子どもの夜ふかしは発達にどんな影響があるか、専門家が答えます。

こんなときどうする?子育てQ&A#17「子どもの夜ふかし…どんな影響があるのか心配です。」

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学):渡辺 弥生

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さまざまな調査の結果によると、今の子どもたちは夜ふかし傾向にあります。環境の変化、女性の社会進出など理由はいろいろあると思いますが、発達心理学の観点からは、夜ふかしは決してよいことではありません。

夜ふかしには「寝る時間が遅い」「睡眠時間が短い」と、2つの問題があります。

じつは、1~3歳ぐらいの幼児は朝起きて夜寝るという、約24時間周期の体内時計をはじめて確立する、とても大切な時期です。夜、眠っている間には、脳や神経のネットワークの形成、骨や筋肉の形成、細胞の修復など、子どもの健やかな成長を維持するための「成長ホルモン」が分泌されます。

夜ふかしを重ねていると、この「成長ホルモン」が正しく分泌されなくなってしまいます。

また、精神状態と睡眠は密接な関係があり、睡眠不足になると集中力・記憶力の低下、イライラするなど精神の不安定、さらに肥満のリスクも高まると言われています。

このように夜ふかしは脳、精神、体……すべてに影響しかねません。

発達心理学の専門家・渡辺弥生教授が子育ての悩みに答えます。

「子どもの昼夜が逆転しています。どうやって直せばいいでしょうか?」(1歳半・女の子)

早く寝かせるにはどうしたらいい? 写真/Adobe Stock

早く寝るには、まず早く起きること

早く寝るよう習慣づけたいですね。

早く寝るにはまず、早起きしましょう。早く起きれば自然と早く眠くなります。

昼寝も見直しましょう。最近では、夜まとめて深く寝たほうが質の良い睡眠が得られるとされ、2〜3歳児でも昼寝をしない保育園がでてきています。

まずは朝早く起き、日中たっぷり体を動かして、昼寝は控え、夜8時か9時には寝るように、一日の生活リズムを整えましょう。

「パパの帰宅を待ってお風呂に入るので、寝るのが深夜になります。成長に影響がないか、ちょっと心配です」(3歳・男の子)

夜更かしの影響は? 写真/Adobe Stock

コミュニケーションより子どもの睡眠時間が優先です

「子どもと会いたい」というパパの気持ちも理解できますが、親からの一方的な求愛タイムを作ろうとするよりも、この年齢の子どもには睡眠を優先しましょう。

また、入浴直後は体温が上がっていて寝付きにくくなるとも言われていますから、食事の前に入浴するなど、順番を変えてみるのもひとつの案です。

個人差もありますが、5歳くらいまでは10〜13時間の睡眠が推奨されています。

子どもは自分で生活リズムを作れませんから、大人の生活時間に子どもを合わせるのではなく、就寝時間、睡眠時間、起床時間と、すべて子ども中心のスケジュールにする努力ができるといいですね。

保護者の皆さんにもいろいろ事情はあると思いますが、子どもの睡眠時間の大切さを意識し、工夫してみましょう。

結果的に、保護者の方の生活習慣も改善されて、健康につながります。

文/久世恵美 写真/Adobe Stock
※この記事は幼児誌「げんき」に掲載された記事を再構成したものです。
わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経...

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトで...