子どもに片付けをどう教えたらいい? 発達心理学の専門家が回答!
こんなときどうする?子育てQ&A#14「片付けができません。どうやって教えればいいのでしょうか?」
2022.02.09
教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学):渡辺 弥生
子育て中の人ならば、誰でも経験があることでしょう。
「おもちゃの片付けをしない。怒っても笑っていて、理解できないみたいです」(2歳・女の子)
なぜ片付けが必要か伝えましょう
子どもにとってはそこら中におもちゃが散らばっているほうが、なんでもすぐに遊べて好都合。ですから、ただ「片付けなさい」と言っても通じないのです。
まずは「なぜ片付けが必要か」をキチンと言葉にして伝えましょう。
「おもちゃが散らばっていると、誰かが踏んでしまうかもしれない。転んでけがをしたり、おもちゃが壊れたりするかもしれないね。危ないから、ちゃんと片付けようね」と説明してからいっしょに片付けます。
終わったら「これで危なくなくなったから安心だね。きれいになっていい気持ち。よくできたね」とほめてあげる。
片付けに慣れるよう、遊びにするのもいいですね。
「お片付け競争、よーい、どん!」と、遊びながら楽しく片付ける。これを繰り返していくと、だんだんと片付けの意識が育っていくでしょう。
「片付けをせずどんどん違う遊びをするので、すごく散らかります。どうやって注意すればいいでしょうか?」(2歳半・男の子)
今は、自由にのびのび遊ばせましょう
ミニカー、おえかき、つみき、楽器、遊具、ぬいぐるみなど、大人から見るとそれぞれ別の遊びに思えますが、違う遊びを組み合わせることで、いろいろな発見や学びのきっかけとなります。
遊びを通して好奇心・探究心をおおいに刺激する、つまり子どもにとってはとても有意義な行動なのです。
ですから、今は自由にのびのび遊ばせてあげてもいいと思います。
「片付けながら遊ぶ」は、もう少し大きくなるまで待ちましょう。
「片付けの習慣を身につけさせたい。いつ頃からどうやって教えればいい?」(2歳・男の子)
ものを管理する気持ちよさに気付かせてあげましょう
片付けを習慣づけるには、ものに対して愛着をもつ、大事にしたい気持ちがある、というのがポイントです。
おもちゃに子どもの名前を書いてあげて「〇〇ちゃんのだから、自分で片付けようね」と促すのもいいですね。
大事なおもちゃを自分自身で片付けると、次に使うときにすぐ見つかる、失くさないなどのメリットがあります。
ものを管理する気持ちよさに気付かせてあげると、だんだんと片付けが楽しくなっていくでしょう。
文/久世恵美 写真/Adobe Stock
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
渡辺 弥生
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。