てぃ先生の目からうろこの育児アイディア
「踊る!さんま御殿!!」出演でも話題のてぃ先生は、なんと現役の保育士。その超具体的な育児法はかつてない斬新なアイディアに溢れていて、世のママパパに圧倒的に支持されています!!
まさに「保育のプロ」として日々子どもに接しているてぃ先生ならではの、的確で「すぐ効く」目からうろこの育児アイディアを紹介する連載です!
保育士として勤務のかたわら、その専門性をいかしTwitter、YouTubeなどで、子育ての楽しさや子どもとの向き合い方などを発信、大反響を呼ぶ。著書に「カリスマ保育士てぃ先生の子育てで困ったら、これやってみ!」(ダイヤモンド社)、「ほお…、ここがちきゅうのほいくえんか。」(ベストセラーズ)など多数。
育児の悩み#15『気にいらないことがあると、怒って親をたたきます』(2歳0ヵ月男児)
気にいらないことがあると、怒って親のことをたたきます。「たたいちゃダメ」と言っても聞かず、お友だちにも乱暴するんじゃないかと心配です。
「マグネットやカードで、<今の気持ち>を表現してもらってみて」
大人同士でもよくありますね。パートナーの行動にイライラしているとき、いつもよりガチャガチャ音をたてて食器を洗って自分が怒っていることを相手に気付かせようとする、みたいなこと。それと同じようなもの。「僕は怒っているぞ!」ということをうまく言葉にできず、なんかムシャクシャするこの気持ちに気づいて! と親御さんをたたいてしまっている可能性があります。
たとえば、ホワイトボードなどを用意して、ニコニコ笑っているマーク、シクシク泣いているマーク、プンプン怒っているマークを描いたマグネットなどを用意します。「お母さん、今楽しいからこのマーク」とニコニコマークをボードに貼っておきます。同じように、悲しいときにはシクシクマーク、怒っているときにはプンプンマークを貼ります。
そして「今度は〇〇ちゃんの気持ちを貼ってみよう」と、子どもにマグネットを選んで貼ってもらいます。リビングのテーブルなど、お子さんの手の届きやすいところにマグネットを用意しておいて、遊び感覚で繰り返しやってみてください。マグネットじゃなくても、カードなどでもいいですね。「感情カード」「表情カード」などの名前で市販もされているので、そちらでもいいと思います。
「マグネットで感情表現が難しいお子さんでも示しやすくなります」
たとえば、ニコニコマークが貼ってあったのにいつの間にかシクシクマークになっていた、なんてこともあるかもしれない。「あれ? なにかあったのかな?」と親御さんが声をかけるきっかけにもなります。お子さんの感情をお子さん自身に示してもらうことで、親御さんも子どもの気持ちに寄り添った言葉選びや伝え方を工夫できると思います。
自分の感情を表現することができるようになって「僕は今、怒っている」ということをちゃんと親御さんに伝えることができれば、たたく必要がなくなるので、乱暴な行動もおさまっていくと思います。
育児の悩み#16『歯みがきをとても嫌がります。仕上げみがきが全然できません!』(2歳0ヵ月女児)
歯みがきをとても嫌がります。電動歯ブラシを使ったとき最初は喜んで歯みがきさせてくれましたが、またすぐ嫌がるように。仕上げみがきが全然できません!
「一方的に歯みがきをするのではなく、お子さんに役割を任せてみて」
歯医者さんは必ず「次はここをやりますよ」と軽く歯にさわってから治療を始めますね。どのあたりを治療するかを知らせてくれると、患者側も気持ちの準備ができるからです。同じように、仕上げみがきも「次はここの歯をきれいにするよ」と告知してからはじめると、お子さんも安心できると思います。
それから、一方的に歯みがきをするのではなく、お子さんにも何か役割を任せてみてください。まずはお子さんに歯ブラシを持ってもらって、親御さんの仕上げみがきをしてもらいます。「じゃあ次は〇〇ちゃんの番ね」と、お子さんの仕上げみがきをするというように順番に仕上げみがき係をするのもいいですね。
歯ブラシに歯みがき粉をつける係などでもいいですね。「どう説得すれば歯みがきさせてくれるか」という方向ではなく、「自分で歯みがきしたいと思ってもらうにはどうしたらいいか」を考えてみてください。それには歯みがきのときの子どもの係、役割を決めると興味を持ちやすくなると思います。
「いっしょにドラッグストアに行って、子どもに歯ブラシを買う体験をさせてみて」
電動歯ブラシを使っているとのことですが、親御さんには便利ですが、お子さんには負担に感じるのかもしれません。異物が口の中に入るのは大人でも違和感がありますから、電動歯ブラシの音、動き、サイズ感などお子さんには合わないのかもしれませんね。それよりも360度全面にブラシがついている歯ブラシなども市販されていますから、そういうもののほうがやさしい口当たりでいい場合もあります。
歯ブラシも親御さんが勝手に買ってくるのではなく、お子さんといっしょにドラッグストアなどに行って、お子さんにお金を渡して「〇〇ちゃんが買ってみようね」と支払ってもらう。そうするとその歯ブラシは「自分で買った特別な歯ブラシ」になるので、愛着が生まれて使うのが楽しくなるかも!
ネットショッピングは安くて便利ですが、子どもにとっては買い物ひとつもドキドキワクワクの体験ですから、お店に行って買い物する機会を作るだけで歯みがきへの気持ちが変わるきっかけになることもあると思いますよ!

げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトで...
てぃ先生
関東の保育園に勤める男性保育士。 保育士として勤務するかたわら、その専門性を活かし、子育ての楽しさや子どもへの向き合い方などをメディ...