子どもの歯みがきぎらいは直せる? 子育ての専門家が答えます。

こんなときどうする?子育てQ&A#15 「歯みがきぎらいに困っています。」

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学):渡辺 弥生

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歯への意識が高まったせいでしょうか、乳歯が生える時期の「1~3歳」の保護者の方からも、歯みがきに関する悩みが多数寄せられます。
歯みがきをいやがるお子さんは多いですね。大人には当たり前の歯みがきも、歯が生えたばかりの子どもには慣れないこと。心地悪いうえに強制されるので、抵抗感があるのだろうと思います。
発達心理学の専門家・渡辺弥生教授が子育ての悩みに答えます。

「歯みがきをいやがって口を開けてくれなかったり、逃げたりします。虫歯にならないか心配です」(1歳半・男の子)

口を開けてくれないときは?写真/Adobe Stock

なぜ歯みがきをするのか、子どもに伝えましょう

だれでもいきなり歯ブラシを口に入れられたら、恐怖を感じることでしょう。

そう考えるといやがるのも理解できます。

まずはなぜ歯みがきをするのか、ちゃんと子どもに伝えましょう。

「お口の中をきれいにしよう。きれいにすると気持ちがいいよ。歯の汚れがとれるから、体も元気になるんだよ」などと、説明してあげてください。

口を開ける「お口あーんごっこ」もいいですね。遊びながら「お口大きく開けられるかな? あーん」とみんなで口を大きく開ける。子どもができたら「上手だね」とほめてあげましょう。

口を開けられるようになれば、一歩前進です。

「歯みがきが大きらいです。歯医者さんには押さえつけてでも歯みがきをしてほしいと言われて、困っています」(2歳・男の子)

押さえつけてでも歯みがきするべき?写真/Adobe Stock

なによりも、子どもの心を大事にしましょう

歯医者さんは立場上、このようにおっしゃいますが、親にとっては少し厳しく感じますね。

歯みがきは必要ですが「絶対にやらなきゃいけない」と思い込まずに、「今日はできなかったけど、また明日やろう」と、気持ちを切り替えるくらいがちょうどいいと思います。

なによりも子どもの心が大事。心が元気で毎日楽しく過ごせるほうが、家族みんなにとって幸せです。

あとは、子どもは真似っこが大好きですから、親が楽しそうに歯みがきをしていたら「歯みがきって楽しい? やらなきゃ損!?」とやる気が出てくることもありますよ。ぜひ、試してみてください。

「歯みがきや仕上げみがきをいやがったとき、どう対処すればいいですか?」(2歳半・女の子)

歯みがきをいやがるときの対処法は?写真/Adobe Stock

楽しいことがなによりも大事です

歯の質には個人差があり、遺伝要素や既往歴も関係していますから、仕上げみがきを完璧にしても絶対虫歯にならないわけではありません。

あまり神経質にならずに、歯みがきも食事のあとや寝る前にこだわらず、子どもの機嫌がいいときにささっとしてしまいましょう。

子どもが選んだ歯ブラシや歯みがき粉を使うのもオススメです。歯みがきに関する絵本を使ってもいいですね。

歯みがきに興味が持てれば、自然と毎日の習慣へとつながっていくと思います。

歯みがきも仕上げみがきも「楽しい」がなにより大事。

親の気持ちは子どもに伝わりますから、イライラせず、楽しい雰囲気でいきましょう。

文/久世恵美 写真/Adobe Stock
※この記事は幼児誌「げんき」に掲載された記事を再構成したものです。
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わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki

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