「あがりめ さがりめ」「おはなしゆびさん」などの手遊び歌で、パパやママがいっしょに遊ぶといいですね。

指しゃぶりをしそうだな、と思ったら遊びに誘う、手をつなぐなどのスキンシップをとるなど、さりげなく楽しいことへ誘ってあげると、いつの間にか指しゃぶりは減っていきます。

おしゃぶりがやめられない場合も同様です。おしゃぶりを欲しがるときはいっしょに歌を歌うなど、遊びで気分を変えてあげましょう。

子どもはより楽しいほうを選びますから、ほかの刺激を与えて退屈させないようにすれば、だんだんと執着しなくなっていくでしょう。

指しゃぶりは成長過程の行為の一つ。おおらかに受けとめ、あまり焦らずゆっくり見守ってあげてください。

文/久世恵美 写真/Adobe Stock
※この記事は幼児誌「げんき」に掲載された記事を再構成したものです。
わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経...

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトで...